夜逃げ前夜‥2011年冬
今から10年前の冬の昼下がり
自宅のこたつで肩を丸くしながらもう2時間もパソコンの画面を見続けています。
となりでは3歳になったばかりの娘が気持ちよさそうに昼寝をしており
身重の妻は朝早くからパートに出ていて
私は小さな娘とふたりでお昼ご飯を食べた後、ネットで田舎暮らしのサイト見ています。
3か月前、アパレル店と飲食店の事業が倒産し今月の収入はゼロ。
生活費は妻の給料にたより、何か始めないとと焦りつつも家から出れない状態が一か月ほど続いています。
税金と社会保険料あわせて400万円を滞納していて、国と銀行からの借金が800万円有り、催促の電話が毎日鳴っていましたが電話を取って話す力が全く出てこない状態でした。
そんな状況でとうとう私は明日、家族と一緒にどこか遠くに引っ越そうと決めました。
いわゆる夜逃げ、ですね。
車にとりあえずの荷物を詰め込んで家族4人、誰も知り合いの居ない所へ行って一から出直そうと考えたんです。
すやすや昼寝をしている娘の顔をたまに見ながらずっと地方移住のサイトとにらめっこをしていました。
今思い出すと、その時の私は完全にうつ状態で全く周りが見えていない状態ですね。
...つづく。
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