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百人一首、いまの言葉でよみがえる!
<登場人物>
飯田橋博士 無類の読書とスポーツ観戦好き。猫を飼っていて、奥さんがちょっと怖い。
トウマ 博士のもとでお手伝いのようなことをしている大学生。
百人一首、覚えてる?
トウマ「博士、僕の大学のクラスに百人一首をいまだに全部覚えてる女の子がいるんです。何首か暗唱してくれて、正直びっくりしました」
博士「ほう、それは素晴らしいのう。百人一首を丸暗記とは、なかなか大したものじゃ」
トウマ「でも、ただの丸暗記だけじゃなくて、その意味もちゃんと分かってるらしくて。僕なんか、意味を調べないと何がテーマなのかも全然分からないです」
博士「それもそのはずじゃよ。百人一首の短歌は昔の言葉で書かれとるから、現代人には敷居が高い」
トウマ「ちょっと興味が出てきたんですけど、おすすめの本とかないですか?」
博士「おお、ちょうどいい本があるぞ。小池昌代さんの『百人一首 古典新訳コレクション』じゃ」
魅力を現代語訳で解き明かす
トウマ「なるほど。短歌の原文とともに、現代の詩に翻訳もしてくれてるんですね。すごく分かりやすそうです」
博士「そうじゃろう。短歌というのは三十一文字という限られた空間に、無限の想いを込める芸術じゃ。その感覚を現代人にも伝わりやすくしているのが、小池さんのすごいところじゃ」
トウマ「ネットで読者レビューをチェックしてみますね。ふむふむ、解説が丁寧で、背景とか歌人のことまで詳しく書かれてるので、短歌がもっと身近に感じられるって意見がありますね」
博士「ワシも和泉式部の歌が現代詩になったものを読んだ時、思わず唸ってしまったぞ。彼女の恋愛観の深さがぐっと伝わってくる。著者も絶賛しておるぞ」
トウマ「えー、早く読んでみたいなぁ」
博士「ふふ、ライバルだった紫式部のことは、逆にあんまり良く書かれていなかったりな。著者の好き嫌いがにじみ出とる。そういうところも人間味があって面白いじゃろう」
古語の美しさと技巧の深み
トウマ「でも、短歌ってやっぱり古語じゃないと表現できない美しさがあるんですね」
博士「その通りじゃ。例えば『花の色は移りにけりな』という言葉の中に、四季の移ろいや人の儚さが詰まっとる。現代語で完全にそのニュアンスを伝えるのは至難の業じゃ」
トウマ「確かに、現代語訳された詩も良いけど、やっぱりオリジナルの短歌の響きも味わいたいですね」
博士「なんじゃ。本も読まずして短歌の楽しみ方が分かってきたような口ぶりじゃな…」
博士の創作短歌?
トウマ「博士、そんなに短歌に詳しいなら、ひとつ詠んでみてくださいよ」
博士「いきなりじゃな…。ちょっと待っておれ…。
奥方の つらき言葉をつつみこむ ミーとクロとの モフモフ毛並み
こんな感じでどうじゃ」
トウマ「……博士、つまり何が言いたいんですか?」
博士「はっはっは! 要するに、怖い奥さんの言葉に疲れたワシを、猫たちが癒してくれるという歌じゃ」
トウマ「なんだ、そういうことだったんですね。いや、博士、短歌の才能もありますよ!」
博士「ふふ、これを加えて『百一人百一首』として出版しようかの!」
新たな視点から再発見
トウマ「百人一首って、やっぱり時代を超えて愛される理由が分かる気がします」
博士「その通りじゃ。短歌に込められた感情や景色は、千年以上経っても心に響くものがある。現代語訳という新しい視点から見ることで、さらにその魅力を再発見できるんじゃ」
トウマ「これからもいろんな短歌に触れてみたいです。博士、またいろいろ教えてください!」
博士「もちろんじゃとも。また一緒に楽しもうではないか」
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!博士とトウマくんに話してもらいたいテーマがあれば、ぜひコメントでお知らせ下さいね。
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