辛口アドバイスおじさんを抱擁しよう、というお話。
ハロー、こちら東京メタルシティ。春のハナキンの夜です。今日は少し暖かかったね。
そっちはどう？ ビールでも飲みながら少しお話ししましょう。
人が楽器とかもですが、何か新しいことを始めた時には、必ず先達がいます。先に始めた人ですね。何か新しいことを始めて、人と関わりができた時に必ずそういう人たちに出会います。
大抵の場合、そういう人たちの存在は有り難く、また頼りにもなりますね。ビギナーの悩みってのは殆どの人に共通のものだったりしますから、その解決策をシェアしてもらえる状況って、先に進む為にもとても大切なことだと思います。
先達、というのは基本的には大変有難いものですが、一方で難しいパターンも存在します。特に最近ではSNSの発達によって観測されることが増えた（実際には昔から大勢いたんです。ただ見えなかっただけで）、『アドバイス魔』『教えたがり』の人たちの存在ですね。一般的にはおじさんが多いので、ここでは雑にまとめて『辛口アドバイスおじさん』＝辛おじと括らせて頂きます。
辛おじの皆さん、ボクも何回も遭遇した経験がありますが、根っこは基本的に悪人じゃないだろうな、と思ってます。基本的にコミニュケーションの中で相手との上下で距離感を把握しないと喋れないタイプの人、結構いるんですよね。
ある意味ではちょっと被害者側の立場で、『こういう風に接する』ってのを『やられてきた』世代とか立場の人が多いんだろうなぁと思うことが多いです。
ダメな部活にあるような『一年生の時はパシリだけど、三年になったら一年をパシりに使える』みたいな価値観で徹底的にやってきたから、単に年長というだけで庇護者であり使役する立場の人間になれるって学習をしちゃってるんですよね。
結構それが気の毒で。
もちろん、そうやってマウント取りたい（ボクはマウントって言葉は嫌いなんですが）、というよりは年齢違ってもイーブンって感覚がないだけなんですけど、根っこのどこかは『相手のためを思って』なんですよね。それが本当にタチも悪いし、憎みきれないとこでもあるんだけど。
逆に言えばそういうところが邪悪そのもので。
言われた方は堪らないわけで、まず頼んでないし、それに殆どの場合『この人誰?』っていう状態で。んで、辛おじの皆さんはちょっと優しくすると『上下関係が出来た』と思って更にしつこくアドバイスしてくるようになります。下手したらプロデューサー気取りまでしてきます。
まぁ、でもこういうのは仕方ないっていうか、人間関係の作り方が歪なだけなんで本当に気の毒なんですが（彼らはこうやって教わってきたんです）、辛おじの最も厳しい部分は『アドバイスに妥当性がない』ことと『ほぼ主観かつ抽象的』な内容っていう、これが本当に最悪なんですね。
下手したら自分で理解してない&体現出来てないことまでアドバイスしてくる始末で。分かってないけど、それっぽいことを言うわけです。
昔読んだ外タレのインタビューや、プロミュージシャンのTVを覚えてて、それをそのまま言っちゃうんですね。で、何が悲しいってそのインタビューとかが大変な誤訳だったりするんですよ。悲しいですね。
昔は確かめようもなかったから仕方ないんだけど、彼らもそれを信じてやってきたわけです。結果的に理解も体現も出来てない訳ですが、、。
そこで、伝家の宝刀の『心に響かない』とかのとんでもないアドバイスの刀を抜いてくる訳ですが、そういうものを見ちゃうと、
「もういい、、、わかった、、もう休め、、休めよ、、、号泣」という気持ちになります。
別に誰も辛おじの心を響かせるために音楽をやってるわけじゃないんだけど、辛おじは自分の心を震わせてくれない＝音楽として未熟と思ってるので、それは大変に悲しいすれ違いで。まるでとても哀しい映画を見ている気持ちになります。ボタンの掛け違いなんだよね。
ここまで読んでくださった皆さまは辛おじの悲壮感が少しわかって頂けたのではないでしょうか。別にだからといって無礼が許される訳でも免罪符にもならないんだけど。
今日Twitterで、ボクのフォロワーさんの所に現れた辛おじのツイートですが、これに色々凝縮されてると思います。
自分がされてきたから、自分がそれを人にすることは当然、それがこの道の生き方だ、と。哀しい話ですね。それは芸の道の話じゃなくて、あなたの通った（通らされた）道の話なんだよ、って。
誰か彼に教えてあげて欲しかった。そしたらこの人ももっと楽になってただろうなと思うし。
自分自身も通らされてきた道を『この道を通るものは全てこうなんだ』と思ってるところは、人間誰しもあるよね。おかしいことはおかしいって、ちゃんと言うのも、やっぱ凄く大事だと思います。
自分の思う当たり前を作ってきたものって、結構当てにはならないんだよなぁって。勉強しましょうね。
辛おじに抱擁を。
Good night.
東京メタルシティより愛を込めて