「燃ゆる暗闇にて」@サンシャイン劇場


初日に観劇し、とても良かったのでリピーターチケットで火曜日ソワレを観劇した作品「燃ゆる暗闇にて」について。

どうして良い!と思ったのか思い出しながら書いていきます。

まず1950年初演のスペインの傑作戯曲を、今の時代にも通じる普遍性のあるテーマで描いた脚本と、閉鎖的な空間で起こる心の動きを繊細に描いた演出が良かったです。
学生(若者)と大人、若い自由な感性と大人が振りかざす道徳、その対比というとどうしても「Spring Awakening」と重ねて見てしまうのだけど、
眼の見えない盲学校の学生と見える大人、人と違うこと、違うことへの偏見や差別、を描いているところでこの戯曲はより私達に考えることを突きつける気がします。
ラストシーンはどうなったか?を同行した友人に聞かれましたが、それもまたどう考えるのかですね。


ロックテイストで熱い音楽がこの戯曲を今の時代に甦らせて、魅力あるものにしていると感じました!ミュージカルおたくの私は作曲された方はRENTやSpring Awakeningを聴き込んでるはずなんて、勝手にシンパシーを感じてしまってます。韓国っぽいって言ってるSNSも見たけど、そうでしょうか?私は「Jesus Christ Superstar」から脈々と通じるロックオペラ的なアプローチな気がしています。
感情の動きを緻密に表現した美しい音楽で、過度に説明的にならず、メリハリのある素晴らしいものでした。

キャスト達はこの難しい題材と高難度な音楽に真正面から向き合ってて、一瞬たりとも見逃せなかったです。

確かに歌いこなせてないところもあるのだけれど、

私がウエストエンドで心震えたSpring Awakeningを完璧な技術で演じていてルのに、雰囲気とズタズタにした某大手劇団の例もあるし、そこはあれこれ言うことではないかなとも思うのです。

その中でも、イグナシオのWキャストの一人、佐奈宏紀さんが感情の揺らぎを歌に乗せて演じていて印象的。ホアナ役の熊谷彩春さんの艶とハリのある声には魅了されました。カルロス役の渡辺碧斗さんは二幕の結末に向けての心情の表現が素晴らしかったし、他の若いキャスト達もこの戯曲の意図を理解して演じていて良かったです。

NIKEE(NIKのファンネーム)としては、コゴン君の活躍も嬉しいです。この戯曲の音楽を一番歌いこなせてたのはきっとゴンちゃんかもで、きっとめっちゃ頑張ったと。

それにしても韓国ミュージカルの骨太さには圧倒されますね。韓国版の動画もちょっと観たけど、力強い歌唱でした。でも、日本版の演出は繊細でそれも好きです。

ぜひまた再演してもらいたいし、もっと知られて欲しい!!
今日が大千穐楽で、SNSを見ていたら二階席まで満員だったとか。
それは嬉しいことですね。


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