纏う薫り
季節も秋になり空気に金木犀の薫りを感じられるようになった。ここ数年、気づけば夏が終わっているなと感じるようになった。30代はそういうものだろうか?
誕生日を迎えてからの、最初の土曜日でワクワクしながら足早に入店した。
何ヶ月も前から用事で近くに来れば、必ず寄っては試して上機嫌で家路に着いたのを思い出す。
試行紙にシュッとワンプッシュ。
鼻腔を抜けていい薫りだなと思ったが、なにかしっくりこない。
結局購入することはなかった。
たまたま乗り気じゃなかったとか、体調が万全じゃなかったとか考えてはみた。そしてもう一度試しにもいった。本当にしっくりこない。
でも気持ちは新しい薫りを纏いたい、気分を一新したかったということもあり、他にもいろいろなお店を回ってはみたが、どれもしっくりこない。
ちょうどここ1ヶ月くらいなにをしても心が躍ると言うことがなく、自分自身に違和感を感じていた。自分が自分じゃないみたいな感じ。夏の疲れがでたなら休めばいいが、そう言うことでもなさそう・・・。でそんな時に先程の話。
冬を感じれば、セーターを着てこっくりとした重量感のある薫りを纏いたいのはわかる。
春を感じれば、明るい鮮やかな色に包まれてフローラルな薫りを纏いたいのもわかる。
夏を感じれば、海に山に足が向かい柑橘系の爽やかな薫りを纏いたいのもわかる。
秋を感じれば・・・・。ウッディー薫り?金木犀の薫り?ちょっとまだ自分の中ではイメージが掴めてないのかもしれない。
だとしても、イメージの薫りは春夏秋冬で誰にでもあるとして、纏いたい薫りは季節とはまた異なると思う。
自分らしい薫りとかなんだよそれ!?とは思うけれど、あーこの薫り本当に今まで生きてて一番イイていう体験はあるはず。自分の体験からではあるけど、そういう薫りには何度も出逢ってる。そして、確実に自分の生き方とか考え方に変化の兆しがある時に、しっくりこなくなる。これは後から振り返って考えてみたらそうだなと気がついた。
飽きたんじゃないのと言われたらそれまでだけど、実際いい薫りではあるけどしっくりこなくなるていう感覚を体験するはずだから。もちろん、定番のいい薫りはあるけど、それはしっくりくるとかこないとは別の話だと思う。
ただそんなこと全然ないって人もいるんだろうなーと思うと自分面倒臭い奴だと思うけど、こればかりはどうしようもないよね。だってしっくりこないんだもん。
そうそう先程、しっくりくる薫りに出逢えました。ふらっと入った店にそれはありました。コム・デ・ギャルソンのScent Four : Yoyogi