対等であるべきか?飲食店とメディアの関係
食べる側が優位過ぎるグルメ業界
プロだろうが、素人だろうが、食べる側がなんだか優位に立っているようなグルメ業界。
事情も知らないのに、上から目線でグルメ蘊蓄を語るマニアが増加する一方だ。
そんな風潮に拍車をかけているのが、クチコミサイトやグルメ広告サイト。
苦労して修業したのち、資金を調達し、やっと創業開店したと思いきや、どこの馬の骨だからわからないご意見番気取りがネットで店の評価を言いたい放題。
新規の客が入店してくれたと期待したら、実は広告営業。多額の費用を請求してくるもんだから、たまったものではない。
日本人はグルメ好きだとしても、飲食店がそもそも多過ぎる印象だ。
次々と新装オープンする店、うなぎのぼりで増えるグルメレビュアーなどなど。
スマホの普及のせいで、一億総グルメ評論家と化したと言っても過言ではないのだ。
クチコミサイトが登場する前は、店側が一見さんお断りなどと言って客の方が地位が低かった時代があったことすら、知らない世代もいるのではないだろうか。
とは言え、個人的に好きな店はクチコミだの広告だのに頼らなくても集客力はバツグン。
やるべきことをやっていれば繁盛する。
グルメメディアを見直すイベント
では、グルメに対するメディアの役割ってなんなのだろう。
元々食いしん坊で、食べ歩くのも作るのも好きなグルメブロガーとライターでもある自分にとっては、一生考えなくてはいけない課題。
よりニッチなテーマに絞って発信するのがより重要になって行くのだとは思っているが。
そんなことを考えていたら、某SNSで目についたイベントがある。
それは
Media Innovation Meetup #8 「食とメディアの未来」
というイベント。9月25日(水)夜に秋葉原で開催された。
最近、Peatix などのイベントに参加することでネットより貴重な情報を得ることが多い。
イベント自体がメディアになってきているとも思っていることもあり、早速参加をしてきた。
登壇していたのは、
・資金節約を重視し間借り店舗で開店した「筋肉飲料」
・打倒!食べログを掲げるグルメアプリ「シンクロライフ」
・お弁当激戦区での取り置きサービス「QUIPPA」
・リアルタイムでより有利に特定の企業が検索できるシステム「Yext」
の各運営代表者。
クチコミサイトに疑問を抱く自分にとっては、やはり「シンクロライフ」に釘付けになってしまった。
グルメ業界とメディアが正常化するように
運営している株式会社GINKAN 代表取締役 神谷知愛氏によると、利益追求に苦戦する飲食店と裏腹に、利益を上げるクチコミサイトや広告サイトの存在に疑問を持ったことがきっかけだそう。
AIにより目当ての飲食店を検索するのがコンセプトだが、レビュアーは暗号通貨により報酬が得られるのが今までになかった特徴。
ボランティアだったレビュアーが報酬を得ることで、より正確な体験をもとに情報として拡散できるのだ。
実際、キラキラしたインスタに抵抗がある層に受けているという。
インスタに関しては、個人的に好きだが、ビジュアルに特化し過ぎて情報や体験に関して物足りなさを感じていた。
プロのライターでなくても本来持つべき視点や責任をユーザーが持つことで、グルメ業界が活性することに期待したい。
「シンクロライフ」でメディアと食の関係がより良好になることも願って自分も使ってみたいと思う。