2024年宿泊業界はこうなる!設計デザイン視線からの業界傾向と対策
昨年は誠にありがとうございました!
コロナ禍を乗り越え希望の光を見出した
2023年のホテルプロジェクトを振り返って
2023年は、長かったコロナ禍を抜け、ホテル宿泊施設プロジェクトが急速に動き出した1年となりました。
2024年初回のオデマガ・ホテル編の内容は「TOKYO ODYSSEY HOTEL DESIGN 2023 総集編」と題しまして、
昨年の振り返りと、2024年の宿泊業界の動向を設計デザイン目線で予測していきたいと思います。
まずは、宿泊業界全体の現状をまとめてみました。
旅館・ホテル 市場急回復!!
2019年コロナ前の水準を超える需要増
旅館・ホテル「増収」6割超え
観光庁の観光統計によれば、2023年9月の延べ宿泊者数(全体)は、5,032万人泊。
2019年同月比+3.2%(前年同月比+27.9%)となり、ついにコロナ禍前の水準を超える市場回復となりました。
また、外国人延べ宿泊者数は、2023年9月は、982万人泊。2019年同月比+18.9%(前年同月比+1089.1%!!)という急回復傾向にあります。
一方で、フロントや調理スタッフの確保が間に合わない等、深刻な人手不足が課題とされています。
■施設稼働率はコロナ前の2019年
同月比+3.9%
2021年9月比で+200%増!
コロナの感染状況に業績が左右され続けてきた旅館・ホテル業界は、各企業で非常に厳しい見通しを強いられてきました。
しかし、22年10月以降は新型コロナの5類移行などで水際対策が緩和・撤廃 され、国内観光需要が回復に転じたほか、インバウンド(訪日外国人客)需要も急回復したことで 大幅な増収を見込む企業もみられました。
23年4月以降は、8月に3年半ぶりとなる中国人団体旅行の受け入れ解禁でインバウンドが本格的に再開したほか、
出張需要の復調も加わり、稼働率・客室単価双方ともに上昇したことも旅館・ホテル各社の増収を後押ししました。
10月時点までの各社業績推移を基にした2023年度通期の旅館・ホテル市場(事業者 売上高ベース)は、3.4兆円だった 22年度から1.5倍規模となる4.9兆円前後と予想されています。
4.9兆円規模は、訪日外国人による宿泊需要が旺盛だった19年度並みの水準となります。
さらに年末年始の国内旅行の需要増、24年3月にかけての卒業旅行シーズンなど、
前年に比べて国内旅行需要がさらに高まることも見込まれ、過去最高の18年度・5.2兆円を超える可能性もあるとみられています。
ますます需要増の業界背景に求められる
旅館・ホテルのブランディング戦略
ここからは、弊社のホテル宿泊施設デザインの実績をみながら、今後の宿泊業界に求められる施策を考えてみましょう。
まずは普段の情報収集媒体を年代別比較でみてみると、全年代でテレビよりもネット(Web)での利用時間が増加しています。
特に10〜40代ではネット(Web)が大きく利用していることが現れています。
国からの支援策もなくなることが予想される中、今後増え続ける宿泊施設の差別化に求められる施策の一つとして、
「Web、SNSを中心としたマーケティング」が必要になってきます。
特に、自社HPが受け皿になるためHPの善し悪しが大きく業績を左右することでしょう。
つまり「見映えの良い動画・写真スポット」となる空間デザインや、施設の持つストーリー性を前面に宣伝できるコンテンツを持つことが重要となります。
2023年のホテルプロジェクトの中で、宿泊施設事業主様に多かったご要望は、多額投資による全面改装よりも、適材適所に既存の仕様や周辺環境を最大限に活かすことでした。
改装する部分を絞り込み、映像映えすることを想定した分かりやすいデザインや、ロケーションをうまく活用するなど機能性をもたせることが重要なミッションとされました。
今後ますます建築コストや人件費の高騰、電線類不足等が問題視される中で、求められる設計デザインは、さらに合理性を追求され、特にリニューアル計画においては「既存の仕様との調和」と「周辺環境を生かしたデザイン」「最小限の設備投資で最大限の効果」が求められるものと推測されます。
その課題解決に加え、事業主様と共に「ストーリー性」を紡ぎながら、その施設でしか味わえないデザインによる差別化を図ります。
弊社の約30年に渡る商業施設の設計デザインの知見を活かし、
事業主様の要望や目指すコンセプトを深く理解し、そのホテルだけのオリジナリティ溢れる
「体験型の空間」を共に創り上げます。
本年も昇り竜のごとく、事業再生のお手伝いができれば幸いです。