【開発秘話】 マグナブラスター
火吹き棒(ふいご)は、古来より日本で使われている伝統的な道具だが、”口を付けない”で使用するのが一般的な使い方であることはよく知られている。
じつは火吹き棒は、『流速が早くなると、圧力が下がる』という流体の特性を利用することで、周りの空気をも取り込み、効率的な送風を実現していることはご存知だろうか。
この仕組みをうまく使えば、「口から送り出せる空気量以上に、空気を送り込めるのではないか……?」
そんな仮説のもと、試行錯誤を繰り返してきた末に完成したのが、このマグナブラスターだった。
たどり着いた形状は、”昔ながらの火吹き棒”だった
開発当初、ベンチュリ効果(※)という流体力学の機構をうまく使って、効率的に空気を送り込めないか、実験を繰り返すことに。
しかし、最終的な実験結果は求めていたものとはほど遠く、実用的とは言い難いものだった。
※流体の流れの断面積を狭めて流速を増加させると、圧力が低い部分が作り出される現象
諦めかけていたとき、近くにあったタープポール(Φ30mmのパイプ)で、口を付けずに吹いてみたところ、今までにない炎の立ち上がりを感じる。
”意外にもこちらの方が効率的に風を送り込めるのでは……?”
このなんの変哲もない筒は、言ってみれば昔ながらの火吹き棒そのもの。それでも、他の火吹き棒と比べると、群を抜いて空気を送り込む能力が優れていると実感できた。
『炎の立ち上げ』にも『消えかかった炎のリカバリー』にも、結局は”口元で空気をたくさん巻き込んで、大量の空気をぶつける”ことが重要。
そしてそのためには、太い筒が最も理にかなった形状であるというシンプルな結論に至った。 口径の太さの最適解を検証するとともに、収納方法も数パターン検証した。
本体を3ピース構造で分割できるように設計し、シンプルでありながらもコンパクトさを追求。
最終的に、TOKYO CRAFTSの”フロートケース”(収納ポーチ)にも収納できるサイズ感に落ち着いた。
口径を太くしたメリットは大きい
コンパクトさでみると、細めの火吹き棒には劣るものの、太いゆえのメリットも多数ある。
お手入れ簡単
衛生的に使える
取り回しやすい長さ
まず口径が太く、分割できるので、お手入れがしやすくなっている。
こまめに清掃することで永く使ってもらいたい。
そして、効率的に空気を取り込める構造になっていることで、これまでの火吹き棒のように口をつけて息を吹く必要はナシ。
食後でも、みんなで焚き火を囲んで火吹き棒を使っても、衛生的に使ってもらえるはずだ。
製品特徴のひとつに、一般的な火吹き棒と比較するとやや短いというのがある。口径が太く空気を取り込みやすいため、短くてもいい。
むしろ短いことで小回りがきき、取り回しやすいのもメリットのひとつとなるからだ。
原点回帰。これからの火吹き棒のスタンダードに。
古くから日本で愛されてきた火吹き棒。そのシンプルな構造を受け継ぎながら、より効率的で使いやすい形に進化を遂げたのがこのTOKYO CRAFTSのマグナブラスターだ。
これからの焚き火のお供に欠かせない、優れた火起こし道具になってくれるだろう。
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