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なぜ「うんこ」は世界中で侮辱語なのか
<登場人物紹介>
飯田橋博士 無類の読書とスポーツ観戦好き。猫を飼っていて、奥さんがちょっと怖い。
トウマ 博士のもとでお手伝いのようなことをしている大学生。
「クソ」の謎
トウマ「くそ〜!」
博士「どうしたんじゃ、トウマ。朝から騒がしいのう。言葉は心を映す鏡じゃぞ。もっと美しい日本語を使え」
トウマ「すいません、スマホゲームで負けちゃって、つい… そういえば『クソ』ってうんこのことですよね?なんでこんなに普通に使ってるんだろ」
博士「お、いいところに気づいたな。実は『クソ』のような言葉は世界中で侮辱語として使われておる」
トウマ「え、そんなに国際的な言葉なんですか?」
博士「うむ。例えば英語では『shit』が有名じゃな」
トウマ「あー、映画とかでもよく聞きますね!」
博士「そのとおり。さらにフランス語では『merde(メルド)』、ドイツ語では『Scheiße(シャイセ)』、スペイン語では『mierda(ミエルダ)』などがある」
トウマ「おお、どれも響きがカッコいい…って思っちゃダメか」
博士「まあ、日本語の『うんこ』と違って、大人が使うと結構キツイ表現じゃからのう」
世界の「うんこ」事情
トウマ「それにしても、なんでどこの国でもうんこが侮辱語になるんですか?」
博士「良い質問じゃ。そもそも糞というものは『汚いもの』、『不要なもの』と考えられとる。だから、人をけなすときに使いやすいんじゃろう」
トウマ「確かに、誰も好きじゃなさそうですしね…。食べ物の栄養を吸収したあとに出る、大切なものなんだけどな…」
博士「そうじゃな。ちなみに、フランス語の『merde』はちょっと特殊な使い方もある。演劇界では『成功を祈る』意味にもなるんじゃ」
トウマ「え、うんこがラッキーアイテムみたいな扱いに?」
博士「ふふふ、なぜかというと、昔のフランスの劇場では馬車でやって来た観客が多かった。客が多いと馬糞も増える。つまり、糞が多い=観客が多い=大成功というわけじゃ」
トウマ「なるほど…うんこで繁盛ぶりを表現するとは、フランス人は知的と言うべきか…なかなか風情がありますね」
博士「まあ、縁起担ぎとはそんなものじゃ」
日本の「うんこ」の特殊性
トウマ「でも、日本語の『うんこ』って、なんか子供っぽいですよね」
博士「そうなんじゃ。『うんこ』は幼児語としても使われるから、英語の『shit』ほど攻撃的ではないんじゃな」
トウマ「あー、確かに。『うんこドリル』とかもありますしね」
博士「うむ。だから『うんこ』は、世界の糞系侮辱語の中ではかなりマイルドな部類じゃ」
トウマ「なんか、日本って平和ですね」
博士「そうじゃな。まあ、それでも『うんこ野郎』とか言われたら侮辱にはなるがの」
言葉の裏にある文化
トウマ「じゃあ、結局うんこは世界共通の悪口なんですか?」
博士「そうとも言えるし、文化によって違いもある。例えば中国語の『屎(shǐ)』は単体ではそこまで侮辱的ではない。しかし、『狗屎(犬の糞)』などと組み合わせると、強い侮辱表現になるんじゃ」
トウマ「つまり、どの言葉も『どんなうんこか』が問題なんですね」
博士「うむ、深い話になってきたのう」
トウマ「いやあ、言葉って奥が深いですね。でも…博士、ちょっと失礼しますね…」
博士「ん?トイレか?」
トウマ「ええ、こんなにうんこの話をしてたら…もう我慢できません!」
博士「それはまさに、話の流れに乗せられたというやつじゃな!」
トウマ「え、ダジャレですか!?ああもう我慢できない!!」
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!博士とトウマくんに話してもらいたいテーマがあれば、ぜひコメントでお知らせ下さいね。
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