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久しぶりのストックホルム
先週はストックホルムのデザインウィークへ行ってきました。
「この日程で行く予定だけど、行く予定ある?」というようなやりとりを経て、デザイナーや同じ業界の友人と合流。日中のそれぞれの用事を済ませて、夕食に外に出たり、夜のレセプションに行ったりと、賑やかな滞在でした。普段なら・・・と思うと、息抜きも含まれていますね。
さて、メッセで開催されるStockholm Furniture Fairは、今回オールドスタイルとはっきりラベルが貼られてしまったフェアでした。もちろん良い展示もあり、Kvadratのように新作というより、今後に向けて模索している過程を品よく展示して、リサーチや技術の質の高さを感じるブランドもありました。メッセでの合同展示からもいち早く抜け、街中の自社ショールームの展示に切り替えたのも、今後に影響を与えそうです。
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ストックホルム在住のガラス作家の山野陽子さんと今後のミーティングもできました。山野さんは、弊社でセラミックのコレクションを出しており、彼女の紹介でストックホルムの良い飲食店で利用してもらうことになったりと、ご縁を作ってくれる方です。Tenguという小洒落たラーメン屋でもCommon,山野さんの食器を使ってもらっており、今回、初めて伺うことができました。自分達の関わる食器が実際に使われるシーンほど、嬉しいことはないです。
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今回の滞在中1泊を、屋久島のトレッキングガイド時代にガイドをしたスウェーデン人の自然写真家のClaes Grundstenの家に滞在しました。ストックホルムから車で30分ほどのIngaroというアーキペラゴに住んでいます。当時、クラースはホグロフスというスウェーデンのアウトドアブラドのアンバサダーを務めており、私のアウトドア輸入代理店への転職のきっかけとなった人です。もう13年前のことです。彼は北極圏のラップランドをメインに撮影する写真家で、現在のスウェーデン紙幣の1000SEKは彼が撮影した山の写真と初代国連議長のダグ・ハマーショルド印刷されています。(現金を使わないので見る機会は少ないですね)
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現在、スウェーデンの人口は1000万人(スカンジナビアで一番の人口)で、その20%は移民だそうだ。他のスカンジナビアの国と異なり、スウェーデンは第二次世界大戦に参戦してないことがもっともな理由だと思われるが、移民の受け入れに寛容で、現在はそれが社会問題になっていると言います。スウェーデンは、安全な国・福祉国家の代名詞のような国ですが、移民(特に中東が多い)のギャング化、ドラッグの売買が関係した、銃犯罪が多発しているとのこと。社会保障が整っているが故、仕事がなくても生きていける移民の人たち、良き社会の仕組みが、現状は社会に変なカラクリを生み出していると懸念している話を聞きました。長年、安全、中立な国家を維持してきたが、NATO加盟申請も大きな変化と言います。ClaesとJillは現在70代で、現在の若い世代がどのように考えているか、機会があったら聞いてみるといいと言われました。オランダもそうですが、内部では繊細な問題がやはりあるのだと思います。
屋久島のガイドをやめて、新しい仕事のために東京に戻ると聞いた時、Claesはすごく心配していましたが、親心のような感じです。波佐見にも両親のような人がいて、スウェーデンにもClaesとJillのような両親がいて、20代からの自分を温かく見守ってくれる人がいることへの安心感を感じます。この人たちのように若者を応援できる大人になるために、どうあるべきかの振り返りのおまけ時間。今回も「大丈夫そうだ、期待している!」と送り出してくれました。いつ会ってもGood vibes only!!