見出し画像

言葉にする難しさと、伝わる嬉しさと、というお話。

ハロー、こちら東京メタルシティ。土曜の深夜1時を回ったところ。
急に秋めいて、日は短くなり夜はすっかり涼しいです。
そちらはどんな1日だった?夏の疲れは出てない?
紅茶でも飲みながら少しお話ししましょう。

今日は都内でレッスンでした。いつも生徒さんが何に悩んでいるのかとか、
課題をどう感じているのか、それは教える側としてとても気にしています。
気にしているというか、どうやってそれも「見える」ようにお互いするかが大事で。

で、このnoteでもちょこちょこ書いてますが、「出来ないこと」「出来てないこと」「自分では出来てるつもりになってること」これらの扱いがとても大事で。

なかなか人には見せにくいものだし、自分でも認めにくい部分でもあります。
でもだからこそ、この「出来ない」部分に色んなヒントがあるし、言語化にトライしてみることで問題/課題を分解できる足掛かりになるものだったりします。

でもさ、扱いを間違えると難しいんです。場合によってはすぐ心を折ってしまうし、教える側の無責任な一言で折れてしまうものだし。いっぱいあるよね。
そういう例は。自分の経験でもあるし、聞いた話でもある。

出来ない理由をすぐ練習量やモチベーション不足に結びつけて責めるようなことを言ったら、まずそもそもの目的である「できるようになる」からかけ離れた行為だし、結局そこに縛り付けるものでしかなくなります。

そういう経験を誰しも少なからずしてきてるから、なかなか「出来ないこと」に対してオープンになりにくい、、これはレッスンの上でも非常に厄介なことです。

なので、やっぱりその部分(出来ないことを知るっていうより、ボクは単純に課題に感じてる部分を共有したいなと思ってます。それはボクの課題にもなるはずなので)をお互いでどう共有するか、っていうとやっぱり安心や信頼なのかなと思ったりもします。

ボクは生徒さんとレッスンしていて、その人が上達していく姿を見るのが大好きです。今日も実感しましたが、自分のことより嬉しいくらいだと思います。
それはきっと色んな課題をお互いで共有できるからなのかな、と思うときもあります。

もちろん、言葉は単純な魔法でもなく、言葉が代わりに練習をしてくれるわけでもないので、ボクは「劇的に上手くなるコツ!」とか「〇〇するだけで上達!」なんて言葉は使いません。

上手くなるコツというか条件って、結局自分の中の疑問や課題を正確に捉えることに尽きると思います。解決策だけを与えられても、その人の中で疑問や課題が正確にフォーカスされていないと、結局それは消化不良で情報だけで「上手くなったような」気になってオシマイのことが少なくないと思います。

なので、山ほどの失敗やトライをして「あー、全然出来ない、でもなんで?」って
所から始まることあるし、その「なんで?」って部分をちゃんと捉えれば、
今までの山ほどの失敗も割と実を結ぶ形に持っていけたりします。

レッスンでも言ってますが、教えたこと(伝えたこと)が上手くいった時に、
もちろん自分のことのように嬉しいのですが、それは生徒さんがやってきた試行錯誤の道が一つ整った、ということであって、決してボクの教え方が良かったわけでないと思ってます。

ボクが代わりに練習してあげられるわけでもないし、代わりに考えてあげられるわけでもなく、やはり出来るようになることの殆どは生徒さん自らが自分の「出来ない」に正面から取り組んだ成果だと思います。

このnoteをご覧の方でも楽器を練習していたり、何かを習ったり学んだりしてる方もいらっしゃると思います。上手くやろう、とか間違えたら恥ずかしい、とか思う必要はなくて、全てやりたいことを出来るようになるために、「今」出来てないことを正確に観察してみよう、くらいの気持ちでいたほうがいいと思ってます。

そして疑問や課題に感じてることがあれば、それは「出来てる」(と自分で感じる)人にぜひ聴くなり習うなりしたり、自分でさらに掘ってみてください。

そして出来るだけ、言葉にしてみる練習をしてみてください。感覚にしろ動作にしろ、気持ちにしろ、疲れや痛みにしろ。なんでも。

今日のレッスンでも生徒さんからふとした「疑問」という形で
尋ねられたことを、時間を掛けて丁寧に分解して動作を細かく説明することにトライしましたが、その中でも自分でも感覚的に長年やってきていて理解していたことを「言語化」する作業が伴いますので、グッと物事/動作全体の解像度が上がる感覚がありました。それは同時に人に「伝えられる」ものだという実感も伴ったもので。

実際にその作業の後に生徒さんのギターから飛び出した音は、かなりグッとくるものがある自然な「良い」音でした。ギターの良いことろがバキッと出ておりました。

なんだかそういう作業自体が教える側にとっても一つの大きな挑戦だし、
生徒さんの課題を自分の課題として更に追求してみることで精細度が上がります。

課題や問題のシェア、何に詰まっているか、という部分をとにかく一緒に「持てる」のは、一つの役得のようなものかもしれません。

そんな感じで、夜にもグループでのセッションワークショップもあり
充実の1日でした。みんなが音楽と仲良くなっていく姿を見るのはとても嬉しいことです。

ボクは無責任な人間ではないので「下手のままでも楽しむことが大事」とか
「魂を込めて演奏しろ」なんてことは言いません。

どうか、出来ないこと、を恐れずにそれに取り組むことそのものを楽しんでください。そしてそれらをシェアできるように言語化する練習もぜひ、合わせてやってみてください。


東京メタルシティより愛を込めて。


いいなと思ったら応援しよう!