イベルメクチンとパンデミック その1
イベルメクチンという薬を御存知ですか?
新型コロナウイルスの特効薬となるべき薬でしたが、様々な理由で処方を絞られています。その理由を書きました。
大村先生の御本から
イベルメクチンの誕生
イベルメクチンとは、2015年に大村智教授がノーベル生理学・医学賞を受賞することになった薬剤の名前です。元になったのは菌が作る化学物質(エバーメクチン)で、その菌は大村教授が1974年に神奈川県の川奈ゴルフ場の土の中から見つけたそうです。
注:大村教授は、ノーベル賞受賞した時は「ゴルフ場のコースの土を拝借した」と言われていましたが、その後は、「ゴルフ場近くの土」とおっしゃっています。(苦笑)
当時の日本は貧しく、大村教授は、米国留学時の恩師の紹介でメルク社という製薬会社から資金を得て研究をしていました。メルク社はビッグファーマ(巨大製薬企業)の一つで、潤沢な資金で医薬品の開発をしています。大村教授が発見したエバーメクチンは、メルク社の研究室で様々な病原菌について調べられ、マウスの実験で体内の寄生虫を殺す効果があることがわかりました。大村教授はエバーメクチンの成分を分析し、ウイリアム・キャンベル教授がそれを基に化学合成し、動物用の駆虫薬「イベルメクチン」として販売したのです。
(大村教授とウイリアム・キャンベル教授は、2015年にノーベル生理学・医学賞を受賞しました)
50年前は動物用の薬は少なくて、大きな需要があったからです。イベルメクチンは1981年に動物の薬として販売されると、3年後から20年以上、動物薬の売り上げナンバーワンの座をキープしました。
⇩ イベルメクチンの化学式
世界一安全な薬
1981年に寄生虫の駆除薬として販売したイベルメクチンは、今ではリンパ性フィラリア症、腸管糞便線虫(糞便や腸に住むいわゆるギョウチュウ)、ダニの感染症に効果があることが判り、発展途上国の人々にはもちろん、先進国の人が飼うペットにも使われるようになりました。
イベルメクチンが様々な病気への適用が承認された理由は、副作用がほぼ無いからです。安全性は薬剤の中でもNO.1で、約40年間に延べ数十億人が服用して、副作用が直接の原因で死亡したのはたった15人だけです。
また、広く普及した理由に、イベルメクチンの服用量は体重のみで決まるという点があります。例えば、寄生虫の駆除なら体重1キログラム当たりイベルメクチンは0.2ミリグラムで、これは小さなネズミから牛や馬、人間まで同じです。性別や年齢は関係ありません。
つまり、イベルメクチンを飲む時は体重だけ考えれば良いわけで、とても使いやすい薬と言えます。
WHOはイベルメクチンを「発展途上国が常備すべき薬」の一つとして指定し、各家庭にイベルメクチンを配布したり、町の薬局で誰もが安価に買えるようにと指導しています。
イベルメクチンで失明者がいなくなった
イベルメクチンが効果を発揮する病気はたくさんありますが、オンコセルカ症は有名です。
オンコセルカ症とはミクロフィラリアという寄生虫に感染した黒バエ(ブヨ、ブユ、小さな羽虫)に、繰り返し刺されるとが感染する病気です。感染すると酷い痒みに襲われ、皮膚炎やリンパの腫れ、角膜炎症などが起こり、何年も放置すると失明してしまいます。
オンコセルカ症を引き起こす黒バエは、アフリカ大陸のサハラ砂漠以南と中南米に多く、その地域では約2500万人が感染し,うち100万人以上が失明or 視覚障害者となっています。メルク社はWHOの依頼を受けて1987年よりイベルメクチンを無償で供与し、現在ではオンコセルカ症で失明する人はいなくなりました。
⇩ オンコセルカ症を引き起こす回旋糸状虫のミクロフィラリア
⇩ オンコセルカ症を媒介する黒バエ
大村教授の本より意訳、引用します。
オンコセルカ症の治療薬には、イベルメクチンの他にもドキシサイクリンがあります。ドキシサイクリンは抗生物質で、寄生虫や細菌などの殺傷に幅広く使われています。非常に良く効くのですが、体内のミクロフィラリアの成虫しか殺せません。成虫を殺せばそれで良いではないかと思われますが、そう簡単ではありません。ミクロフィラリアの成虫にはボルバキアという名の細菌が共生しており、成虫が死ぬとこの細菌が身体中に散って、強いアレルギー反応を引き起こすからです。その為、ドキシサイクリンの服用は医師の診断が必要です。
一方、イベルメクチンは幼虫だけを殺しますので、飲んだ人にアレルギー反応は起きません。また、副作用がほとんど無いので、医師を介することなく家庭へ配布することができます。しかも、年に一度か二度飲むだけで良いのです!
医療設備が貧弱な地域にとって、イベルメクチンは救世主のようにありがたい薬なのです。
イベルメクチンの不思議な力
さて、オンコセルカ症の治療には、年に一度か二度、イベルメクチンを飲めば良いことは上に書きました。しかし、イベルメクチンで作られたオンコセルカ症の抗体は、数か月で消えてしまいます。抗体がなくなっても感染しないのはなぜなのでしょうか?
実は、ここに、イベルメクチンの効能と製薬会社がそれを隠そうとした理由があります。
下の化学式は、代表的な新型コロナの治療薬です。先に出したイベルメクチンの化学式と比べれば、小さく見えるでしょう。つまり、イベルメクチンは分子の数が多い「大きな」薬で、解明されているのは、ごく一部分だけなのです。
ここ10年の研究で、イベルメクチンには寄生虫だけではなく、多種のウイルスや病原菌、そして癌細胞にも効果があることが判ってきました。他にもまだ隠された作用があるのだろうと推測されています。
本当に不思議な力を持つイベルメクチン。
大村教授の言葉です。
「私は、おそらく、イベルメクチンは飲んだ人の免疫機能に作用するのではないかと思います。
イベルメクチンは地球からの贈り物なのです」
⇩ メルク社の新型コロナ薬、モルヌピラビル(ラゲブリオ)
⇩ ファイザー社の新型コロナ薬パキロビッドパックのニルマトレルビル
2020年に起きた事
「治療薬を探せ」
2019年の年末に武漢で爆発した新型コロナウイルスは、2020年には欧州や米国、中南米に広がり、有効な治療法がないままに多くの人が亡くなりました。当時、世界中の人達が必死になって、このウイルスに効く薬を探していました。
2020年1月、最初の報告が武漢から上りました。感染して回復した人の血漿(血液から赤血球などを除いた成分。抗体などが含まれる)を投与するという「古典的な」治療法が重症者に試みられたのです。この回復期血漿療法は100例ほど行われたものの、効果が得られずに終了しました。
次に、シンガポールの病院から、肺炎になった感染者にはエイズ治療薬が効いたという症例が報道されました。このちょっと前に、新型コロナウイルスの遺伝子にはHIVウイルス(エイズ)の遺伝子が含まれているという論文が公表されていましたので、二つのニュースは相乗効果で世界中に広まりました。
しかし、論文が出た直後から、米国のCDC(アメリカ疾病予防管理センター)の所長や著名な科学者らが一斉に、
「新型コロナウイルスはコウモリのウイルスが自然に変化したものだ」
と発言しています。彼らはマスコミやウエブに登場して、
「人工ウイルス説はデマで、支持する者は社会にとって害悪だ」
と強く訴えました。当然、新型コロナの感染者にHIVの治療薬を投与する医師はいなくなりました。
横道に逸れますが、現在では新型コロナウイルスが中国の武漢の生物研究所で創られた人工ウイルスであることは、ほぼほぼ確定しています。
(本人らの自白はまだありませんが、多くの状況証拠と科学的考察から確信に近づいています)
人工ウイルス説がデマだとして世論を操作した人々は、ウイルスの開発に関わって利益を得ています。それを追及されたくない為に、偽の情報を流させたのです。
⇩ 次々に証拠が挙がっている
⇩ エコヘルスアライアンスの元所長、アンドリュー・ハフ博士が『武漢の真実』という本を出版。
「新型コロナウイルスは、米国政府の資金援助による機能獲得研究によって武漢ウイルス研究所で遺伝子操作により作製された」
ヒドロクロロキンも、早い時期から治療薬として使われていました。ヒドロクロロキンとは、レモンやグレープフルーツの皮、キナの樹皮に含まれるキニーネという成分から創られた薬です。キニーネには強い殺菌作用があり、殺鼠剤として知られていますが、実は薬が乏しかった昔は人にも投与されていました。現代ではキニーネではなくヒドロクロロキンが使われています。ヒドロクロロキンはマラリアの特効薬で、トランプ大統領が新型コロナウイルスに感染した時、彼の主治医は少量のヒドロクロロキンと治験中だった抗体治療薬を組み合わせて大統領を回復させています。
しかし、その後、大統領の新型コロナ・スクフォースチームのトップであるファウチ氏が、ヒドロクロロキンは心臓発作を起こす危険な薬だと公言し、CDC(アメリカ疾病予防管理センター)も新型コロナにヒドロクロロキンを使うべからずと定めました。WHOは新型コロナの治療薬からヒドロクロロキンを外し、以降、誰も試そうとしません。
最後に、イベルメクチンについてですが、こちらもヒドロクロロキンと同じ運命をたどりそうになりました。
無視されるイベルメクチン
新型コロナウイルスが発生する前から、イベルメクチンはフィラリア以外の寄生虫や菌やウイルスを殺す事がわかっていました。特に遺伝子が1本鎖のRNAウイルスに対しては非常に効果的にウイルスの増殖を阻止するので、数年前から研究が行われています。新型コロナウイルスもRNAウイルスの仲間ですから、新型コロナの治療薬としてイベルメクチンを調べる価値があることは容易に想像できましたし、実際、すぐに有効性が認められました。
最初のニュースは2020年の2月、オーストラリア在住の日本人、丸田浩薬学博士からでした。丸田博士はイベルメクチンが治療薬になる事を、WHOとアメリカ国立衛生研究所(NIH。ファウチが所長)、世界の主な医療機関へ伝えています。
ウイルスを使った実験も行われました。2020年3月29日、オーストラリアのモナシュ大学のキリ・M・グスタフ教授は「新型コロナウイルスに感染させた試験管内の細胞にイベルメクチンを投与すると、48時間後にはウイルスは約5000分の1に減少した」という論文を発表しました。同じくラボの実験結果として、2020年4月には米国のハーバード大学医学部のマンディブ・R・メヘラ教授が、イベルメクチンがウイルスの増殖を減らしたという論文を発表しました。
臨床現場からはイベルメクチンを称賛する声がたくさん挙がってきます。
2020年は、中年米やアジアの貧しい地域では感染者の激増で医療崩壊が起きていたのですが、外来でイベルメクチンを処方し始めると、嘘のように感染が収まりました。更に、イベルメクチンを住民に配った地域では、感染そのものが抑えられたと確認されました。イベルメクチンが予防的に効いたのです。下にも書いていますが、発展途上国からは、「イベルメクチンが効いた」という論文が山のようにたくさん公表されました。
しかし、イベルメクチンを飲んだことがない先進国の人々にはどうでしょう。ヨーロッパやアメリカからの報告や論文はないのでしょうか?
あります。
2020年4月13日、米国のフロリダ州の169の病院で行われた研究では、人工呼吸を必要とする1,970人の患者にイベルメクチンを投与したところ、死亡率が 18.6%から7.7% へ低下したと報告されました。(0.15mg/kgを単回投与)
2か月後の6月、研究が行われた病院の一つ、米国フロリダ州のブロワード・ヘルス病院からは、入院患者の致死率を40%カットしたとする論文も公表されました。
また、2020年11月の論文によると、フランスの高齢者介護施設では、疥癬(ダニ)の治療の為にイベルメクチンを飲んでいたグループは飲んでいなかったグループより感染リスクを78%、死亡リスクを99.4%減らした、と書かれています。つまり、先進国でもイベルメクチンが予防的効果が確かめられていたのです。
しかし、イベルメクチンの効果を認める論文が先進国に少ないのは事実です。その理由は、発展途上国に比べてイベルメクチンになじみが薄いことと、有名な科学誌や医学誌にイベルメクチンを否定する論文だけが掲載された為、現場の医師達がイベルメクチンは効かないと盲目的に信じてしまったからだと思います。
やがて、イベルメクチンの規制が始まります。医師がイベルメクチンを処方したり、患者がイベルメクチンを希望したり、薬局でイベルメクチンを販売すると、罰せられたり処罰されるようになりました。日本はそこまで酷くなかったですが、アメリカやヨーロッパでは数十人もの医師が医師免許をはく奪されたり、病院を解雇されたりしています。また、せっかく感染が抑えられていた中南米の国々でも、イベルメクチンを禁止した途端に感染者が増えてしまいました。
⇩ 受け持ちの新型コロナの患者にイベルメクチンを処方して回復させたのに、病院を解雇されてしまった日系アメリカ人のダニエル・ナガセ博士
イベルメクチンが効いたという報告
イベルメクチンが効いたという論文や報告は、ざっと調べただけでも、これだけあります。いったい、誰が、なぜ、イベルメクチンを使わせないようにしているのでしょうか?
次で書きます。
イベルメクチンとパンデミック その1 (終わり)
その2、へ続く