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#16|デュアルモメンタム投資の理論と実践:基礎から応用まで完全攻略ガイド

今回は初心に戻り、デュアルモメンタム投資についての理論の基礎から実運用まで網羅的に解説します。

この記事を読めば、モメンタム投資の基礎からその応用まで理解できるようになります。特に投資初心者や新たな戦略を探している方に役立つ情報を提供しています。


デュアルモメンタム投資との出会い

デュアルモメンタムの概念自体はトレンドフォローが原型ですので遥かに古くから存在します。私も1990年代から米国留学を機に個別株への投資は行っていました。娘が生まれたため、より安定した良い投資方法を探す中で出会ったのが、ゲイリー・アントナッチ氏の本です。ここからヒントを得て2015年頃からはデュアルモメンタム投資を積極的に取り入れ始めました。2017年頃からは3倍レバレッジETFを使う現在のデュアルモメンタム×3倍レバレッジを始めています。10年ほどのデュアルモメンタムのリアルトレードによって資産は娘が生まれた時点と比べ50倍以上になりました。

モメンタム投資とは

モメンタム投資は、順張り投資やトレンドフォローと呼ばれる投資手法で、市場のトレンドに乗ることで利益を得ようとします。具体的には、価格が上がっている資産を買い、下がっている資産を売る戦略です。これにより、トレンドが継続している間は利益を享受し、トレンドが反転した際には損失を最小限に抑えます。

「高く買って、より高く売る」という手法は、一見すると逆説的に感じられるかもしれません。しかし、モメンタムの持続性を示す研究は80年以上にわたって行われており、短期間(6〜12ヶ月)のモメンタムがその後1〜3ヶ月持続するという結果が多数示されています。

絶対モメンタムと相対モメンタム、そしてデュアルモメンタム

モメンタム投資は大きく以下の2つに分類できます。

絶対モメンタム

特定の資産が、一定のルックバック期間(例えば6ヶ月や12ヶ月)で以前の価格よりも上昇している場合に投資し、下落している場合は現金や債券などに資産を移します。これにより、市場全体が不調のときは資産を守ることができます。例えば、S&P500と米長期国債を用いた絶対モメンタムのバックテストでは、最大下落幅が大幅に減少し、リスク(標準偏差)が低下することが確認されています。

相対モメンタム

複数の資産の中で、同じルックバック期間において最もパフォーマンスが良いものを選んで投資します。相対モメンタムはリターンの向上に貢献しますが、リスク低減効果は限定的です。S&P500と非米国全世界小型株を用いた相対モメンタムのバックテストでは、リターンが改善されたことが確認されています。

デュアルモメンタム

絶対モメンタムと相対モメンタムを組み合わせた手法で、2つ以上の資産の中で最もパフォーマンスが良いものを選びつつ、すべての資産がマイナスのときは現金や債券に資産を移します。この手法は、リスクを抑えつつリターンを向上させることが期待されます。

アセットの選び方

モメンタム投資において、何を投資対象とするかには決まりはありません。一般的に、国や商品、時代に関係なくモメンタムは存在するとされています。例えば以下のような組み合わせが挙げられます。

S&P500、非米国全世界小型株、米長期国債を使ったデュアルモメンタム

米国株、日本株、ゴールド、米長期国債を均等に保有し、それぞれに絶対モメンタムを適用

米国セクター別ETF10種から上昇率の高い3〜4種を選んで毎月入れ替える相対モメンタム

上記の相対モメンタムに加え、S&P500がマイナスの時は現金か債券を持つデュアルモメンタムの変形

個別株にモメンタムを適用することもできます。インデックスに比べて個別株はリスクが高く、シャープレシオが低くなる傾向がある事には注意が必要です。

ルックバック期間の選定

モメンタム投資において、ルックバック期間は重要な要素です。多くの研究では12ヶ月が標準的に使われています。1年前の価格よりも高ければ買い、低ければ売りという簡単なルールです。しかし、いくつかの研究では、複数の期間を組み合わせることでリターンが向上することが示されています。

一般的には12ヶ月のルックバックが基本となります。3ヶ月や6ヶ月のルックバック期間を使用することも可能です。市場の動きが速い場合、短期のルックバック期間が有効ですが、下落トレンドでは長期の方が結果が良くなる傾向があります。過度に期間を変えることは過学習(overfitting)のリスクを伴うため、注意が必要です。過学習とは、シミュレーション結果をよく見せるためにパラメータを調整しすぎ、実際のパフォーマンスが悪化することを指します。

モメンタム投資の課題

モメンタム投資には、いくつかの課題があります。

ボックス相場での逆効果

価格が一定の範囲で上下するレンジ相場では、高値掴みや安値売りが発生し、逆効果になることがあります。

インデックスに劣後する期間

モメンタム投資は市場のトレンドに依存するため、一定の期間でインデックスに劣ることがあります。これにより、投資家はモメンタム投資を中断し、他の手法に移りがちですが、それは期待される利益を手放す結果となります。戦略を続ける一貫性が重要です。

バムのメンバーシップで効率的に課題を解決する。

一からデュアルモメンタムを学ぶのは効率的ではありません。まずはメンバーシップに加入して最短ルートで実践的な知識を手に入れましょう。医師は論文や学会で新たな知見を先に学び、そのあとで自らで確認して学びを深めます。学習の順番を効率的に行うことは飛躍的に伸びるためのコツです。

バムのメンバーシップ「人生を変えるデュアルモメンタム投資」で一緒に成長できれば嬉しいです。
ぜひ、参加をお待ちしています!

オマケ:NISAの非課税枠は使いづらい

デュアルモメンタム投資では一定の売買が発生します。そのため、非課税制度を活用しづらいという制約があります。NISAを活用する方法もありますが、最大限の恩恵を受けることは難しいです。資金が限られている場合はトータルリターンの最大化を考えましょう。

デュアルモメンタム投資のまとめ


デュアルモメンタム投資は、リスクを抑えつつリターンを追求するための有力な投資手法です。

絶対モメンタムがリスクの低減に寄与し、相対モメンタムがリターンの向上をもたらすことで、バランスの取れた投資戦略を実現できます。ルールを決めてしまえば、毎月数分の管理で運用が可能です。

インデックス以上のリターンを求める方は、ぜひ検討してみてください。多様なやり方や新しい考えがあれば、共有していきます。

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