美容百物語 第三夜 「勝手に美意識論」
「美意識を高めるにはどうしたらいいですか?」
「う〜〜〜ん。そういうのはないですねぇ」
ないんかい!
せっかく質問下さったのにがっかりさせてしまっただろうか。
前向きな答えを差し上げたい。という気持ちと、今思いつく限りのことを天秤にかけたとき、私にしっくり来るのは
「美意識を高める方法はない」
だった。
いや、ないわけではない。
ただ、私の価値観と美容業界での経験から「美意識が高そう」に見える人たちは、そのようなことを考えて生きてはいないのでは?というところだ。
「美意識を高めるためにジムに行こう」とか「美意識のためにトリートメント専用のヘアサロンに行こう」とか。目的と手段は違うという話。「美意識を高めるため」ではない。だから私の最適解としては
「美意識を高める方法はない」
え〜〜〜ん、そんなこと言ったって「美意識が高そうな人」はこの世に存在するじゃないですか〜〜〜。そういう人たちの根底には何かあるんじゃないですか〜〜〜?何が違うのよ教えないさいよ!!!
と自分でツッコミを入れつつ、tom的美意識論を3つ。絞り出してみた。しばしお付き合い下さい。
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まずは「向上心」。
wikiで探したところ「向上心」についての記載は見つけられなかった。主観としては「現状に満足せず、維持をするのではなくさらなる高みを目指すこと。目指し、続けること。」
ただ「意識的」ではなさそう。それが日常になっていて、頑張っていることではなさそう。女優さんに対して「美の秘訣は?」などという質問を見かけることがあるけれど、彼女たちの答えは「何もしてませんよ〜〜」が定番な気がする。すでに習慣になり潜在意識下にあるから、特別だとは思っていない。そういうことだ。
ではどうして習慣になっていくかというと、2つめ。
「感受性」
が豊かだからだ。街ですれ違う人の素敵ポイントに気づきすぐに取り入れてみたり、トレンドに敏感になったり。リサーチ力と行動力。プラスして、自分に似合わせるアレンジ力もあるといいかも知れない。客観的に「それはどのように見えるか?」「それはどのようなイメージを相手に与えるか」。そのような「感性」「感受性」でアンテナを張り巡らし、心がけ行動していくと、これも潜在意識へ刷り込むことができる。結果「美意識が高まる」。ある意味貪欲。
美容部員時代の大先輩の言葉でこんなものがある。
「美しいと感じるあなたの心が美しい」
美しいものに触れる。心震えるような体験。それを自分ごと化しヒントを得る。そういうものが増えると自分も「美しいもの」に近づいていく。
マジックアワー。刻一刻と変化する黄昏の空の美しさ。水平線に沈む太陽。おしゃべりに興じていた人々は徐々に口数が少なくなる。自然と一体になったような感覚。頭の中が空っぽになり、心洗われる。
背筋がピンと伸び、さっそうと歩く人。目で追ってしまう。すれ違いざまに振り返り「眼福・・・」と心まで満たされる。平成風に「マイナスイオン」とでも言おうか。心の浄化。清々しささえ感じる。
つまり、美しさに気づける私はすでに美しいのだ。姿形の美醜ではない。心。心の美しさ清らかさ。これは自己肯定の一つだ。自分を大切なものとして扱う方法の一つ。だって私は美しいのだもの。自信があるとかないとかではなく、自分を誇りに思って欲しい。私という存在は世界にたった一人しかいない。唯一無二。そんな私は美しい。
最後に
「環境」
を整えること。自分が美しいと思うもののなかに身を置くこと。触れること。それは自分をさらなる高みに押し上げてくれる。謙遜したり卑下する必要はない。だってすでに、私は「美しいと感じられる美しい心」を持っている。「向上心」だってある。整理整頓された清潔な部屋、「素敵だなぁ」と思う人の近くにいること。
ホテルのロビーで1000円以上するようなコーヒーや紅茶を飲む。これは精神衛生にいい(1000円では済まない・・・15〜20%のサービス料が発生する!ぎゃ!)。それでもその価値はある。心地よい空間、香り。ホテルの方たちの美しい所作や言葉遣い、笑顔。日本橋のマンダリンオリエンタル、丸の内のパレスホテル東京。思い出すだけで、うっとり・・・。そこにいるだけで、私はまるで自分が「美しいもの」になったよう。毛玉やシミの付いた服ではなく、アイロンがきいたブラウスやかかとの削れていないパンプス。お会計をするときに取り出したお財布。あふれるレシートがちらっと見えたら・・・?
そんなこと、そんなことの積み重ね。
世の中には、変えられることと変えられないことがある。誰かのことを変えるのは容易ではないけれど、自分のことなら変えやすい。姿勢を正すなど1秒で変えられることもある。
さて、tom的美意識論を3つ上げてみた。向上心、感受性、環境。
いかがでしょう?
さぁ、今日から始めたいことは?
読後1秒でできることは?
私はメイクブラシのお掃除でもしようかな。自分をきれいにするためのツールなのに不衛生、不潔だったら・・・!!!
というわけで、あなたの「美意識論」をどうぞ教えてください。
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「昨日の私よりちょっと、明日はもっと美しくなれる」のんびり更新のInstagram「女神のレシピ」はコチラ)。
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