見出し画像

記事「殺処分等について思うこと」について

先日、note内で「殺処分等について思うこと」という興味を引く見出しの記事を見つけました。(クリエーター名は「素敵な人生を🐩わんこと by 犬車Inugulu」です)

記事の内容を要約すると下記のとおりです。

  • (犬の)殺処分をゼロにするためには避妊・去勢していない個体(を所有している人)に税金をかける

  • 税額は個人所有の場合、一律に1頭に付き12,000円(月額1,000円)。商業ブリーダーはその十倍の年額120,000円

  • 商業ブリーダーは、1頭に付き何㎡の個人所有の土地を持ち、暖房冷房犬舎や猫舎を持つ事。広さと頭数と一生の出産回数を限定する

  • ペットショップで生体を売らない

  • (犬を)飼いたくなったら、50歳以上の方々は、まず保護団体へ。頭数は人の数まで(夫婦なら2頭まで)


私は記事の内容に賛成しかねる部分があったので次のようなコメントを入れました。(500字の制限があるため分割しています)

コメント - 1

「ちょっと辛口」と仰るだけあって、非常に厳しい提言ですね。

あえて問題提起させてもらうならば、まず、「避妊・去勢していない個体に税金をかける」というくだり。商業ブリーダーは種オス・台メス一頭につき年額12万円を徴収と、かなり高額な税(?)を示しておられますが、そうなるとブリーダーの販売価格が上がって、金持ちしか犬を飼えなくなります。犬と暮らすことは素晴らしい体験なので、金持ちでなければ犬を飼えないというのはどうでしょうか。あなたは「お金がない人は保護犬を迎えよ」と言いますが、この制度が定着すれば保護犬が激減してしまって、結局、犬を飼おうとすればブリーダーから高値の犬を買う以外、選択肢がなくなってしまいます。(また、悪質ブリーダーは元を取るために、一層、違法な乱繁殖を繰り返すかもしれません。そうなれば健康問題を抱えた犬が多く出回り、別の社会問題を引き起こす可能性だってあります) 

想像してみてください、殺処分がゼロになり保護犬は殆どいなくなったものの、犬一頭が高級車一台分くらいの価格となり、庶民は犬を飼えなくなる社会を。

コメント - 2

「避妊・去勢」が殺処分や保護犬を撲滅する万能薬のように喧伝する意見には異を唱えたいです。そのような意見は、個別に犬とどう接し飼養していくかという飼い主の私的な領域を侵し、犬を集団としてしか見ていない狭量な意見だと思います。

犬は「生殖が人の管理下にあり、野生群から遺伝的に隔離された」家畜に分類されますが、実態は家畜の扱いを受けてはいません。個人が犬を飼うということは、色々と思い入れやこだわりがあってのこと。ある人は癒しを求めて、またある人はパートナーとして、またある人は自分の家族として犬を迎えるのです。当然、飼い犬の飼養環境や健康状態に最大の関心を払うのは当たり前です。そのような大切な存在である犬に、「殺処分や保護犬の撲滅」の名の下に「避妊・去勢」を強いるのは如何なものかと思います。

また、犬の「避妊・去勢」については、研究が進むにつれ色々と健康被害や問題行動が出る可能性も指摘されるようになっていますので、安易な避妊・去勢は危険ですらあります。十分な管理の下、犬を飼養している飼い主にとって、避妊・去勢の有無で税金を課されるというのは、あまりにも理不尽だと思いませんか。

これらのコメントに対し犬車Inugulu氏は次のようなコメントを返してきました。

コメント有難うございます

現実、税金をかける等も取り締まる機関等が必要で実行出来るかは難しい物があると思います。

避妊去勢も推奨しない獣医さんもおられます。ただ田舎では未だに避妊去勢していない子を外飼いされるのも現実です。
全ての子に責任を持てるのならどうぞとおもいます。

それと、東北の震災後、避妊去勢されていない猫達を放射線の中、防護服を着て捕獲、手術を施して元の場所や里親探しをされている現実もあります。

自然災害の多い国、自分の家族である子達には責任を持つ為にと考えます。放さなければならない事態になった時どうでしょう?

これに対して、私は再度、下記のようなコメントを投稿しました。

コメント – 3

まず不思議に思ったのは、ご自分で提案されたこと(未避妊・未去勢のペットの所有者に税金をかける)を自ら否定するようなことを言われるのは理解に苦しみます。

次に、あなたは極端な例外事例を引いて論点をずらし、自分の主張を正当化しています。あなたのコメント欄の主張を要約するとこうですか。

大災害が襲う。その災害によって飼い犬が逸走する。その場合、未避妊・未去勢であると勝手に交雑して飼い主がいない犬が生まれてしまう。その結果、保護犬が増え殺処分が増える。よって、そのような事態を未然防ぐために避妊・去勢していない犬の飼い主には税金をかける。

そもそも、あなたは保護犬(殺処分)を減らすことを目的として、無責任な飼い主による乱繁殖を防止するため飼い主に課税すると主張していたはずです。それが、いつの間にか稀有の大災害という飼い主の責任の及ぶ範囲を超える事象を持ちだして、避妊・去勢および課税を主張するようになってしまいました。(この論法で行けば、動物園で猛獣を飼養・展示することもできなくなります。災害時の逸走は人間の生命を脅かす危険があります。それは犬の比ではありません)

コメント – 4

「避妊・去勢されていない猫達を放射線の中、防護服を着て捕獲、手術を施して元の場所や里親探しをされている現実」との例を出していますが、この内、どれほどの猫が飼い猫だったのですか。私の理解では、猫のTNRは別に災害地区に限らず日本中どこでも行われていることであり、例に挙げているのは災害によって逸走した元飼い猫が対象ではなく、被災地の野良猫が対象なのではありませんか。また、犬についてはどうですか。被災地の逸走した未去勢・未避妊の元飼い犬同士が交雑し、どれほどの数の野良犬が増えているのですか。その数が未避妊・未去勢のペットの飼い主に税をかけるのを正当化できるほどのものなのですか。(災害がなくても日常的に野良犬が繁殖することは、ままある)

私は飼い主として「飼い犬の飼養環境や健康状態に最大の関心を払うのは当たり前」と申し上げています。あなたも「全ての子に責任を持てるのならどうぞとおもいます」と言う一方で、(どのみち責任を持てないのだから)未去勢・未避妊の場合は課税すべきと主張する。矛盾してはいませんか。

コメント – 5

私はあなたの主張に疑問があるから、その理由を述べて自分の意見をコメントしました。元記事にないような新たな論点や極めて稀な例を引いて反駁するのであれば、今後、一切コメントしません。

最後にあなたの質問に答えましょう。放さなければならない事態になった時、私は「放します」。何十年だか何百年に一度か分かりませんが、極めて稀な事態に備えるという名目で、今を精一杯生きている飼い犬の健康を害し、日常生活を犠牲にするような選択はできません。
 
蛇足ながら、最近では殆どの自治体で災害時のペットの同行避難は可能となっていますので、今後はペットを放たなければならないような事態は減ると思います。お住いの自治体に確認してみてください。

このコメント-5を投稿して数時間後、何の前触れもなく、犬車Inugulu氏は自らのコメントを含めて、これらすべてを削除してしまいました。犬車Inugulu氏がどのような意図を持って削除したのか分かりませんが、私としては、納得できない主張に対して疑問や反論を投げかけ議論を深めたかったのですが、釈然としない後味の悪い結果となってしまいました。

備忘録として、また、「幻の犬飼い」としての私の考えの一端を読者の皆様に知っていただくため、起きたことをありのまま記事にしてみました。


追記

この記事をアップした数時間後、犬車Inugulu氏は元記事をも削除してしまったようです。閲覧できなくなってしまいました。


いいなと思ったら応援しよう!