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事務職の生産性を向上させる「7つのムダ」とその対策


はじめに

今回は副業を特に意識せず、業務の円滑な遂行について記します。
いろいろな事務的業務に適用することで、きっと皆さんの時間を作り出すための「ムダ削減」ができていくはずです。

トヨタ生産方式から生まれた「7つのムダ」は、製造業だけでなく、事務職の効率化にも応用できる概念です。 ここでは、オフィス業務に潜む非効率を可視化し、生産性向上のための具体的な対策を、事例を交えながら解説していきたいと思います。

1. 会議のムダ:目的不在の意思決定不全

「決まらない会議」や「意思決定者がいない会議」は時間の浪費です。 ある製造部門では、月間80時間の会議のうち42%が議題のない「情報共有型会議」に費やされ、決定事項が後日再協議される事態が発生していました。
トヨタでは、会議時間の30%削減で年間1.2億円のコスト削減効果がありました。

対策

  • 会議前に議題と目的を明確にする

  • 意思決定権限者を必ず参加させる

2. 根回しのムダ:過剰な事前調整の非合理性

関係者全員の事前同意を得ることは、意思決定の遅延につながります。 あるプロジェクトでは、稟議書の承認に14人の押印が必要で、平均17営業日を要していました。 トヨタでは、「調整が必要な案件は上位判断を仰ぐ」という原則を設け、不要な根回しを削減しています。

対策

  • 根回しは必要最小限にとどめる

  • 判断に迷う場合は、上位の判断を仰ぐ

3. 資料のムダ:形式主義的な報告文化

過剰な装飾や冗長なデータを含む報告書は、作成に時間がかかり、内容も伝わりにくくなります。 ある部門では、月次報告書作成に平均8時間/人を要し、内容の60%が前月のコピーという状況でした。
トヨタでは「A4/A3用紙1枚原則」を導入し、図解と数値データに特化した簡潔な資料様式を標準化しました。

※余談ですが、中小企業診断士の実務補習で、一番ムダと感じたのはここ。
 5日間でWordファイルでチームで約60ページ強の資料を作るのです。
 Wordと戯れている時間があれば、もっと有益なことに時間を使えるはず。
 「こんなのありえないっすよ」と指導員の先生に絡んでしまいましたw

対策

  • 資料は簡潔にまとめ、A4/A3用紙1枚に要約する

  • 図やグラフを効果的に活用する

4. 調整のムダ:横断的課題処理の非効率

部門間の調整が長期化すると、「宙ぶらりん案件」が増加します。 購買部門と開発部門の仕様調整に平均45日を要していた事例では、上位判断を早期に仰ぐルール導入で18日まで短縮しました。 トヨタでは「アンドンシステム」を応用し、3日以上停滞する案件は自動的に上位に報告される仕組みを構築しています。

対策

  • 部門間の連携を強化する

  • 問題解決の期限を設定し、進捗状況を共有する

5. 上司のプライドのムダ:情報取得の逆転現象

部下からの報告を待つことは、意思決定の遅延につながります。 ある工場では、ライン停止の判断が課長の承認待ちで平均32分遅延し、2,300万円/年の機会損失が発生していました。 トヨタでは、管理職の現場巡回を義務化し、能動的な情報収集を促進しています。
自分に報告がなかったというだけで「私は聞いていない」というと、自分(上司)が注意されます。上司も自分の情報収集力を反省するわけです。

対策

  • 上司は部下からの報告を待つだけでなく、自らも積極的に情報収集を行う

  • 現場の声に耳を傾け、迅速な意思決定を心がける

6. マンネリのムダ:慣例化した業務プロセス

「過去の成功パターン」に固執すると、業務プロセスが時代遅れになることがあります。 ある経理部門では、15年間変更されていない伝票処理フローに、デジタル化可能な23工程が含まれていることが判明しました。 トヨタ式「なぜなぜ分析」を適用し、定期的な業務レビュー制度を導入しています。

対策

  • 定期的に業務プロセスを見直し、改善点を見つける

  • 新しい技術やツールを積極的に導入する

7. ごっこのムダ:形式的パフォーマンス

シナリオ化された会議や実効性のない議論は時間の無駄です。 ある新製品開発会議では、80%の時間がリスク回避議論に費やされ、具体的な対策が決定しませんでした。 トヨタでは「具体案なき批判禁止」のルールを設け、建設的な議論を促進しています。

対策

  • 会議は結論を出すことを目的とする

  • 具体的な対策案を必ず提示する

まとめ

7つのムダ排除は、単なるコスト削減だけでなく、組織全体の学習能力を向上させるための活動です。 トヨタの事例が示すように、ムダの可視化→標準化→継続的改善のサイクルを構築することが重要です。
デジタルツールを導入することで、さらなる効率化が期待できます。 今後の課題として、AIを活用したムダ自動検出システムの開発が挙げられます。

また、自身の本業でのふるまいを見直さなければなりませんし、副業で関係する企業の方にも、「一緒に取り組みましょう!」と声がけできればいいなと考えています。

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