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【NYY #14】 Greatest Rivalry in Sports?
こんにちは、KZillaです。
今年のALCSはRed Sox vs. Astros、とヤンキースファンにとってはまさに地獄そのもののマッチアップとなっています。
おさらい
・レッドソックスはヤンキースの長年のライバル。同地区である上所属都市も比較的近く、100数年の歴史で何度も名勝負を繰り広げてきました。日本で言うと阪神vs巨人の様なイメージ。
・アストロズは2017年〜2018年にサイン盗み事件を起こし、ヤンキースが直接的な被害を受けたことにより因縁の関係に。
そこで面白半分でアンケートを取ってみました:
ヤンキースファンとしてALCSは誰を応援すべきか
— KZilla@NYヤンキース (@TokYorkYankees) October 12, 2021
当然どちらも応援はしたくないものの、better of two evils的にはレッドソックスを選ぶ方が圧倒的に多かったです。
私個人も(隕石派ではあるものの)どちらかと言うとレッドソックス支持派ですね。
「ヤンキースファンがレッドソックスを応援する」
10数年前であれば如何なる状況でもあり得ない話でしたが、何が変わったでしょうか。
1. 選手間の因縁が激減した
そもそもの話として、ライバル関係というのはまずは選手同士が何か揉める等して、その怒りがファンにも伝染して膨らんでいくものです。
ヤンキース・レッドソックス間での印象的な事件としては
・1973年にヤンキースの捕手Thurmon Munsonがレッドソックスの捕手Carlton Fiskに体当たりをし、若手スター捕手を中心に大乱闘へ発展。
(乱闘の動画自体はないものの、下記動画がかなり面白くまとめています)
・2003年のALCSで乱闘中にレッドソックスのPedro Martinez投手がヤンキースの当時72歳だったDon Zimmerコーチを投げ飛ばした。
(今だったら相当問題になりますよね笑)
・2004年にレッドソックスのJason Varitek捕手がヤンキースのAlex Rodriguez三塁手の顔面をミットでぶん殴り、乱闘に。
等々歴史が深いが、近年のヤンキース=レッドソックスはその様な事件等が殆ど無く、選手同士も割と円満な関係が多いです。
最近唯一あったのがヤンキースのTyler Austin選手(現DeNA)とレッドソックスのJoe Kelly投手が乱闘を起こしたことくらいですが、直後に両選手ともチームを離れているので因縁はあまり長引かずに終わっています。
私としても最近のレッドソックスの選手で嫌いな選手はいませんし、特にDevers、Verdugo、Bogartsあたりは純粋に好きです。Mookie Bettsも大好きでしたので、ドジャース行った際は非常に喜びました。(Sorry, Red Sox fans)
J.D. Martinezのみ熱烈な反ワクチン教らしいのでちょっと...というくらいですかね。
そして(少なくとも私の周りにいる方は)捻くれているファンもいなく、先日Fenwayへ行った際は周りのファンと楽しく揶揄い合いましたし
(前に座っていた容姿は怖そうな兄ちゃんも最後 “You’re one of the cool ones”と言ってくれました笑)
やはり以前の様な一触即発の関係ではないですね。
2. 新悪役アストロズの爆誕
2019年シーズンオフに17-18年のサイン盗み事件発覚でリーグの悪役に舞い上がったアストロズとの因縁の関係でレッドソックスどころではなくなりました。
しかもこちらに関してはファンのみならず選手間の因縁も顕在です。
ヤンキースの選手も批難を公言している一方、アストロズの選手は(実際に罪を犯している野手陣の)Correa、Bregman、Gurrielは重罪を犯したことに対する反省の色を全く見せず、投手でもMcCullersは開き直る等々。
和解らしい和解は当事者がいなくなるまでは難しいのではないでしょうか。
(ヤンキースから見たアストロズサイン盗み事件については以前の記事をご覧ください)
なお、レッドソックスも2018年(WS制覇の年)にサイン盗みをしていたのが発覚し、Cora監督(17年はアストロズコーチ)がサイン盗みの先導者として1年の追放処分を受けています。
じゃあレッドソックスもアストロズと一緒じゃん、というのが(特に多くのアストロズファンの)主張ですが、サイン盗みの度合いが違いました。
詳細は割愛しますが、アストロズは自団のカメラを使用し常時サイン盗みをしていた一方、レッドソックスは2塁にランナーが出ている際のみで、自団独自のカメラではなくTV中継を使用していました。
度合の比喩として、レッドソックスが車を時速20kmオーバーで運転していたとしたら、アストロズは車を時速60kmオーバーで運転した上で歩行者を3人くらい撥ねています。
3. パワーバランスの変化
2004年以前は明らかにヤンキース>レッドソックスであり、ヤンキースファンは優越感、レッドソックスファンは劣等感を燃料に歴代バチバチやっていました。
ただ、近代では同等レベルのチーム、2010年代に関してはWS優勝回数がBOS 2回>NYY 0回と負けてしまっています。
ヤンキースファン新人研修で初日に学ぶのは “27 Rings” (ワールドシリーズ優勝27回)が第一、その次くらいには “Curse of the Bambino”がございます。
“Bambino”は今や大谷翔平が匹敵しそうな元祖二刀流のBabe Ruthを指しますが、この呪いは「1920年に当時レッドソックスの選手だったBabe Ruthをヤンキースへトレードをして以来レッドソックスが84年間優勝ができなくなる」という内容のものです。(2004年に漸く優勝し呪いが解かれました)
一方その間ヤンキースは26回WS優勝しています。(27回目は2009年)
ただ、今世紀ではヤンキースが2000・2009年のみに対しレッドソックスは2004・2007・2013・2018年と4回制覇を遂げています。
これも一概には言えませんが、ヤンキースファンも近年の結果を踏まえると優越感に浸れなく、レッドソックスファンも劣等感はもう感じずに済んだとはいえ総優勝数では叶わないですし、心の底から憎しみ合う様な関係は消えた気がします。
まとめ:それでも伝統は伝統
色々と書きましたが、今でもヤンキースvsレッドソックスはスポーツ史上最高のライバル関係であるのは変わりないと思います。
昔ほどヘイトの溜まった関係では無く、むしろ今の形の方が健全ではないでしょうか。
これからも良いライバルとして野球を盛り上げていけたら嬉しいですね。
(ヤンキースはそろそろWS優勝してください)