築コレ〜オツな若ぇの生け捕ってきやした84 柳亭市弥
今月のお客様・柳亭市弥さんと向かった先は渋谷の居酒屋「からから」。
ボーイスカウトの先輩方がよくここに連れてきてくれて、大学生の間ここでアルバイトをしてました。仲間との反省会(打上)でも顔を出したりしてます。
昔からお笑いが好きで、友達と漫才コンビを組んだりしていました。社会人になってからは大阪で広告代理店の営業をしてました。息抜きでお笑いを求めて、なんばグランド花月や、天満天神繁昌亭で落語に出会ったんです。東京に帰って来た時に、寄席でうちの師匠・市馬を見て、これはすげえな、と思ったのがこの世界に入ろうと思ったきっかけです。弟子入りのお願いは大阪でした。ファンを装って差し入れを持参して、だんだん話していくうちに「実は弟子入りしたいんですけど」って。師匠が「弟子入りってお前、そういうやつか!」と。仕事を辞めて、末広亭で改めてお願いに行きました。「あーっ! あの時のお前か!」。上二人の兄さんが、来年二ツ目になる時期だったんで、前座がいなくなる。タイミングも良かった。師匠とご飯を食べて、その時の私の食いっぷりを気に入っていただいたみたいです。まさに柳家ですね。大食いに悪いやつはいない。「それでお前、いつから来れるんだよ」「えぇっ! こんなトントン拍子 ! ?」って。嬉しかったです。
今や大所帯の市馬一門ですが、会長の一門という事になって変わりました。昔は師匠のうちに行くのもすんなり行けてたんですけど、今は事務所がありますし、師匠の身の回りの事を弟子があまりしなくなった。僕らの頃は師匠の身の回りの事は全て我々がやっていて、あの頃は面白かったですね。最近は行かなすぎて久しぶりに行くと「何しに来た!」って言われます。
テレビの特集等でイケメンと言われることもありますが、モテません。でもそれがきっかけで落語を聴きに来てもらえるのは嬉しい。ただ僕の落語を見て、こんなものかと思われると恥ずかしいですし、やはり来てくれた人を喜ばせる商売ですから、注目されるほどしっかりしないと、と責任を感じます。
「新版 三人集」をやっている春風亭一蔵兄さん、入船亭小辰さんとは同期です。3人でいると楽なんです。一番刺激を受ける相手でもあります。一蔵兄さんは引っ張ってくれますし、小辰さんは的確にアホな事言ってくれますから。今年は3人で色々と目立ちたいねって話をしています。応援よろしくお願いします!
●市弥さんのお父上は、はるか昔、五代目柳家小さん師匠に入門のお願いに行ったことがあるそうです(入門してから判明したそう)
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