みちよよこ

築コレ〜オツな若ぇの生け捕ってきやした103 鏡味味千代

お正月らしく、太神楽の鏡味味千代さんにご登場頂きました。思い出の地、国際基督教大学(ICU)でお話を伺いました。
 海外志向が強くて、ICUに行けば海外に近い環境に身を置けるんじゃないかと思って、入学しました。リベラルアーツといって、教養学部しかなく、理数系の授業も選択科目で取れますし、全ての学問はつながってるという考えにも共感したんです。
 卒業後の社会人だった当時は、海外に日本のことを紹介したいなと思って仕事をしていました。ある日、父に連れられて末広亭に行ったんです。「こんなに素敵な場所があるんだなあ」と思い、とりわけ太神楽に魅せられました。「言葉が通じなくてもあらゆる人にわかる演芸だ」って。それから会社帰りに寄席に通うようになりました。
 国立劇場の太神楽後継者募集のチラシを見つけて、私もやってみたいなと思いました。養成所の年齢制限が23歳以下って書いてあり、その時29歳でしたので「あ、無理だな」って。ただよく見てみたら「原則23歳以下」って書いてあったので、「例外もありなのね」と解釈し、それでも普通に応募するだけではたぶん受けさせてもらえないので、芸術文化振興会の理事長宛てに手紙を書いたんですよ。その方が「とりあえず受けさせてあげようよ」って言ってくださって、試験を受けられるようになりました。手紙を書いていなかったら私はここにいないかもしれません(笑)。

 師匠の勇二郎が研修の最後の方に「お前の名前が決まった。鏡味味千代だ」って。私は「これ間違っています。味が二つもありますけど」って言ったら「それでいいんだ。そこがミソだ。芸人としての味が千代に続くようにっていう意味で、味千代なんだ」って言われました。ただ単に師匠が面白がっているだけじゃないかと思うのですけれど(笑)。
 年に一度のペースで海外公演をさせて頂いています。東京オリンピックを前に外国人のお客様が増えているので、そういった方たちの前でやる機会がすごく増えました。今後、英語・仏語を使ったりして、外国人向けの寄席をやりたい、もっと海外に日本の演芸を紹介していきたいと思っています。そしてもっと世界に太神楽の認知度を上げていきたいなと思っています。

鏡味味千代・かがみみちよ

本名=長谷川麻帆。4月6日生まれ。山梨県山中湖村出身。国際基督教大学教養学部卒。2010年3月、第5期国立劇場太神楽研修修了後、同年4月、鏡味勇二郎に入門「味千代」 出囃子=三下り米洗い 紋=丸一 血液型=O

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