イントロ
みなさん、こんにちは。
昨日のアメリカ株式市場は、想定以上にスピード決着した大統領選挙の結果を受けて、不動産やクリーンエネルギー関連株を除くほぼ全てのセクターで大幅な上昇を見せました。
こうなってくると、Tom Leeの2024年末S&P500予想値である6,000ポイントも11月中に超えてくるのではないか、と安直に期待してしまいそうですが、Tom Leeは大統領選挙を終えた今、どのようにマーケットを見通すのでしょうか?
選挙翌日の株価上昇幅は歴史上最高
和訳(意訳含む)「まずは昨夜の大統領選特別番組に呼んでもらい、ありがとうございました。昨日の値動き、3%の上昇は過去のどの大統領選挙の翌日の値動きと比較しても歴史上最高の上昇率でした。この点に関しては次の二つの理由が考えられます。一つ目は選挙前に相当程度のリスク回避が行われた点です。実際、選挙前2週間で株価は下落しましたが、このような下落は過去の大統領選の約3分の1でしか見られませんでした。二つ目は規制緩和やM&Aそしてビジネスに優しい環境が到来するという信頼感が高まり、アニマルスピリッツが解き放たれると多くの人々が予想したからです。ですから、昨日のマーケットの反応は尊重すべきですし、年末に向けてさらに5%から10%のアップサイドがあると考えられているのでしょう。」
下のチャートを見てもわかる通り、特に金融セクターの1日の上昇率は脅威の6%を超え、最も不調であった不動産セクターでさえも-1.8%の下落に留まりました。11月7日のマーケットではこのトップとボトムセクターにそれぞれ売りと買いが入り、若干バランスの調整は行われた様子ですが、それにしても強烈な株価上昇を見せつけた1日であったことは確かです。
StifelチーフストラテジストBarry Bannisterの見立て
次に、番組アンカーからBarry Bannisterのコメントに関して、Tom Leeに意見を求めています。Barry Bannisterのコメント内容に関しては以下のサイトで確認できますが、要約すると、短期的にはS&P500は上昇するものの、それに伴いバリュエーションが極端に高まるため、1年以内には大幅な下落を予想しています。
この点に関するTom Leeの返答は以下の通り。
和訳(意訳含む)「彼の指摘は形式的には正しいでしょう。今後、株価の天井は誰かがPERを正当化できないからといった理由や景気後退が起こるからといった理由で決まるわけではないと思います。今後6か月の範囲でいえば、株価のピークは強気派の火薬(投入資金)が尽きるか、市場の期待が大きく裏切られるかのどちらかのパターンで形成されると思います。とはいえ、これらの要因は測定可能です。例えば、Margin Debtを見てみると、こちらは過去4か月間ずっと横ばいです。つまり、ここまでの株価上昇は投資家が資金投入を抑制しているにもかかわらず生じていますから、この点は今後の株式市場の上昇余地となります。また、市場のセンチメント指標を見ても、まったく極端に強気に触れているわけではありません。実際、VIXはこのところ高まっていましたが、大統領選を終えて下落したのです。」
Margin Debtに関しては過去のノートでも触れました。
最新のMargin Debt統計値は9月24日付ですので、最直近の状況は不明ですが少なくとも今年初めからのS&P500の上昇は、Tom Leeが指摘するようにMargin Debtの上昇を伴っていません。
VIXの動きと合わせて考えても、現時点でマーケットが異常に加熱している様子はなさそうです。
遂にFundstratのグラニーショットETFが誕生!
最後に、番組アンカーからTom LeeがCo-founderとして率いるFundstrat社のETFについて質問が飛び出しました。中でも個人的に注目したのは、このETFのトップ10銘柄が明らかになった点です。
番組アンカー「ではあなたたちが新たにローンチするFundstrat Granny Shots, U.S. large cap ETFについてお話を聞かせてください。Granny Shotsという名の通り、このETFで投資家はある程度簡単に利益が出せるということでしょう?」
和訳(意訳含む)「その通りです。」
番組アンカー「どういった基準で銘柄は構成されているのですか?このETFの上位10銘柄は、Tesla, Goldman Sachs, JP Morgan, Johnson Controls, Caterpillar, Emerson Electric, TransDigm, Oracle, Ingersoll Randとなっていますね。」
和訳(意訳含む)「Granny Shots ETFは我々のリサーチモデルに基づいて作成しました。具体的には2019年から我々がずっと使ってきたテーマ型コア株式ポートフォリオで、まず7つの市場テーマを選定し、これら7つのテーマに最も関連する銘柄を組み込んでいます。この7つのテーマとは、例えばAIであり、ミレニアル世代であり、Fedの金融緩和または製造業回帰となります。」
Fundstrat Granny Shots, U.S. large cap ETF、要チェックです!
最後に
9月以降ずっと懸案事項としてぶら下がっていた大統領選挙が無事に通過し、これから強気にリスクを取っていこう!とした初日に株価の爆上がりを目撃してしまったため、逆に少し腰が引けつつありましたが、ここは大局観を大事にして年末までの約2か月の投資生活を送っていきたいと思います。
それでは。