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esportsにおけるクラウドファンディングの可能性を考える【前編:クラウドファンディングとは】

今回は、私自身がesports、そしてクラウドファンディングの双方に携わる関係で、esportsにおけるクラウドファンディングの活用について、触れたいと思います。
ただし、ある程度ボリュームのある内容となるため、前後半に分けて、お届けします。
前編となる今回は、そもそも知っていそうで、詳しくは知らないクラウドファンディングのメリットについて、お話します。

クラウドファンディングが注目されて、数年が経ち、それなりに認知されるようになってきました。
しかし、私としてはまだまだクラウドファンディングの本当の価値を理解されている方は少ないようにに感じます。
同時に、ここでesportsに限って言うと、国内の経済圏はまだまだ小さく、企業の支援もままならない状況です。そういった側面からもクラウドファンディングの親和性はかなり高いとみています。
では、まずクラウドファンディングの役割・機能について説明します。

クラウドファンディングの役割・機能は主に以下の3つと言われています。
1.資金調達=仲間づくり
2.テストマーケティング
3.プロモーション

まず、最も認知されているのが、1の資金調達でしょう。
ただ、現在、私が関わらせてもらっているCAMPFIREにおいて、”どうしてもお金が欲しい”というよりも、”一緒にプロジェクトを盛り上げて欲しい”という案件が増えているように感じます。ですので、感覚的には、”資金調達<仲間づくり”という印象です。

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国内クラウドファンディング最王手プラットフォームのひとつであるCAMPFIRE

これはどういうことかというと、クラウドファンディングとは、基本的にこれからできるモノ、あるいはコトに支援をもらう形となります。つまり、企画を応援したいという個人(企業の場合もある)が、企画内容に魅力を感じて、未来にBetするわけです。
投資と大きく異なる点は、投資は主に金銭でのリターン(支援の見返り)となり、金銭の支援は行いますが、プロジェクトは基本、起案者に任せます。
しかし、クラウドファンディングでは、主にモノやコトがリターンとして提供され、場合によっては支援者が、プロジェクトの当事者となるケースもあります。
これはどういったケースかというと、例えば音楽ライブなどの案件において、リターンに当日の会場スタッフになれる権利といったものがあったり、企画会議、あるいは打ち上げに参加できるといったものが存在します。ライブを普通に観るのではなく、スタッフとして加わるという体験は、人生においてそうそうあるものではありません。こうなってくると、単に”お金を提供する支援者”という立場ではなく、”プロジェクトを成功させたい仲間”となり、支援者にも当事者意識が芽生えます。
これが、単に資金を提供するだけの投資とはクラウドファンディングが大きく異なるところです。

次に、「2.テストマーケティング」についてです。
クラウドファンディングには、主に2つの方式があります。
資金が目標金額に到達したら、そのプロジェクトは実施される。これをAll-or-Nothing方式といいます。
目標金額に関係なく、集まった資金をプロジェクトに活用する。これを、All-in方式といいます。
消費者のニーズ多様化に伴い、メーカーはニーズを読み切れず、ヒット商品の開発に四苦八苦しています。しかし、こういった問題に対して、クラウドファンディングを有効に活用することができます。
例えば、All-or-Nothing方式を選択し、クラウドファンディング上でAという商品の支援を募ります。この際、目標金額はきちんと赤字にならないよう設計しておきますが、目標金額に達しなければ、商品Aに魅力がなかったということが分かります。
逆に、目標金額に達した場合、反響はどうだったのか?支援してくれた人の性別や年齢は?といった細かいデータも取れ、その後の販売拡大に向けて、分析を行うことも可能です。
クラウドファンディングは、決して個人のものではなく、企業にとっても有効なツールとして機能するのです。

そして、最後の「3.プロモーション」に関してです。
世の中には情報が溢れている一方、メディアは目新しいネタを常に探しています。
クラウドファンディングは、そもそも多くの人の注目を集めなければ、支援を受けられることができません。ですので、世間的に注目されやすい、エッジの効いたプロジェクトが多いのも事実です。
これにより、目新しいネタを探しているメディアは、クラウドファンディングのプラットフォームを注目していることが多く、単純にリリースを打つよりも告知効果を発揮できる場合があります。

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プロモーションの事例。
別府市が仕掛けた遊園地を、本当に湯のテーマパークにしてしまうというプロジェクト。元々話題性の高い企画だったが、クラウドファンディングの活用で、更にメディアが取り上げる結果に

さて、ここまでクラウドファンディングの役割・機能について言及しましたが、全体を通してクラウドファンディングが何に強いかということをお感じいただけたでしょうか?
それは、”プロジェクトスタート前からファンができる=コミュニティができる”ということです。
資金を支援してくれた人はもちろんプロジェクトの成功を望み、応援してくれます。
テストマーケティングとして展開したとしても、既にその商品などを気に入ってくれているということです。
そして、プロモーションとして情報拡散が起こり、そのニュースを読んでくれた人は、興味関心が高いということになります。
コミュニティという枠組みに違いはありますが、プロジェクトが本格的にスタートする前からこれらコミュニティが形成されることは、何よりもアドバンテージになるのではないでしょうか?

大量生産により、商品を数多く提供することで、売上を伸ばすという手法は、は既に時代遅れとなっています。
量による売上の向上が見込めなくなった現代において、顧客と深く繋がり、ロイヤリティを高めることは、もはや必須事項です。
クラウドファンディングは、そういった現代の流れに対し、最も有効なプラットフォームの1つであると、私は考えます。

さて、ここまではクラウドファンディングの役割・機能について語ってきましたが、では、なぜesoprtsと相性がよいのか、その点については後編で書きたいと思います。

※本記事を読んで、”クラウドファンディングに興味を持った。相談してみたい!”という方は、tomohisa.yamano@camp-fire.jp までご連絡ください。

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tomozoh(ともぞう)
ゲーム大好きで、YouTubeもやってます。よかったら、見てください。https://www.youtube.com/channel/UCovDBK1AIhR364EmHCxYmIg