「自然観の彫刻」Life in the Fab village #01
このnoteはFab villageという京都工芸繊維大学D-Labのプロジェクトの一環として行う、Fab-practiceの制作日誌です。今週の課題は、レーザーカッターを使用することを前提とした、自分のお題に沿った制作物のデザインでした。
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ここから実際に作ったものについて書いていきます。
Fab villageで生まれ育つ
このプロジェクトでの自分のテーマはFab村民の暮らしを思い描く先に現れる、新しい日用品の美を探索することです。村民の美的価値観を妄想するために、まず彼らが生まれてからどのような物に囲まれて育つのかを考えてみました。この世界に生まれ落ちてすぐ、我々は四角く白い病院の中で生きることになります。そして然るべき処置を受けた後、血液や体重を計測されその瞬間の記録として足形を残します。人が生まれて初めて自分の身体を使って記録に残すものは自分の足跡です。
母子手帳から引っ張り出した自分の足形
この重要な記録を、Fab村民はどんなメディウムに残すでしょうか、この問いに対して人のDNAを木のDNAに埋め込むという福原志保さんのBiopresenseという作品を想起しました。
自然という人間よりも時間スケールの長いメディウムに、自分の生誕の足跡を残す。自然と共に工夫をしながら生きるFab villageにとても合うメディアになるのではないかと思い、制作してみることにしました。
樹木の表層に足跡を刻む
アイディアとしてはシンプルに、樹木の表面のパターンからパスを描きそれを四角の枠で囲んだ物に、足形のスキャンデータを被せます。樹木のパターンは切り抜き、足形は彫りのデータにします。
今回はプロトタイプなので学校に生えている木と自分の足形で制作します。まずは適当に生えてる木でいい見た目の木肌を探しました。
その写真をもとに、手書きで線をトレースしイラレでトレースではなくベクターでパスに引き直しました。線のトレースだとパスではなく塗りのラスターデータになってしまいレーザーカッターでは切り抜けなくなってしまうためこのような手順で行いました。
実際に制作を行う
実際にレーザーカッターで制作を行いましたが、パズルとして成立させるために出力が強めのレーザーで切断しようとしたら、ボヤ騒ぎになってしまいかなり焦りました。
気(木)を取り直して、薄めの板でやり直すと比較的綺麗に完成
今回は普通のシナ板だったので、あまり自然感がない素材でしたがもっと生の素材だと、より良い見た目になったかと思われます。
次回は3DCADのプラクティスです。
それではまた今度。