『相棒』シーズン21-14「まばたきの叫び」/世文見聞録64
「世文見聞録」シーズン2。今週も川口世文と木暮林太郎が、彼らの大好物の「ビッグストーリー」であるドラマ『相棒』シリーズについて語ります。
○『相棒シーズン21』第14話(ネタバレ注意!)
木暮林太郎:結局、美和子は“殴られ損”だったな。包帯を巻いた頭に帽子と眼鏡というルックスは案外面白かったけど、彼女自身に直接関わる事件じゃなかった。
川口世文:話の“引き”としてはよかったけどね。どちらかというと「放送400回」の記念に何かインパクトが欲しかったのかもしれない。
木暮:来週は待望の“ヒロコママ”再登場だしな。
川口:きっと戻ってきてくれると信じていた(笑)。「待望の」といえば、ついに亀山が“走って追いかけた相手を捕まえた”んだよな?
木暮:あれは何というか、偶然相手がコケたからというか、物語的に捕まえさせる必然があったというか……。
川口:一方で彼の“推理”は今回はまったくの空振り。
木暮:前回のことを反省したみたいに、右京さんはつれない態度だったな。
川口:それにしても通り魔殺人の犯人が出所前に脳卒中を起こして寝たきりというのもすいぶんすごい設定だ。
木暮:「死刑になりたかった」男が、自分で死ぬことができなくなったら、誰かに自分を「殺してもらう」しかないっていうのは一応筋が通っている。
川口:問題は彼に復讐する側だよな。殺すことが復讐になるのか、逆に生かすことのほうが効果があるのか……なかなか面白いテーマだ。
木暮:“彼”の側に視点を変えたら連続ドラマが一本できちゃうかもな。
川口:面白い視点かもしれない。「獄中結婚」とか「意志伝達装置」とか、ありそうでなかったアイディアだし。
木暮:「まばたきの叫び」というサブタイトルもそのほうが生きてくる。
川口:確かにその「叫び」の部分をもうちょっと深掘りしてほしかった気はする。