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さぁ鉄鉱石を取りに行こう。『ゼロからトースターを作ってみた結果』トーマス・ウェインツを読んでみた

新潮文庫から出版されている『ゼロからトースターを作ってみた結果』、、タイトルからしてなんかちょっとクレイジーな匂いがして気になっていた書籍。読んだ友人に聞いてもなかなかに評判がいい。実際に読んでみるとすごく筆者的なヒット作になりました。ちょっと書籍の紹介文を書いてみる。

『ゼロからトースターを作る』とは?

そもそもトースターをゼロからつくるってどういうコトか、、、著者トーマス・ウェインツはほんもののクレイジー、原材料を土から掘り起こすとこから始めようとするのだ。

「そっかぁ、この部品は鉄からできてるのか、、、、、、、、、、、、、、さて鉱山に行くか」

たかがトースター制作に、このスタイルがつらぬかれている。まぁ頭おかしいよね(筆者的には褒め言葉です)。この著者はほんとに原材料から集めようとしているのだ。しかも、鉄鉱石を加工するにも自分でお手製の鉄鋼炉を準備したりしている。いや、まじであほでしょ(筆者的には褒め言葉です)。

この本で行われているのは「すごい自由工作」ではない、もはや「人類の科学的史の縮図」なのだ。トースターをつくるのが目的ではなく、そこに至るまでの過程が目的なのです。ある意味、すごく高度な大人の悪ふざけともいえますが。

著者トーマス・ウェインツの魅力

この著者のなにがすごいって行動力がすごい、そしてなにが魅力かってものすごい量の努力と知識と頭脳をどうしようもないあほプロジェクトに全力で突っ込んでいるトコロだ。

このプロジェクト、思いつくのもすごいが、実際にやってみるのはもっとすごい。鉄を得るのに鉱山に登り、銅をとるのに採掘場の水を電気分解するのだ。普通の人なら途中で心が折れている。この筆者の精神もってたら何でもできるだろう。しかも得られる結果はブサイクなトースターだけ。なんかもう「この仕事めんどくさい」とかとてもじゃないが言えなくなる。この行動力が欲しいもんです。

そして、この著者はたぶんそーとーに賢い。材料を加工する化学的な知識はもちろん、材料や加工法がどん詰まりになった時に代替手段を考える思考能力もそーとーにすごい。知識と考える力が両方備わっている感じがするし、「お手上げ」ではなく「じゃあそうするか」みたいな思考法はどんなコトにもつうじる考えだと思う。

いい意味での「ズルさ」=切り替え力

そして、どうにもならなくなったときに「まぁこれはあり」みたいに判断できるいい意味でのズルさみたいなものも持っていて、この人仕事できるなぁっと思わせてくれる。勉強的な賢さと、仕事のような実学的な賢さを持ち合わせているのだ。

このズルさみたいなものも、この作品も魅力。

さすがに「石油を地面から掘るのは無理だから、じゃがいもからつくるか」とか、「ニッケルの採取って命がけだな、、まぁニッケルでできた硬貨を引き延ばすのでセーフにしよう」とか、なんか解決方法もいい感じで知的なあほなのだ(だから褒め言葉だって)。しかもその能力の突っ込むさきが『ゼロからトースターを作る』だよ。

まとめ

この作品の魅力は=でこの著者の魅力だと思う。こんな知性と遊び心を両方持った大人になりたいもんです。

ちょっと最後にまじめに学びポイントを書くと、以下の4点は仕事にもつうじるポイントだと思う

・行動力→思いついたことを恥ずかしさ捨てて行動してみるチカラ

・思考力→もの頃を深掘り思考していくチカラ

・「ズルさ」→いさぎよくあきらめずにどうにか代替手段を探すチカラ

・楽しみ力→目の前の必要事項を楽しみながらやるチカラ

そんな視点を持ちながら読むと、大爆笑しながら学びも多いおすすめ書籍です。

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