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機械的なものは人間的にはなり得ないのか、というお話。

ハロー、こちら東京メタルシティ。桜舞い散る火曜の午後です。アイスコーヒーが美味しい日ですね。コーヒーでも飲みながら少しお話ししましょう。

古くから音楽ではなぜか『感性』や『衝動性』が高い方が価値のあるように受け止められる傾向がある気がします。
音楽だけではなくて芸術全般そんな感じがしますけど、結構乱暴な評価軸だったり考え方のような気もしたりします。
逆にいえば、果たして人間の行いに全く感性や衝動性の介在する余地の存在しないものなんてあるんだろうかと思うわけですが、たぶんないんですよね。

例えば音楽では本当によく聴くのが、理論を勉強したら感性で弾けなくなるとか、教室や学校にいったら習ったことしか弾けなくなるとか、メトロノームや打ち込みで練習しても機械的なプレイしか出来なくなる、とか。
それ、果たして本当なんですか?と思うことが沢山ありますね。そして、それを言ってる人って本当に自分の言ってることを理解した上で人に言ってるのかなぁ?と思うわけです。

先日もふとした時にプロと名乗る方が『メトロノームで練習しても無機的なところからはグルーヴは生まれない』というようなことを書いてまして、それはちょっと極論かなと思ったわけです。

結構、世の中でみんな好きだったり世界中でダンスミュージックとして愛されたり歌唱されてる曲でベタベタの打ち込みがベースになってる音楽、沢山あるじゃないですか。
果たして、どこからが無機的でどこからが有機的なのか、人間的と機械的なのか、あまりにも線引きが曖昧なことが多いと思うんですよね。
そして、人間が行うことで完全に機械的に行うことは不可能だとも思います。
試しに、メトロノームを流しながらより機械的に弾こうと思って、それを録ってみると分かると思いますが機械的にプレイする無機的にプレイするのも実際めちゃくちゃに難しいです。
そして、それが本当に機械的・無機的なのか?って言われたらなかなか『うん』とは言えないと思うんですよね。
人間って機械的に出来ないですし、仮に人間が完全に機械に徹したようなプレイをしたならば、逆説的ですがかなり人間くさいことをやってるわけです。

それくらい機械的とか無機的って難しいんですよね、本来。
ボクもたまにまるでマシンのように高速かつ正確に弾けたら良いなと思いますが、その考え方ってめちゃくちゃ人間くさいんですよね。

じゃあなんでメトロノームってそういう風に言われるかといえば、メトロノームが『正確』だからですよね。
その前では我々人間の不正確さや揺らぎがはっきりするから毛嫌いされることもあるんじゃないかなぁと思います。その気持ちは分かります。
そこら辺、人間は一緒に演奏してても合わせてくれますからね。楽なんだよね。
一緒にモツれてくれるって最高なんだ。


ところが、メトロノームくんはそうはいきません。こっちのことを聞いてくれてませんから。
可哀想に。これだけ正確に文句も言わずひたすらテンポを刻んでいても『冷たいやつ』だと言われる訳です。
ただ、実際はめちゃくちゃ良いやつなんですよ。メトロノームくん。彼と仲良くなると、人間と一緒に演奏する時にもっと上手くいくヒントを沢山教えてくれます。

じゃあ、どうすればメトロノームと仲良くなれるか、ちょっとそのヒントをいくつか書こうと思います。

ずばり言うと、メトロノームが嫌いな方、メトロノームを鳴らしてすぐフレーズや曲の練習してると思います。だから『合わない』って思って嫌いになるんだと思うんだよね。
ただのテンポガイドだと思ってメトロノームを使うと嫌いになりやすいと思います。

もう既に完璧に弾けるフレーズをメトロノーム使ってリズムを整理するんじゃなくて、フレーズの練習(覚えて身につける)とテンポの管理を同時にやってる方が多い印象です。これはちょっと勿体無い。
というか、オペレーション過多で上手くいかなくて当然だと思います。

まずは楽器を置きましょう。
そしてメトロノームを4分で鳴らすとしたら8分のウラ(ンタンタンタンタのタの部分)を手拍子で鳴らしてしばらく身体と感覚を均したあとにちゃんとカウントしながらフレーズを口ずさんでください。
それをしばらくやったらメトロノームを鳴らしながら曲の中でドラムと一緒にプレイしてるイメージを持って口ずさんでみたりしましょう。

それが違和感なく出来たら楽器を持ってフレーズの練習をしましょう。メトロノーム抜きで。
そしてある程度形や指運びを覚えたらメトロノームと合わせてみてください。
結構いきいきしたリズムにメトロノームが聴こえると思います。
先日のnoteの記事にも書きましたが、きちんとオペレーションを細かくバラして後から組み合わせる方がなんというか一人でプレイしててもバンドやアンサンブルをイメージしやすくなると思います。

お試し下さい。

あとは、メトロノームが苦手っていう方の多くは『合わせにいっちゃう』ことが多いですね。鳴るとこに目がけてヨーイドン!みたいな。
それだと根本的に合わないので、少し違う感覚でやるのが良いですが、長くなりそうなのでこれはまた次回!!

人間は道具を上手く使うのも人間らしさのうちです。なんでも上手く使ってみるのが楽しいかなとボクは思います。

東京メタルシティより愛を込めて。

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