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トランスジェンダー選手の問題を考える
<登場人物紹介>
飯田橋博士 無類の読書とスポーツ観戦好き。猫を飼っていて、奥さんがちょっと怖い。
トウマ 博士のもとでお手伝いのようなことをしている大学生。
博士「トウマ、またトランプ大統領が話題になっとるぞ」
トウマ「あの人、いつも話題になってません? 何ですか今度は」
博士「『トランスジェンダーの選手が女子スポーツに出るのは禁止する』という大統領令に署名したんじゃ」
トウマ「あー、また強烈なことやってますね…。でも、それって初めてじゃないですよね?」
博士「うむ。以前から『女子スポーツを守る』という名目で同じような発言を繰り返しておった。2020年の選挙戦のときも同じ主張をしていたし、州レベルではすでにいくつかの法律が制定されとる」
トウマ「でも、それってすごく対立を生みそうですね」
博士「当然じゃな。スポーツの公平性を主張する人もいれば、それはトランスジェンダーの権利を侵害するという意見もある」
トウマ「実際、過去にトランスジェンダー選手が問題になった例ってあるんですか?」
博士「有名なのは、2021年の東京オリンピックに出場したローレル・ハバートじゃな。ニュージーランドの重量挙げ選手で、オリンピック史上初めてトランス女性として女子競技に出場した。競技では失敗に終わったが、その存在自体が大きな議論を巻き起こしたんじゃ」
トウマ「確かに、筋力とかの違いって議論になりますよね」
博士「うむ。実際、ワールドアスレティックスはトランス女性の女子競技参加を禁止し、テストステロン値の基準を厳しくする動きもある。逆に、国際オリンピック委員会(IOC)は各競技団体の判断に委ねる方針を取っておる」
トウマ「じゃあ、最近の大会ではどうなってるんですか?」
博士「2024年のパリ・パラリンピックでは、イタリアの陸上選手、バレンティーナ・ペトリロがトランスジェンダーとして初めて出場したんじゃ。パラスポーツの世界では、特に障害のクラス分けが細かいから、トランスジェンダー選手の分類もさらに難しくなるんじゃ」
トウマ「じゃあ、これからますます議論が増えそうですね」
博士「その通りじゃ。トランプ大統領のように『禁止』と一刀両断するのは簡単じゃが、実際の競技レベルや個々の選手の状況を考えると、単純な解決策はない。今後、どういう基準を作るかがカギになってくるじゃろう」
トウマ「博士の奥さんだったら、『全員の人権を尊重しよう!』って言いそうですね」
博士「それぞれ意見はあるからのう」
トウマ「奥さん、こういう問題には厳しそうですもんね」
博士「そうじゃな。一度、ワシが「ジェンダー平等」論の矛盾点をつぶやいたら、次の日の晩ご飯が生卵だけになったことがあったんじゃ」
トウマ「生卵だけ… 投げつけられなかっただけマシですかね」
博士「まぁ、ワシのメンタルはだいぶ鍛えられたがな」
トウマ「博士のメンタルの話は置いといて、結局、この問題の落としどころってあるんですか?」
博士「例えば、ホルモン値や身体的条件を考慮して、競技ごとに基準を作るという方法はある。しかし、それが本当に公平かどうかはまだ議論が続いておる」
トウマ「つまり、まだ答えは出てないんですね」
博士「その通りじゃ。答えがすぐに出る問題ではないが、まずは冷静に、多角的に考えることが大切じゃろう」
トウマ「勉強になります。あとでこの話、バイト先の気になる子に話してみようかな」
博士「おぬしの話術では、『何言ってるかわかんない』で終わる可能性が高いのう」
トウマ「僕の話はトランス状態!」
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!博士とトウマくんに話してもらいたいテーマがあれば、ぜひコメントでお知らせ下さいね。
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