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飛ぶ小鳥を撮る(2024)

以前に「飛ぶ小鳥を撮る方法」という記事を書いた。
書きっぱなしというわけではなく、現在まで実践している。
今年は「飛ぶ小鳥を撮る方法」以外に記事を書いていなかったので、早春頃からの写真をいくつか貼りながら振り返ってみたい。

写真はすべて自宅から数分〜20分以内の公園で、すべて一人で撮影している。
周囲に人がいない状態で撮影しているので、鳥によってはかなり間近で撮影したものもある。
カメラはソニーα9、α7 IV、α6700を使用している。
レンズはソニー200-600mmを使用し、時々×1.4テレコンを使っている。

私の探鳥する時間帯は早朝が多い。
場合によっては日の出前から公園を歩いている。ちょうど塒から出てくるところを撮影することもある。さすがにこんな時間から飛翔写真を撮れるはずもなく、この時間はA(絞り優先)モードで撮影している。
その後太陽が出て小鳥の動きが活発になり、ある程度の明るさになったところでS(シャッター速度優先)モードにして撮影している。多少露出不足でもRAWで撮影して後で適正露出にすることができるのであまり気にせず撮影している。シャッタースピードは1/4000秒が基本で、できるだけ変更しないようにしている。以前、暗いからと1/1000秒に変更して明るくなってもそのままで撮ってしまってブレ写真になってしまったことがあるので、ここは潔く面倒でも暗い時はAモードにする癖をつけている。

オオアカゲラ

小鳥と言うには少し大きい。

オオアカゲラ
羽を広げるとそれなりに大きく迫力がある。

ヤマゲラ

この鳥もちょっと大きめ。

ハシブトガラ

木の虚に溜まった木屑を外に捨てているところ。
この虚を巣に使おうとしているようだ。

ジョウビタキ

本州に住む方なら何でもない鳥かもしれないが、北海道ではなかなか見るチャンスの少ない野鳥である。
この鳥のいる場所を人伝に聞いていたが、そんな所にのこのこと撮影に行くわけはない。実際その場所は、この話を聞いた人がひっきりなしにやってきたらしい。
このジョウビタキはいつもの近所の公園で探鳥中にたまたま見つけた。

数年ぶりの観察だったので、最初は止まった状態をしっかり撮らせてもらった。
その後、カメラのモードを変更し、飛翔シーンを撮らせていただいた。

メジロ

桜とともに本州から北上してくる。
止まりものはずいぶん撮ったが、飛んだところはこれだけ。

桜の木から飛び立つ瞬間。残念ながら桜がはみ出てしまった。

イスカ

唐突だが、私は空抜け写真を撮らないことにしている。
必ず背景に空以外のものが入っていないとシャッターを押さないのだが、久しぶりのイスカだったので撮影した。青空だったので、「まあいいか」と。

やはりとまっていたのは大好きなマツの木。

キクイタダキ

すばしっこい鳥だが、ホバリングもしてくれるし、羽ばたきを撮るチャンスは割とあるかもしれない。

ヒバリ

高鳴きで上空で囀っている写真はいくらでもネットに転がっているので、そういう写真は撮っていない。
この時は目の前、数メートルでホバリングしながら囀ってくれた。

この子の場合は、飛ぶ時は冠羽を寝かせるようである。
こちらは地上から飛び立つ瞬間

ノビタキ

定番の夏鳥なのでかなりの枚数を撮影した。

虫を咥えている。
巣にいる雛に持って行くところ。
近すぎると、警戒して巣に持って行かなくなってしまう。
程よい距離を保って撮影した。
メス。




午前4時30分頃に撮影した。

航空機の写真で月をバックに旅客機を撮影しているのをよく目にするが、鳥で同じように撮ってみようと数年来考えてきた構図。
マガンやサギ類などは月や太陽とのコラボはよく見るが、小鳥になるとあまりないのではないだろうか。

こちらは別の日、薄曇りの朝だった。太陽がボヤッとしている。
これが元画像。鳥がシルエットだったので、鳥の色を基準に明るくしたら、一つ上の画像になってしまった。こちらの方が良い気がする。

ホオアカの幼鳥

成鳥も撮ろうと頑張ったのだが、良いものは残せなかった。

カワラヒワ
人気度で言えばかなり低ランクに位置すると思われる。
どこにでもいる感じだが、意外と近くで撮らせてもらえない。
地味な鳥だが、羽を広げると美しい。

ベニマシコ

同じ場所で2時間ほど観察しながら撮影した。
ほぼ決まった場所でホバリングしながら草の種の咥えていくので、何度か撮影のチャンスがあった。

以下は連続写真。

メジロ

こちらは8月から10月にかけての撮影。

シマエナガ

昨年の秋は撮り放題という感じだったが、今年は低調である。
というより昨年が異常に多すぎで、今年は例年並みといった方が正しいか。

ルリビタキ

1時間近く止まりものを撮りながら双眼鏡で観察し、ホバリングしながら木の実を食べるタイミングを待ち続けた。

この写真はファインダーや背面モニターを使わずに撮影している。焦点距離は300mm以下で広角気味にして、トリミング前提で撮っている。
ピントは実のなっている木に合わせ、シャッター半押しでトラッキングをオンにしたまま鳥が来るのを待った。
使った事はないが、自動小銃を腰近くに構えて乱射する感じに似ている。4〜5メートルの距離だったのである程度大きく撮れた。

今年はだいたい以上である。
ほとんどはα9で撮影しているが、α7 IVやα6700で撮ったものもある
いずれもサイレント撮影(電子シャッター)モードで使用している。
α7 IVは幕速が遅く、電子シャッターだと歪みが出ることも多い。
上のルリビタキはα7 IVで撮影したものだが、どうだろうか?

α7 IVにはα9には無い鳥認識機能が入っている。しかし実際はAFの信頼性はα9の方が明らかに上に感じる。
さらにα6700にはソニーが言うところのAIプロセッシングユニットなるものが入っているが、それでも一度補足した野鳥を捉え続けられるのはα9であると感じている。
この3機種の中では飛翔シーンを撮りやすいのはα9であるが、この機種の大きな欠点はバッファ詰まりである。
20枚/秒の連写は頼もしいが、少し長く連写してしまうとSDカードの書き込みが終わるまで1分(以上かも)かかってしまう。
どうしても瞬間を逃したくない時は画面にSLOWの表示が出ていても連写するが、見返すと秒間3枚程度しか撮れていなくてがっかりすることも多い。
SDカードはUHS-IIの書き込みが最速のものを使っていてもこの状態である。
一方α7 IVはCF Express Type Aを使えば秒間10枚で撮影してもバッファが一杯になる事はないので、飛翔前からシャッターを押しっぱなしでも問題ない。
α6700はさすがにシャッターを切り続けるとバッファフルになるが、回復はα9と比べものにならないくらい速い。

最後はおまけで、小鳥ボール

シマエナガボール
ヤマガラボール
いずれもα9で撮影

最近購入した本

文一総合出版から出た『華麗なる野鳥飛翔図鑑』。
華麗かどうかはわからないが、これまで飛翔シーンだけを使った図鑑はなかったのではないか?
ただし思っていたのとは違っていた。
もっと臨場感のある写真かと思っていたが、野鳥を見やすく編集しているので、なんだか写真ではなく絵を見ている感じがちょっと残念。
当然だがワシ、タカやサギ類など大きな鳥は飛翔シーンは撮りやすいが、小鳥となると限られてくるようで、偏った種類になってしまうのは致し方ないところ。

ちなみに普段使っている図鑑はこれ。
見やすいのは左から二つ目の『新訂 北海道野鳥図鑑』と右から三つ目の平凡社の『日本の野鳥650』
この二つは写真の質がとても良いし、解説もわかりやすい。写真集の感覚で適当なページを開くのも楽しい。
大抵この2冊で間に合っている。
ヤマケイの『日本の野鳥』は現行版よりも古いが、それにしても写真が見劣りしすぎている。現行版はどうなのかわからない。
北海道新聞社から出ている『北海道の野鳥』も写真が古くイマイチのものが多く、あまりおすすめできない(左から3冊目の『改訂 第2版』に私の写真が入っているのだが)。
右端の『さっぽろ野鳥観察手帖』は図鑑というより、ちょっとオシャレな野鳥紹介本といった感じ。種類は少ないが、パラパラとぺーじをめくるのが楽しい。


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