見出し画像

Thelonious Monkの怪

彼は不思議な人である。もちろん会ったことはないが、音がそう言っている。

彼の代名詞といえば「不協和音」だが、彼の手にかかれば驚くほど外した音でも不思議と協和音になる。

子供が無邪気に鍵盤を叩く事を楽しんでいるように純粋な彼の音は、決して壊れない強堅な基礎の上に表現される完璧なまでに不整形な芸術。画家で言うとピカソのような、まさに天賦の才。

音楽の可能性を広げるような彼のオリジナリティ溢れるプレーに常識は当てはまらない。

他方、彼は生涯で多くのスタンダードナンバーを産み出していることでも知られており、時代を代表するジャズマンの一人であることに間違いない。

音楽に対して真面目に「不真面目さ」を追求したのであろう彼の音楽は、今もなお決して色褪せることはない。

いいなと思ったら応援しよう!