見出し画像

まざる、ひろがる、さがすたいるフェス


「さがすたいるフェス2024」とは

こんにちは!東京おでかけプロジェクトです。

2023年9月に講演依頼を受け、東京おでかけプロジェクトの取り組みを紹介させていただく機会をいただいた佐賀県が運営する「さがすたいる」。

「だれもが行きたい場所へどんどん外出できる佐賀県をつくりたい」

と、障害がある方や子育て中の方などを市民リポーターに迎え、県職員と市民が一緒に佐賀県内のお店や宿泊施設に出向きバリアフリー情報をウェブサイトにまとめたり、心のバリアフリーを進めるべく出前講座や、必要な事業者に助成金をだしたりと、やさしい街づくりを行うためにさまざまな活動を展開されています。

さがすたいるの市民リポーターとボランティアのみなさん

「さがすたいる」のたくさんある取り組みの中でも、最も盛り上がりをみせるのが「さがすたいるフェス」。

「いろんな人が混ざり合って自然と交流する中で、市民が多様性を認め合える佐賀にしていきたい」

そんな思いから、年に1度 大規模なイベントを開催されているのですが、4回目となる今回は、同じ想いを持つ東京おでかけプロジェクトにもお声がけいただき、イベントプロデュースを担当させていただきました。

舞台となったのは、国内のみならず海外の観光客にも人気の武雄市図書館。蔦屋書店やスターバックスコーヒーも入っている、民間会社が運営する国内でも珍しい図書館です。

奥に御船山がそびえる

武雄市図書館のすぐ近くには、樹齢3,000年以上といわれている御神木の大楠がある武雄神社もあり、武雄市こども図書館に飾られているtupera tuperaさん作の大きな壁画はこの大楠がモチーフです。自然と地域に育まれ、こども達が健やかに成長してほしいという願いが込められた作品だそう。

樹齢3,000年以上といわれている御神木の大楠
tupera tuperaさん作の大きな壁画

武雄市図書館の協力のもと、主催の「さがすたいる」(佐賀県県民協働課)に加え、東京おでかけプロジェクト、そして福岡おもちゃ美術館もイベントを一緒につくる仲間に加わり、2024年3月20日(祝)「さがすたいるフェス」を開催しました。

さがすたいる、武雄市図書館、福岡おもちゃ美術館、東京おでかけプロジェクトの4者が共催

いろんな人が自然と混ざり合い、心地よく過ごす

今回のイベントの目的は、いろんな人が自然と混ざり合って交流して、多様性を認め合えるようになること。

イベント準備は2023年9月からはじまり、何度も主催の4者で「あの人がきたらたのしめるかな?心地良いかな?」と、たくさんの人の顔を思い浮かべながら準備をすすめてきました。

病気や障害、医療的ケアがある方、外国籍の方、子育て中の方やご高齢の方、一人でゆったり図書館をたのしみたい方など。

とくに東京おでかけプロジェクトがプロデュースに関わるにあたり、協力したのは病気や障害があるお子さん達の受け入れ体制づくりです。

病気や障害がある子どもと家族のおでかけは、不安がいっぱい

病気や障害、医療的ケアなど、スペシャルニーズがある子どもたちは、病気や障害があるとわかると、数年間、病状が安定するまで病院で過ごすこともあります。

病院に通って子どもと付き添う時間を捻出するために、母親の多くは仕事を辞めてキャリアを諦めたり、きょうだいは親戚に預けられて寂しい思いをしたり。

そんなご家族の中には、「退院できても感染症が心配で、また入院したらと思うと、病院や近くのコンビニしかおでかけはしたことがありません」だったり、

「医療機器のアラーム音や、子どもが泣き叫ぶと迷惑だろうなと、人の目が気になっておでかけしづらいです」という方々がおられます。

東京おでかけプロジェクトでは、「ご家族が安心して、どんどんおでかけしたくなるきっかけをつくりたい」という想いから、定期的に全国でおでかけイベントを開催しています。

今回も、「そんなご家族のおでかけをたのしいものにしよう!」と全国から東京おでかけプロジェクトのおでかけサポータたちも集まりました。

東京おでかけプロジェクトで活躍する学生おでかけサポーター

レッツさがすたいるトークで語られた舞台裏

イベントは、エフエム佐賀の人気パーソナリティコガ☆アキさん司会のもと、今回の「さがすたいるフェス」主催4者が登壇する「レッツさがすたいるトーク」からはじまりました。

人気パーソナリティコガ☆アキさん

まずは4者の活動紹介から。

「さがすたいる」担当の佐賀県県民協働課の山田さんからは、冒頭でも紹介した「さがすたいる」の多面的な事業について説明がありました。

佐賀県県民協働課の山田さん

そして、武雄市図書館の後藤マネージャーからは、武雄市図書館の説明に加え、なかなか知られていないサービスについても紹介が。

「障害があったりご高齢でなかなか本の返却が難しい方は、ぜひ宅配返却できるサービスを利用してほしい」という呼びかけがありました。

武雄市図書館の後藤マネージャー

福岡おもちゃ美術館石井館長からは、佐賀県と進めている事業や、おもちゃコンサルタント養成講座によって生まれている多世代交流についてのお話があり、さっそく受講を希望される方の姿も。

福岡おもちゃ美術館 石井館長

東京おでかけプロジェクトの取り組み紹介では、だれもが行きたい場所へ行ける社会にするためにどんな活動を展開しているのかお話させていただくとともに、今回のイベントプロデュースにあたりこだわったポイントをお話させていただきました。

今回こだわったのは大きく2つ。

東京おでかけプロジェクト代表 中嶋

対象がだれなのかハッキリと明示すること

社会全体がインクルーシブや多様性といった言葉に馴染みをもってきた昨今ですが、「みんなの公園」や「みんなのトイレ」と書かれていても、「わたしは対象なんだろうか?」とわかりづらい表現が多く、実際におでかけしてみても「思うように遊べなかった」という声もちらほら。

すべての人にたのしんでほしい、だからこそしっかりと対象を明示しよう。

事前の告知チラシや当日の冒険マップでも、対象やどんな配慮がされているのか一目でみてわかるような表記を心がけました。

おでかけは行くまでと帰るまでが大冒険

もう1つこだわったのは、おでかけ前後のサポートです。

県外など遠方からの参加者のことも想定し、佐賀県が中心となりホテルや旅館など宿泊事業者や鉄道、バス会社、福祉タクシーの事業者と連携して受け入れ準備を進め、さがすたいるリポーターの皆さんの力も借りて、安心してきていただけるよう事前に見学レポートも発信しました。

当日、福祉車両などがたくさん駐車しても大丈夫なように、駐車場の優先スペースも拡大。

現場下見を重ねてくれたさがすたいるリポーターのみなさんも運営スタッフに迎え、準備は万端。

いよいよ「さがすたいるフェス」のはじまりです!

◾️詳しいトークの様子はこちら

さあ、さがすたいるフェスへ

広大な武雄市図書館・武雄こども図書館をジャックしてのイベントは、わくわくがいっぱい。

この日はなんと、6,000人を越える方々がお越し下さり「このイベントをきっかけに初めて来ました」という方も。コロナ禍に入って以降、最も多い来館者数だったそうです。

安心してあそべる「あそびのむし」スペース

一気に熱気に満ち溢れる会場ですが、難病の子どもと家族向けにつくられたおもちゃセット「あそびのむし」は少し奥まったお部屋に。

どんなお子さんも自由にのびのびと遊んでほしいという思いから、わいわいはしゃぎたい子やゆったり過ごしたい子など、まだおでかけが心配な方もたのしめるような時間割と空間を準備しました。

ゆったりと広々とした芝生でくつろぐ

もっともっとはしゃぎたい、いろんなお友達と混ざって遊んでみたい。

そんなお子さんやご家族向けには青空の下、木のボールプールや輪投げなどダイナミックなあそびエリアを用意しました。

絵本作家によるおはなし会

そして武雄市図書館のメインステージでは、「さがすたいるフェス」のイベントの目玉でもある絵本作家のスギヤマカナヨ先生とよしながこうたく先生のおはなし会がはじまりました。

左から佐賀県 山口知事、よしながこうたく先生、スギヤマカナヨ先生
この日のために特設コーナーも

スギヤマカナヨ先生のおはなし会では、先生によるおはなし会のあと、大切なものをみんなが見せ合うワークショップ「みーせーて」が行われました。

使うのは、24時間テレビ「虹色のチョーク 知的障がい者と歩んだ町工場のキセキ」の題材にもなったキットパス。

スギヤマカナヨ先生のたのしい声がけに、参加者もどんどん大切なものを描いていきます。

完成した小さな絵本を「見てみて」と見せてくれる子どもたち。どの作品も、好きな色を目いっぱい使ってカラフルに仕上がりました。

写真:EDITORS SAGAさま

よしながこうたく先生のおはなし会は、独特のよしながこうたく先生ワールドが全開!子どもたちは真剣に、ときに笑いながら耳を傾けます。

1番の盛り上がりを見せたのはライブペインティング。見たことのない大きなキャンバスと絵具に、みんな目を輝かせます。

演奏会では本物のハープに触れる

一方、武雄こども図書館の方では演奏会がはじまっていました。

今回のイベントでもう1つこだわったのは「参加者の皆さんに本物に触れていただくこと」

なかなか外出機会が少ない方は、本物の音に触れる機会はすくないことから今回特別に大きなハープを準備していただき、演奏会のあとはミニ体験会も!忘れられないひとときとなりました。

賑わいを見せるワークショップと人気店が並ぶマルシェ

そんな中、絶えず人気だったのはバルーンアートを楽しめるコーナー。リクエストに応じて、なんでも生み出してしまいます!

ワークショップはオリジナルストラップをつくれたり、かわいいお箸置きがつくれたり。みなさんこだわりの1品を丁寧に思いを込めて製作していましたよ。

なんといっても「フェス」ははしゃぎ疲れて、栄養補給をしたくなるもの。お腹が減ると、マルシェのよい香りに誘われて人気店には長い列が。

イベントに疲れると、休憩がてら好きな本を手にとって静かに過ごしたり。

思わず笑顔になってしまう、そんな瞬間をたくさん見つけました。

そんな笑顔でいっぱいになった時間。
改めて全国からお集まりいただいた皆さん、ボランティアスタッフの皆さん、本当ありがとうございました。

これからも「行ける場所」ではなく、「行きたい場所」へみなさんと一緒におでかけできるよう、東京おでかけプロジェクトではたのしいおでかけイベントを企画していきます。

さいごに

今後も継続的に活動を運営するため、東京おでかけプロジェクトでは、年間を通して寄付を募集しております。

活動には会場利用料や、医師/看護師/ヘルパーと いった専門的なケアにあたってくれるスタッフ、 物品などの費用が必要です。

ご寄付いただける方は、いずれかの方法でぜひお願い致します。

◆振込み口座
三井住友銀行 中野支店 普通4994025

◆クレジットカード決済・グッズ購入による寄付

◆「WeWard」アプリで歩いて寄付する
※紹介コード「YUM+-iygPQ」をぜひご利用ください


Special Thanks

さがすたいるフェス SUPPOTERS

■主催
佐賀県 県民協働課「さがすたいる」
武雄市図書館
福岡おもちゃ美術館

■総合プロデュース
東京おでかけプロジェクト

■撮影
吉澤健太

いいなと思ったら応援しよう!