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アメリカ駐在員 ロボアド投資を始める

海外駐在が決定すると、役所に海外転出届を出さなければならない。これを出すことで翌年の住民税の納付義務がなくなるのだ。一方、日本非在住となることで失う権利があり、その一つが日本の証券口座で株取引ができなくなる。

日本非在住となったときに証券会社から求められる対応は様々で、

  • 海外駐在中は取引できないが、口座は維持できる

  • 口座を閉じる必要がある

などが代表例である。

僕はIPOに精を出していた時期があり、10以上の証券口座を保有していた。そのほとんどを解約し、保有資産を現金化してからアメリカに渡った。アメリカに渡って1年ほどが経ち、こっちでも資産運用を始めようかな、という気分になった。

日本では新NISAが始まり、資産運用の機運が高まっているように見える。残念ながら僕は旧NISAには手を出しおらず、駐在後に新NISAが始まったことから、駐在期間が終わるまでは新NISAの恩恵を受けることはできそうにない。せっかくアメリカに住んでいるのだから、アメリカの証券口座でも開いてみよう、という訳である。

アメリカの証券口座と言ってもいろいろあるのだが、僕はチャールズ・シュワブ(Charles Schwab)という証券会社を選んだ。選ぶにあたって一番のポイントは、ロボアドを使いたかった。日本でいうウェルスナビ(WealthNavi)やテオ(THEO)のようなもので、資金を投入すればAIが勝手に保有する銘柄を決めて、適当なタイミングでリバランスもしてくれるという優れモノだ。海外駐在前にはWealthNaviとTHEOの両方を運用して、そこそこの利益を得ることができた経験から、資産運用に関してはAIは僕より優れていると考えている。

僕も最初は個別株を買って、その動向に一喜一憂してきたが、それに疲れてしまった。IPOは低リスクで利益を出せる方法ではあるが、数多くの抽選に申し込みをする作業は地味に大変で、なかなか当選しないのでモチベーションが下がって来る。そこで行きついた先がロボアドであった。自分はただお金を入れるマシーンとなって、入金後はひたすら放置する。個別株の動向などもチェックしない。そのやり方は結果的に上手くいった。Charles Schwabはシュワブ・インテリジェント・ポートフォリオ(Schwab Intelligent Portfolios)というロボアドを提供している。他の会社が提供している類似のサービスもあるのだが、

  • 手数料がゼロ

  • 駐在が終わって日本に帰国後も口座が維持できる

というメリットに惹かれてCharles Scwabを選んだ。

デメリットとして、

  • 最低預入金額が$5000からと高め

  • 保有資産のうちキャッシュが占める割合が10%程度と高めで、入金額の全てが運用資金にならない

という点があげられるが、手数料がタダという魅力を打ち消すほどのデメリットでない、という個人的判断である。また、日本に帰ってから口座を維持するかどうかはわからないが、日本にいながらドルでドルを稼ぐ、という選択肢が生まれるという意味でも、Schwab Intelligent Portfoliosにお世話になることにした。まずはCharles Scwabの口座を作り、その後Schwab Intelligent Portfoliosの申し込みをするという流れになる。

Schwab Starter Kitの取得条件

アメリカの証券会社や銀行は新規口座開設者にウェルカムボーナスをくれることが多い。Charles Scwabは現在、シュワブ・スターター・キット(Schwab Starter Kit)というキャンペーンを実施している。

https://www.schwab.com/investing-starter-kit

簡単に言うと、この画面のリンクから口座を開設して30日以内に$50を入金すると、合計$101分のMicrosoft、Amazon、NVIDIA、Apple、Alphabetの株が貰える、というものだ。アメリカはこういう所で新規顧客に優しい。達成条件は簡単なので誰でも恩恵に預かることができる。なぜ$101なのか。英語文化で101(ワン・オウ・ワン)という場合、「基本、基礎、初級講座」のことを指す。投資入門者のための基礎キット、みたいなことが言いたいのであろう。

Charles Schwabの口座開設

リンクをクリックするとウェルカムオファーが有効になった的なメッセージが表示されたので、安心して進めていく。難しいことは何もなく、淡々と必要事項を入力していくだけである。前述のとおり、僕は日本で証券口座を10個以上開設した経験があるが、求められる情報は日本のそれとほとんど同じである。

  • 名前

  • アメリカ在住か否か

  • 生年月日

  • SSN(社会保障番号):アメリカのマイナンバー、みたいな認識でOK

  • メールアドレス:GmailでOK

  • 電話番号

  • 2段階認証の認証コード:テキスト or メール、どちらか選べる

  • ログインID

  • パスワード

  • 秘密の質問

  • 住所

  • 国籍

  • 口座開設の動機

  • 主な収入源:会社員なら、Salaryを選ぶ感じ

  • 雇用情報:会社名、会社住所、職種など

  • 会社役員か否か

  • トレーダーなどの専門職か否か

これらを入力していく。

あと少し。

続けて電子署名の利用に関する同意など、利用規約に同意していくと・・・。

無事口座を開くことができた。銀行口座をリンクして、いざ入金。

とりあえず$50を入金して、ウェルカムボーナスを貰いに行く。すると翌日には反映されていた。

Apple、Amazon、Alphabet、Microsoft、NVIDIAの株を$20.20ずつゲット。

Schwab Intelligent Portfoliosの申し込み

次は、最低預入金額の$5000まで入金。Schwab Intelligent Portfoliosに申込む準備を整える。

申し込みは専用ページからオンラインでできるので、非常に簡単である。

https://www.schwab.com/intelligent-portfolios

資産運用の目的や投資歴、値動きの許容範囲などを入力していく。投資期間は20年、初期資金は$5000、月々の積立額は$500で最初は設定した。(後に月々の積立額は$1000に変更する。このあたりは適当である。)

そして、AIが導き出したポートフォリオがこれ。

かなり高めのリスクを取って、株式(水色)メイン、株式比率86%で運用を進めましょう、ということになった。債権(オレンジ色)の比率が増えるほど、より保守的な運用になる。このあたりは個人の好みによるところかと思う。どの程度リスクを取るかは手動で変更できるので、気に入らなければ後から好きに動かせばよい。キャッシュ(緑色)の保有率は前評判よりは低く、6.9%となっている。

準備が整った。貰った$101分の株は売られ、今後はAIが勝手に運用を進めていく。僕はこれからは入金マシーンとなる。基本的には入金以外は、ただひたすら見ているだけである。

長期保有に最も大事なのは、ほったらかしにすること、というのをよく耳にする。資産価値が上がっているときは良いが、下がった時に不安になって手放してしまう。そんなときに心の拠り所になる本があるので、興味があればこの本も手に取って読んでみてほしい。実際のデータを元に、長期積立の有効性をサポートしてくれる。

最後に、読んでくれる人がいると継続する励みになるし、弱気になって売らないための抑止力になるので、気になったらフォローしてもらえると大変有難い。

※資産運用は自己判断・自己責任でお願いします!


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