少し経つと特別から日常に変わる
知り合いの人から聞いたお話。
イタリア料理のシェフの人がこんな話をしていたそうです。
何故、ご飯と味噌汁は毎日食べられるか?
それはとても簡単な理由で美味しすぎないからだそうです。
これ以上美味しすぎると飽きがきてしまい、これ以上美味しくなかったら人は違うものを食べるでしょうとのこと。
だから食べ続けられるそうです。
もちろん、毎日食べると言う習慣になっているからと言う理由もあります。
慣れているからというのも立派な理由です。
私はとてもお米が好きです。日本ではほぼ毎朝ご飯と味噌汁を食べていました。
でも、アメリカに住み始めて家族が来る前までの数ヶ月間の1人暮らしでは、朝ごはんにお米を食べることなんて殆ど有りませんでした。
まず1人分の米を炊いて食べるのも大変ですし、せっかくアメリカまで来たんだから違う物を食べたいなと。
そこで私が着目したのがベーグルでした。
その頃の日本ではベーグルなんて余り食べませんでしたし、色んな味のクリームチーズが格安で買えることなんて無かったです。
アメリカのスーパーには焼き立てのベーグルと色んなフレーバーのクリームチーズが沢山売っていました。
準備も楽ですし、ちょっと手を加えると洒落た朝ごはんにもなります。
ベーグルを朝ごはんに食べるなんて、かっこいい。とか思いながら。
ベーグルも丁度良い美味しさなんでしょうね。特に食べ飽きることもなく、ほぼ毎日食べられるものでした。
朝からベーグルを食べ始めたころは、
日本じゃできない朝ごはんだよなぁ、アメリカ住んでるって感じだなあ
などと軽い自画自賛をしていましたが、数ヶ月経つと、当たり前ですが特別感なんて完全に消え去ります。
当たり前ですが、アメリカで簡単に手に入るベーグルは慣れますし日常になるのです。
どんなに珍しいもの、良い物でも簡単に手に入ったり、毎日触れていたら、特別感は無くなってしまうんですね。
ちなみに、アメリカ住んで3〜4年経った頃、出張先のホテルの朝食バイキングでご飯と味噌汁を出しているところがありました。
朝ごはん代は20ドル以上でしたが、
朝からご飯と味噌汁が食べられるなんて凄いねと言って前日夜から楽しみで眠れないと言う経験をしました。
日常で特別でもなんでもないものが、少し手に入れにくくなると特別な物に変わってしまうと言う事も経験出来ました。
もしも日常で物珍しい感覚が無くなったなと思う事が有りましたら、習慣の軸となる物をやめてみると新たな感覚を持てるのではないかなと思うお話でした。