【サークル活動報告】美術鑑賞サークル:第16回SOMPO美術館「北欧の神秘展」(4/14)|社会人勉強コミュニティ
皆様、こんにちは!
美術鑑賞サークルのちーです。
4/14(日)にサークル16回目の活動として、 新宿のSOMPO美術館「北欧の神秘展」を鑑賞に行きました!
1.サークルの概要
月に一回程度、皆で都内の美術館の企画展を見に行くサークルです。
西洋絵画の展覧会が多めですが、日本美術、現代アート、映画鑑賞、まち歩きなどの活動もたまに行っています。
鑑賞後は、気に入った作品を発表したり、希望者でカフェで歓談を行っています。
普段美術館にはあまり行かないという方も多くいらっしゃいますので、勉強の息抜きにお気軽にご参加ください。
またサークル登録がないコミュニティーメンバー以上の方のご参加もいつでも大歓迎です!
2.イベントの様子
オープンと同時の10時に当日券を購入し、待ち時間ほぼなしで入ることができました。
一週間前の募集だったにもかかわらず4人の方にお集まり頂き、主催含め5人で活動できました。
今回はノルウェー・スウェーデン・フィンランドの北欧三か国の国立美術館から19世紀以降の絵画を集めた展覧会です。
「北欧の神秘展」とあるように、豊かな北欧の自然風景を描いた絵画や北欧神話を題材とした作品、都市を描いた作品など、どれもにどことなく神秘的な雰囲気が漂う作品が展示されていました。
出品された中で知っていた画家は唯一ムンクのみ、という状況でしたが、だからこそ久し振りにまっさらな知識の元で作品自体を眺めれた気がします。
また、日本ではまだまだ未知の画家を知るよいきっかけとなりました。
まずはそのムンクの作品から。
今回の展覧会で出品されているムンクの作品は2点、そのうち《フィヨルドの冬》(1915年、ノルウェー国立美術館)が特に気に入りました。
フィヨルドとは、氷河が自身の重さによって山の斜面を下り侵食していくことでできた深い谷のことで、川が流れているのではなく、海水で満たされているのだそうです。
作品を見るとこれぞ北欧!というような、画面の大半が白い雪で覆われ、全体が寒色系の淡いブルーでまとめられた寒さが伝わる風景画です。
ムンク特有と言いますか、この時代に流行ったアールヌーボーの有機的な曲線表現によって、寒さで張り詰めた空気というよりは自然のうねりのような力強さが感じられます。
実は序章、第一章と見てきて、それまでは意外にも緑や茶色で覆われた山岳風景の絵画ばかりが展示されていたため、余計にムンクのこの絵が北欧らしくて素敵でした。
続いてもノルウェーの画家、テオドール・キッテルセン(1857~1914)。ロマン主義的な情緒ある風景画やノルウェーの民話に登場する妖怪「トロル」を描いたことで知られています。
今回の展覧会でも《アスケラッドと黄金の鳥》(1900年、ノルウェー国立美術館)のように、トロルを退治する冒険物語を強い明暗表現で描いています。
この一帯は写真撮影可能エリアでしたので会場写真です。
中でも個人的に印象に残ったのがキッテルセンの作品を集めて上映されていた映像作品です。
作品保存の都合上から日本に運んでこれなかったモノクロベースの作品が、ちょっと怖くなるような神秘的な音楽とともに薄暗い空間で映し出されていました。
トロルを描いた《森のトロル》(1906年)は少し不気味さを感じます。
トロルというのは目に見えない森の妖精と会場の説明書きにもありましたが、森で子供が行方不明になったらトロルのせい…と言われていたように恐れられる存在だったようです。
映像作品ということで、音と動きでより一層不気味さが増していました(泣)
他に《階段のペスト》(1896年)、《Musstad(翻訳不明)》(1896年)などペストを題材とした作品があり、忍び寄るペストの脅威がリアルに感じられて身震いしました。
19世紀末のヨーロッパでは既にペストの大規模感染は終焉していましたが、北里柴三郎によるペスト菌の発見がこの2年前の1894年、抗生物質の発明が1928年とまだまだ感染症が身近だった時代のことです。
現代の我々もコロナ渦を経験しましたが、人類が感染症を完全に克服するまではこの作品の恐怖は忘れられないでしょう。
3.感想
会場は3~5階に分かれており、4階でムンクの作品を眺めたときも、神秘的で少しおどろおどろしい雰囲気のBGMが流れているなと思ったら、先に述べたキッテルセンの映像作品でした。
最初の自然のフロアは鳥の鳴き声、最後の都市や生活を描いたフロアはかすかに聞こえる子供たちの遊び声、というように他の展覧会ではまず見かけることのないBGMつきの珍しい特色のある展示方法でした。
音楽があるとそちらに雰囲気がもっていかれてしまうなという印象はあったものの、そのおかげで絵画に描かれた世界を全身で体感することができたと感じられました。
参加者の皆さんからは、あまり美術に触れないという方からよく行くという方まで、なかなかに鋭い感想や考察を語っていただきました。
白夜(太陽の沈まない夏)や極夜(一日中太陽が出ない冬)が存在する自然環境の北欧は、ムンクの叫びに見るように人の精神に影響を与えるとか、スウェーデンにグローバル企業が多い理由は?など話が広がっていきました。
絵を見ていて個人的に感じたのは、比較的明暗の強い作品が多く、白い雪と白夜、それとは正反対の真っ黒な極夜と薄暗い家の中…といった北欧の自然環境が反映されているのではないかと思いました。
北欧と聞いて真っ先にイメージするのはIKEAのようなカラフルでおしゃれな雰囲気なのですが、それだけではない北欧神話や自然の神秘性を感じることができた展覧会でした。
4.今後の活動予定
6月 東京都美術館 デ・キリコ展
次回は6月ごろにデ・キリコ展を見に行く予定です。
東京都美術館での大規模回顧展ですので楽しみにしています。
それ以後の活動予定はどこにしようか悩んでいるので、リクエスト募集中です!
参加申込みはこちら!
参加をご希望の方は下記のリンク先からお申込み下さい。
東京自習会の公式ラインアカウントに繋がりますので、友達追加後に【参加希望】とご連絡下さい。
▼こちらからご連絡下さい!
https://lin.ee/dZqLgaE
ご質問やご相談も公式ラインで受け付けていますので、お気軽にお問合せ下さい!
また、コミュニティの詳細を知りたい方は下記のリンク先でご確認下さいm(__)m
▼3分で分かる!東京自習会!
https://x.gd/GfwYv
ご参加お待ちしています(*'▽')