くろとぴんく⑦
2024年4月17日
手術の日。
緊張して早朝に目が覚める。
8時過ぎから、手術着を渡されてソワソワ。
手術着に着替えてボーッとしているところにナースが私を迎えにきて
「手術室までお連れしまーす。ついてきてください。」と言った。
ナースについてとぼとぼ歩く。はぁ。
いやだいやだ。
手術室に着くと、ウィーンと扉が開いてその中にナースは入って行った。
私は動けない。止まってしまう。
嫌だ。だから入らなかった。
そうしたら、待っていたスタッフが
「え?患者さんは?あれあれ?
もぅーナースったら先に行っちゃってねぇ。
こっちですよー!」
と私の名前を呼ぶので、仕方なく入った。
言われるがまま、ベッドに横になった。
もう逃げられない。手術が始まってしまう。
勝手に涙が目にたまっていたところに、「執刀医の〇〇先生きましたよー。」と声が聞こえ、先生と目が合う。この先生の顔を見るともうだめだ。
私の顔を覗きこんで、少し目が合った後
「大丈夫、頑張りましょう。」
と言って、横になっている私の肩をぽんぽん、と2回叩いた。
そして酸素マスクをつけられた。
心の中で数を数えて、20数えきる前に、意識はなくなった。
目が覚めるとまだ朦朧とした意識だったが、私の身体は担架から病室のベッドに移されているところだった。
酸素マスクをつけて点滴もして、いろんなものに繋がれて鬱陶しいし不快である。
麻酔でうとうとしたり、少し目が覚めたりを繰り返し、途中で妹が顔を出して、「お父さんのこと、連れて帰るね。良く寝てね。」と言ったのが聞こえた。
時計を見て時刻を確認できるまで意識がはっきりしたのは15時過ぎだった。
この頃には麻酔が切れて激痛。
体を起こすのも寝返りも打てない。痛み止めを打ってもらって、眠剤を飲んでなんとか夜をやり過ごす。
手が痺れているのは、帝王切開の後もそうだったなぁ。
おっぱい、なくなっちゃったなあ。