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『相棒』シーズン23-15「キャスリング」/世文見聞録167

下手な予想も裏読みも数撃ちゃ当たる──川口世文と木暮林太郎が、大好物の「ビッグストーリー」であるドラマ『相棒』シリーズについて語ります。

○『相棒シーズン23』第15話(ネタバレ要注意!)

<あらすじ>
右京(水谷豊)が山荘でチェスを指している。道に迷ったという口実で、その場に入り込んでいるようだ。チェスの相手で山荘の主は、奥田剛(佐野史郎)という男性。奥田は、今から15年前に都内で発生し、いまだ解決されていない母子殺害事件の被害者遺族だった。しかし、奥田自身にも疑わしいところがあり、警察に疑われた過去が。奥田と2人きりの山荘でチェスを指しながら、そうした事件の概要と現在の捜査状況について淡々と語る右京。そんな中、右京は都心に残っていた薫(寺脇康文)にメッセージを送り、奥田のアリバイ確認を依頼する。何か事情があると察した薫は、さっそく行動を開始。右京と奥田は、それを皮切りに、チェスになぞらえた壮絶な頭脳戦に突入していく。

公式サイトより

川口世文:今回は毎回「ヘンな話」を書く徳永富彦脚本作品だから期待していたんだけど、同時に前シーズンの第12話「惡の種」のつづきではないかと予想していたので無意味に混乱してしまった。

木暮林太郎:予想なんか立てずに素直に観ろっていう警告なんだよ(笑)。アバンなしにいきなりタイトルがはじまるところからして、明らかに「ヘンな話」に間違いなくて、相当に混乱した人が多かっただろうな。

川口:以前、時系列がバラバラになった話があって、それを出来事が起きた順に並び変えたバージョンがDVDに収録されたことがあった。今回も本当はあのオフィスで何が起きていたかだけを描いた映像を見てみたいね。

木暮:例えば右京さんが“刺し殺される”シーンは単純にあの男の頭のなかの妄想だけだったのか、あるいは実際に立ち上がってそれらしい動きをしたのかってこと?

川口:たぶん行動には起こさなかったと思うけど、相当にシュールな状況になっていたことは間違いない。

木暮:薫ちゃんなんか凍死、墜落死、感電死で“三度も殺される”しね。佐野史郎が急にニヤニヤしはじめたりして、まったく不可解な状況になっていたんだろうな。

川口:それと、右京と薫が別々に動く“頭と体”のパターンはやっぱり面白いんだけど、チェスの局面がわかる人ならもっと楽しめたんだろうとうらやましくなった。

木暮:一つだけ気になったのが、薫が最初に右京から連絡を受けたとき、美和子が右京は非番じゃないの?っていうんだよ。それなのになぜ右京は警視庁にいたのか?

川口:そういわれると重要なミスディレクションだったな。“美和子ブルー”に光る謎の料理にすっかり気を取られていた。今回は、光るキノコ、光る蝶につづく“光る○○”シリーズの完結編でもあったからな(笑)

木暮:あれを食べた薫の幻覚オチじゃなくてよかった。

これは強烈


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