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致死率ほぼ100%!?アフリカ豚熱の恐怖


登場人物紹介

飯田橋博士 無類の読書とスポーツ観戦好き。猫を飼っていて、奥さんがちょっと怖い。

トウマ 博士のもとでお手伝いのようなことをしている大学生。



アフリカ豚熱ってなんだ?

飯田橋博士「トウマよ、アフリカ豚熱について知っておるか?」

トウマ「豚熱……ってことは、豚が熱を出す病気?」

博士「まあ、そう単純な話ではないんじゃ。アフリカ豚熱、略してASFは、豚にとって致死率ほぼ100%の恐ろしい感染症なんじゃよ」

トウマ「100%!? そんなのに感染したら、豚は……」

博士「全滅じゃな。人には感染せんが、豚が感染すると助かる見込みはほぼない。ワクチンもないから、一度侵入すれば壊滅的な被害になる」

トウマ「それ、めちゃくちゃヤバくないですか?」

博士「ヤバいなんてもんじゃない。もし国内で発生したら、養豚業は大打撃じゃ」

どこからやってくる?

トウマ「そんな危ない病気、どこから来るんです?」

博士「アフリカじゃな。名前の通り、もともとはアフリカの野生動物が持っていたウイルスなんじゃが、2018年に中国で確認されてから、アジア各国に広がった」

トウマ「日本は大丈夫なんですか?」

博士「今のところ国内では発生していない。しかし、周辺国では大流行中でな。韓国・釜山でも確認され、日本行きのフェリーターミナル近くで感染したイノシシが見つかっておる」

トウマ「え、もうすぐそこまで来てるじゃないですか!」

博士「だからこそ、水際対策が重要なのじゃ」

水際で守る検疫探知犬たち!

トウマ「水際対策って、どうやってるんです?」

博士「主な対策のひとつが、空港や港での検疫探知犬の活躍じゃ」

トウマ「検疫探知犬?」

博士「そうじゃ。例えば、福岡空港ではビーグル犬のジロウが活躍しておる。違法に持ち込まれた肉類のニオイを嗅ぎつけて、発見するんじゃよ」

トウマ「すごい! 犬の嗅覚ってやっぱり優秀なんですね」

博士「そうじゃ。豚や鶏肉を使ったジャーキーやソーセージの持ち込みは禁止されているが、こっそり持ち込もうとする人もいる。そういった違反を見つけるのが、検疫探知犬の仕事じゃ」

トウマ「ジロウ、カッコいいなあ。僕もあんな風に誰かの役に立つ仕事がしたい!」

博士「まずは、お前が博士助手として役に立つところからじゃな」

トウマ「ぐっ……博士、言うことがいちいち刺さります」

ASFが日本に入ったらどうなる?

トウマ「博士、もし日本にASFが入ってきたら、どうなるんです?」

博士「考えたくはないが、もし感染が広がれば、日本の養豚業は壊滅的な打撃を受けるじゃろうな。中国ではASFの流行で飼育数が4割も減った」

トウマ「4割も!? 豚肉めっちゃ高くなったんじゃ……」

博士「その通り。中国では豚肉の価格が2倍以上になったんじゃ」

トウマ「うわー、それは困る。とんかつ定食とか、チャーシュー麺とか、食べられなくなるかも……」

博士「だからこそ、持ち込み禁止の肉製品を絶対に国内に入れないことが大事なのじゃ」

対策は? 僕たちにできること!

トウマ「でも、僕たち一般人にできることってあるんですか?」

博士「もちろんじゃ。海外旅行の際に、違法な肉製品を持ち込まないこと。そして、検疫探知犬を見かけても邪魔をしないことじゃな」

トウマ「邪魔をしない?」

博士「うむ。検疫探知犬は仕事中に集中力を必要とする。かわいいからといって、声をかけたり触ったりすると、仕事の妨げになるんじゃ」

トウマ「なるほど! じゃあ、見かけたら心の中で応援するのが正解ですね」

博士「そういうことじゃ。そうした探知犬たちが、日本の豚を守っておる。ワシらもルールを守ってASFの侵入を防ぐべきじゃな」

トウマ「了解です! 博士、今日も勉強になりました!」

博士「じゃが、お前がまず守るべきルールは、『部屋を片付けること』じゃがな」

トウマ「うっ……博士、それはまた別問題で……」


最後まで読んでいただき、ありがとうございました! 博士とトウマくんに話してもらいたいテーマがあれば、ぜひコメントでお知らせ下さいね。

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とうま
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