再生コルクと廃棄マテリアルが出会った"re-union products"
TOKYO CORK PROJECTが約10年かけてコルク栓の再資源化に取り組む中、少しずつ課題も見えてきていました。
プロジェクトを開始した当初は、再生したコルクの素材をモノづくりメーカーや企業に提供し、活用してもらおうと考えていました。
しかし、「コルク」は生活に身近な素材でありながら、世の中にコルク製品があまりなかったため、メーカー側も製品イメージが持てずに困っていたのが現状でした。
そこで、まずは自分たちがコルク素材を使ったプロダクトを開発し、「コルクでこんなものが作れる」というプレゼンテーションを行うことで、提案の幅も広げていきました。
そして、そんな活動を続ける中、これまでは「コルク」を素材のメインとして捉えていたのを、もっと他の廃マテリアル素材にも目を向け、何かユニークな組み合わせができないかと考え始めました。
再生コルクと廃棄&リサイクルマテリアルを組み合わせた、新たなモノづくりを行うコンセプトブランド「anela(アネラ)」の始まり
きっかけは、「anela」で一緒にBUDDY BEDを作っている、リメイクデニムを展開するOVERDESIGNさんより、「残布が出るので、それをどうにかできないか」という相談があったことに始まります。
当初はデニムを溶かして紙に再生するなどのアイディアもありましたが、デニムパンツらしい名残の部分(バックポケット、コインポケット、デニムの赤み、など)を活かし、そのままの素材を使って、再生コルクとのコラボレーションの道を模索しました。
それと同時にコロナ禍になり、世の中が沈んだ空気に包まれる中、自分たちは「消費を見直す機会になるのでは」とポジティブに受け止め、いろいろなチャレンジを始めました。
長年の友でもあり仕事仲間でもあるプロダクトデザイナー原田元輝氏らと共に進めたのが、新コンセプトブランド「anela」です。再生資源同士が出会い再生するように、プロジェクトに関わるメンバーもre-union(再会)。それぞれの再会が重なり、アップグレードしたプロジェクトへと発展しました。
コルクをどう再活用するのか、その考えの元は「back to tabel」
常に「これをコルクに置き換えたらどうなるだろう」と考え、アンテナを張り、日常生活で触れるモノ、インテリアやショップ、様々なシーンにおいてもヒントを探っています。
再生コルクのプロジェクト立ち上げ当初から「back to tabel_またテーブルに戻ろう」というキーワードを持っています。これは「食のシーンから、食のシーンにポジティブに戻る」という考えで、ゴミとなるのではなく、きちんと役割や華のあるものにまた戻したいという思いで唱えています。
今回立ち上げた「anela」では、人間と動物の垣根を越えて一緒に使えるものや、ファンシーではなく、インテリアとしてライフスタイルに溶け込めるデザインを目指してモノづくりをしています。
これまで当たり前のように捨てられるものに対して「本当にそれでいいの?」、「今ある仕組みは本当に合理的?」といった、常識を疑い、「本当に大切なものは何なのか」を常に考えています。
anelaで挑戦したこと
TOKYO CORK PROJECT主導で進めてきた取り組みを、いろいろな人を信じて任せること。
今回、再生コルクの一歩外に目を向けたことで、それぞれのスペシャリティーを活かし、よりよいものができたという実感が湧いています。自分だけでは思いつかないアイディアもたくさん。人と交わることで様々な垣根を超え、新たな価値が誕生するのを目の当たりにしました。
また、欲しい時に必要な数だけ作るというマイクロクラフト的な生産方法を見つけたことも大きい。大量消費する時代から、徐々にものづくりの仕方も変化し、理解あるパートナーたちと取り組むというのも大切なことです。
自分たちが感じている気づきをもっと広め、「当たり前に疑問を持つ」そんな仲間を増やしていきたいなと思っています。
メディア掲載情報
プレスリリース第2弾
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