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第三話「夢を追うって聞こえはいいけど、社会的にはダメだ!」

みなさんこんにちは。僕の名前は筧 刹那。(カケイ セツナ)小5です。

今はサッカーとSwitchのスマブラにハマってます。

お父さんの名前は筧 忠弘。普通のサラリーマンです。たまにTVでやってるCMを見ては「ここお父さんの勤めてる会社だぞ。」って言ってたけど、よくわからないので覚えていません。

お母さんは僕が小さい時に死んじゃって、僕はその時まだ赤ん坊だったから、お母さんは写真でしか知りません。ただ、何となくお母さんと一緒に寝てた記憶はあります。

突然ですが、うちには変なのがいます。

常にバイクのヘルメットみたいなのを被っていて、お風呂の時以外は必ず被っている僕のお父さんの弟です。

お風呂に入ってる時は鍵がかかってるので、そのおじさんの本当の顔を知りません。

確かずっと昔に、一緒にお風呂に入ってた記憶はあるのだけど、顔が思い出せません。

正直、あまり興味もないので探った事はないですけど、本当にお父さんの弟か怪しいです。


おじさんはいつもウチにいます。

僕が学校に行く時には台所でTVを観ているし、学校から帰って来ると、大体庭先か、やっぱり台所でTVを見ています。

多分、おじさんは仕事をしていないと思います。

前に一度、おじさんの仕事は何かを直接聞いた事があります。

でもちゃんとは教えてもらえなかったので、お父さんに聞いてみたら、「ヒーローだよ。」って言ってました。

ヒーローって言うのは、人には言いづらい職業らしいです。

「だって、ヒーローってのは、他人から呼ばれる物だろ?」とお父さんは笑って言っていました。確かにそうだけど、そうするとおじさんは「無職」だと思います。

何か事件とかに巻き込まれて怪我とか死んじゃったらしたら「無職の男性」ってニュースとか新聞で書かれると思います。

おじさんはたまに一緒に遊んでくれます。

昨日スマブラで対戦した時、おじさんはムキになってたのが面白かったです。5回やって5回とも僕が勝ちました。

おじさんは「画面見づらいからだ!」と言ってました。マスク脱げばいいのに。

でもそれを言うとおじさんはいつもそこからいなくなります。

この間、友達と一緒に学校から帰っている途中、おじさんを見かけました。

ひょっとしたら仕事?と思って、友達と一緒に後をつけましたが、コンビニに行くだけだったのでつまらなかったです。

多分、ドラえもんとドラミちゃんなんだと思います。僕のお父さんがドラミちゃんで、おじさんがドラえもん。

でも、ドラえもんはタケコプターとか便利な道具を出すけど、おじさんは何も出せないから、ドラえもんの方が上です。

お父さんは優しいから何も言わないけど、いい加減に怒ってもいいと思います。

お母さんもおじさんとは仲が良かったらしいけど、だからと言って働かないでいい理由にはなりません。

この夏休み中に何か動きがあればいいなと思います。



「……。」

立ち尽くす白マスク。

なにこれ。「おいおい、夏休みの宿題の読書感想文とかかぁ?懐かしいじゃーん。」って軽い気持ちで読んじゃったけど、全然違う。そもそも小5の文面じゃないぞ。うん。小5の文面じゃない。だって、結構傷ついちゃってるもん。大人なのに傷付いちゃってる。

クシャってやりたい。刹那には悪いけど、クシャってして庭で燃やしちゃいたい。何これ。この気持ちどうしたらいいの??


パチパチパチパチ…。


あっさり燃えちゃった。

どれだけの時間かけて書いたのか知らんけど、原稿用紙ってヤツはとても燃えやすいのがわかった。

焚き火してたらたまたま風に飛ばされて来て、取ろうと思ったんだけど燃えちゃったんだよ。きっと。ホント、風が悪い。今日ちょっと風強い。

そう思っている所に、視線を感じる。

「!」

「せ、刹那じゃん!どうしたんだよ。いつも無言で後ろに立つなって言ってるじゃん!刹那、立つな!」

「……。」

「あ、何かさっき紙が飛んで来たけど、刹那の?大事なやつだった!?取ろうと思ったんだけど思った以上に早く燃えちゃってさ!」

「…いや、いいの。無職の大人が自分に都合の悪い事を書いてある手紙を見たらどうするかっていう自由研究を考えてただけだから。やっぱり予想通りでダメだった。」

「……あまり、いじめるなよぉ。てかおかえり…。」


次回予告!

思った以上に平和!そもそも怪人とかってなかなかいないよね!世間は一気に寒くなったけど、読者は寒くならないで下さい。いや、マジで、お願いします。

次回!第四話!「無理矢理怪人登場!」

君のハートにRevolution!!(聞いた事あるやつ)




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