
アウシュビッツ解放80年
<登場人物紹介>
飯田橋博士 無類の読書とスポーツ観戦好き。猫を飼っていて、奥さんがちょっと怖い。
トウマ 博士のもとでお手伝いのようなことをしている大学生。
歴史の教訓
トウマ「博士、アマゾンプライムでホロコーストのドキュメンタリーを見たんですけど、もう本当に胸が痛くて…」
博士「おぉ、トウマ。感心じゃな。ホロコーストについて興味を持つとは大したもんじゃ。ちょうど昨日1月27日は、ナチス・ドイツによるホロコーストの中心となったアウシュビッツ強制収容所が解放されてから80年を迎えたんじゃ。多くの人が銃殺された「死の壁」の前で、元収容者たちが犠牲者を追悼したそうじゃ」
トウマ「そうでしたか…… いや、ドキュメンタリーを見てるだけで、普通に生活してる自分がどれだけ恵まれてるか痛感しますね」
博士「その通りじゃ。ホロコースト、つまりナチスによるユダヤ人大虐殺は、人類史の中でも特に恐ろしい出来事の一つじゃ。アウシュビッツでは約110万人が命を奪われた。多くはユダヤ人でな」
トウマ「でも、どうしてそんなことが起きちゃったんですか?」
博士「根底にあったのは偏見と憎悪、そして権力の暴走じゃな。ナチスは“特定の人々が劣っている”という考えを広め、多くの人を洗脳してしまったんじゃ」
人間の心理の恐ろしさ
トウマ「でも普通の人たちが、そんなことに加担してしまうのが不思議で仕方ないです」
博士「それが人間の恐ろしいところじゃ。『命令に従うだけ』と考えたり、日々の業務に慣れてしまうと、罪の意識が薄れていくものなんじゃ。心理学者のミルグラムの実験を知っておるか?」
トウマ「あ、なんか聞いたことあります!電流を流すやつですよね?」
博士「そうじゃ。簡単に言えば、“上の指示”があれば、多くの人が倫理に反する行動を取る傾向があることを示した実験じゃ」
トウマ「えぇ…普通の人間もそんなふうに?」
博士「そうじゃ。そこが恐ろしい。そして、過去から学ぶべき部分でもある」
未来への教訓
トウマ「でも、僕らに何ができるんでしょう?」
博士「小さなことからじゃよ、トウマ。偏見を持たない、誰かを尊重する。日々の行動や意識を変えるだけで、未来の悲劇を防ぐ力になる」
トウマ「うーん、博士の話ってすごく深いですね。でも…ちょっと難しいな」
博士「まぁ、ワシのジョークと同じで、深みがあってもたまに分かりづらいのが玉に瑕じゃ」
トウマ「それジョークだったんですか!?」
おわりに
トウマ「そういえば、ミーとクロって今日何してます?」
博士「ミーはカーテンを登ろうとして奥さんに怒られ、クロはストーブの前で丸まっておる」
トウマ「あぁ、クロは相変わらずマイペースですね」
博士「まぁ、猫は猫のペースじゃ。ワシらも人間らしいペースで進めばいい」
トウマ「博士、何気にいいこと言いますよね…」
博士「ほほほ、ワシにかかれば猫のつぶやきすら名言じゃ」
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!博士とトウマくんに話してもらいたいテーマがあれば、ぜひコメントでお知らせ下さいね。
いいなと思ったら応援しよう!
