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Airbnbのデザイン・イノベーションスタジオ"Samara"とは?
□ はじめに
Airbnb には共同創業者が3人いる。
CEO のブライアン・チェスキー、CTO のネイサン・ブレチャージク、CPO のジョー・ゲビアだ。
ブライアンは CEO ゆえにメディアによく登場し、何かしらの発言をしている。CTO であるネイサンはしばしば日本に来て Airbnb 社の新戦略を発表する。2018年には中国法人の会長職に就いたことが話題となった。一方で、この2人とは対照的に、ジョーをメディアで見る姿は2016年頃からめっきりと減った。
ジョーの Twitter をフォロワーしていれば彼が何をしているのか知ることができる。彼は今 Airbnb の日常業務から離れ、「Samara(サマラ)」というプロジェクトに取り組んでいる。
□ Samaraとは?
Samara(サマラ)は信頼とシェアリングの新しいかたちを求めるデザイン・イノベーションスタジオ。そこにあるものを利用してつなぎ合わせることで、何か新しいものが生み出せないか実験的に試みている。
そして、「もし誰かと家をシェアするのが前提だとしたら、家はどんな風にデザインされ作られるのだろうか?」というシンプルな問題に立ち向かおうとしている。
□ なぜ作ったのか?
創業者たちは3人で話し合い、会社の未来を考えるためのスペースやチームが必要だと考えた。
今までの会社のミッションは、多くの人が Airbnb に家を貸し出し、多くの人に泊まってもらうことで「Belong anwhere(=どこでも繋がっている)」という繋がりを生み出すことだった。
しかし、会社がある程度成長すると、テクノロジーの変化が激しい時代に生き残るには、野心的に未来のことを考える必要があると判断した。1990年代のトップ企業10などのリストがあるが、現在はどの会社も耳にすることがない。これから会社がどこへむかうのか、もっと大きな目で見るためにジョーは日常業務から離れ、会社の未来のためのスタジオを立ち上げた。
□ チームの編成について
チームのメンバーは生まれつき作り手な人たちで構成されている。いつもデザインをしている、書き物をしてる、コードを書いている、料理をしている、作曲をしているなど、オリジナルを生み出すことがごく自然で、こうあるべきだと考えられる人たちだ。
実際、「吉野杉の家」のプロジェクトには、過激なデザイナー、研究者、ソフトウェアエンジニア、ハードウェアエンジニア、脚本家など、非常に優れた人で高い水準をパスした人がチームに加わっている。
□ 吉野杉の家
サマラのプロジェクト第一弾は奈良県吉野にある「吉野杉の家」だ。家は地元の木材である吉野杉で作られている。1階はコミュニティースペースとなっており、地域住民が憩いの場として利用することができる。家のホストはコミュニティーのメンバーで、ゲストとして訪れると様々な人が迎えてくれる。
□ 裏庭民泊
今取り組んでいるプロジェクトは、空きスペースになりがちな家の裏庭に Airbnb ゲストのためのスペースを作る試みだ。新しいホームシェアリングの形を作り出そうとしている。
未来を見据えて行動するビジョナリーな Airbnb はとても素敵です。
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