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「シーズン2」事始めと『相棒』21-1「ペルソナ・ノン・グラータ〜殺人招待状」/世文見聞録51
「世文見聞録」シーズン2。今週も川口世文と木暮林太郎が、彼らの大好物の「ビッグストーリー」であるドラマ『相棒』シリーズについて語ります。
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○「世文見聞録シーズン2」事始め
川口世文:さて、“シーズン2”の話をしようか?
木暮林太郎:終わったばかりなのに『男はつらいよ』の“2周目”って意味じゃないだろうな?
川口:残念ながらBSテレ東の放送は『釣りバカ日誌』に切り替わる。次にやるとしたら、早くても来年の4月になるはず。
木暮:それを聞いてホッとしたよ。正直、『ルパン三世』はともかく、毎週寅さんはきつかった。
川口:最初は30分だけでいいっていっていたのが、それじゃすまなくなったしな。
木暮:本当だよ。作品によっては全部観ちゃった。
川口:それはそれで、いろいろと発見になったけど。
木暮:だから、やるとしたらせめて週に1本にしよう。
川口:まあ、そうするか。『ウルトラセブン』が55周年を迎えて、もう一度NHKが4Kリマスター版を放映するかと思ったが、どうやらやらないみたいだし。
木暮:いちばん最初の「事始め」で話したのは、あとはドラマ『相棒』だけか。おまえがいったとおり、新しい展開になったみたいだな──原点回帰というか。
川口:そうなんだ。久しぶりにテレ朝も力を入れているし、なかなかに興味深い……これをやってみようか?
木暮:1時間ドラマとはいえ、週に1本ならいいよ。
川口:よし、では次は『相棒シーズン21』で行こう。
木暮:その前に一つ質問があるんだけど。これってこのシーズンで終わりなのか?
川口:うーん、それはどうかな? ここまで力を入れて視聴率が悪ければそうなるかもしれないけど、予想では3シーズンぐらいやりそうな気がする。
木暮:なるほど、ソフトランディング狙いね(笑)。
川口:このシーズンが、シリーズ全体のどういう結末を示していくのかも話の切り口になっていくんだと思う。
○『相棒シーズン21』第1話
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川口世文:久しぶりにテレ朝の本気を感じて燃えたな。
木暮林太郎:前日に『レベル4~薫最後の事件』を再放送してくれたのはよかった。
川口:しかもゴールデンタイムでね。劇場版の第1作の公開前を思い出したよ。音楽も昔に戻った感じだし。
木暮:一晩のあいだに14年間が過ぎているわけだけど(笑)、そこまで違和感はなかったな。せいぜい3年間のブランクといった感じだった。
川口:それでもずいぶんレギュラーメンバーは変わっているんだけどね。
木暮:そういう人たちが“伝説の相棒”亀山に興味を持っているのが面白い。
川口:死んじゃったキャラとか、辞めちゃった俳優を除いて、どんどん復活させればいいんだよ。それくらいの本気を継続してほしいな。
木暮:反町隆史はともかく、及川光博の再登場はありえそうだな? あとは六角精児が演じた米沢さんとか……。
川口:そのあたりは“元日スペシャル”に期待しよう。とりあえず今回の中身の話を進めよう。
木暮:といってもまだ“前編”だからなあ……。
川口:飛行機の爆破予告が“フェイク”だってことはすぐにわかっただろ?
木暮:いや……。
川口:前日の『レベル4』のウィルスが偽物だったんだから、当然そうなるだろ?
木暮:え?──そういう伏線だったのか?
川口:伏線というより“パターン”だよ。ウィルスとか飛行機の爆破とか、そういうスケールの大きな設定は、事前に宣伝で煽るにはピッタリの話題だ。
木暮:確かに“引き”は強そうだ。今時日本のドラマでそんな設定ないから。
川口:だけど、ハリウッド映画じゃないから、予算的にそれを真正面から描くことは無理。だから“フェイク”ということにする。物語的にもそこで話が逆転するから面白くなるし、視聴者も納得してくれる。
木暮:なるほど、そういう深読みもなくはないか……当然、真犯人の目星もついているんだろうな?
川口:いや、そこまで『レベル4』の“パターン”は踏襲していないはずだ。前半は限定された場所で話が展開し、後半は外に出ていく“パターン”はむしろ『劇場版Ⅱ』に似ている。
木暮:そうなのかもしれないけど、過去の“パターン”から犯人を当てるのは邪道だろ?
川口:まあ、そうだな。しかも、これまでのおれたちの素人の推理は当たったことがないしね。だが、一言だけいわせてほしい。
木暮:何だ?
川口:今のところ宮澤エマが演じるキャラクターが全然機能していない。後半は彼女の役割が大きくなる。場合によっては有力な容疑者になるかもしれない。
木暮:彼女が犯人ってことか?
川口:さあ、それはどうかな? 問題はサブタイトルの「ペルソナ・ノン・グラータ」が誰かということだ。
木暮:今度はサブタイトルからの邪道な推理か? 一言だけじゃなかったのかよ?
川口:亀山が“相棒”に復帰するということは、サルウィンに帰れなくなるわけだ。だから彼が「ペルソナ・ノン・グラータ」となる可能性は高い。クーデター後の新政府にとって好ましからざる人間、ということは新政府が隠しておきたい何らかの真実を知ってしまうわけだ。
木暮:それはありえそうだな──それで、真犯人は?
川口:……さっぱりわからない。
木暮:それは番組が違うだろ!
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