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『相棒』シーズン22-14「亀裂」/世文見聞録123
シーズン22も後半戦。下手な予想も数撃ちゃ当たる──川口世文と木暮林太郎が、彼らの大好物の「ビッグストーリー」であるドラマ『相棒』シリーズについて語ります。
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○『相棒22』第14話(ネタバレ注意!)
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<あらすじ>
ある休日。右京(水谷豊)は、著名な美術コレクター・道明寺(小林隆)とチェス喫茶で一局交え、その策士ぶりに舌を巻く。いっぽう、薫(寺脇康文)は美和子(鈴木砂羽)と共に、陶芸教室に参加。講師は“アート界の若きエース”と評される女性芸術家で、図らずも道明寺がかつて支援した人物だった。そんな中、道明寺のコレクションルームで男性の遺体が発見され、美術品がすべて持ち去られる事件が発生。警察は、ここ1か月で2件発生している、美術品強盗グループの仕業とみていたが、右京はこれまでの手口と違う点があることを指摘する。しかし、その後すぐ、遺体の男性が、マークしていた強盗グループの一員であることが判明。それでも独自の捜査を続行。すると、道明寺に強い恨みを持つ人物が浮上し、意外な事実が明らかになっていく。
川口世文:シーズン後半になると、右京さんの私生活を覗き見させながら展開するエピソードがよく出てくる。
木暮林太郎:“チェス喫茶”なんていうのがあるのか? すぐにチェスの話からは離れちゃうけど、結局最後まで右京さんと道明寺の“対局”はつづいていたわけだ。
川口:それにしても前回美和子に送った恋文といい、今回右京さんにプレゼントしたティーカップといい、まさかこれは“死亡フラグ”が立ったわけじゃないよな?
木暮林太郎:薫ちゃんが殉職するってこと? 確かに『相棒』にはこれまでそのパターンがなかったからな。だけど、さすがにそれは深読みしすぎじゃないのか?
川口:まあ、何となくそんな気がしただけだ。“死亡フラグ”が立つにしてもまだ早すぎるもんな。でも、“死ぬぞ死ぬぞ詐欺”的な展開がはじまる可能性はある。
木暮:視聴率1ケタ台は何としても避けたいから、何か刺激がほしいことは間違いない……贅沢な悩みだけど。
川口:サブタイトルの「亀裂」ってどこに入ったんだ?
木暮:やっぱりクリエイターと後援者のあいだだろう。
川口:余命三ヶ月でコレクションを道連れにしたくなる気持ちはわからないでもない。だけど、クリエイターに作品とだけ向き合わせようとする気持ちはわからない。
木暮:“関わる人間はおれだけにしておけよ”っていう道明寺のエゴにすぎなかったんだ。
川口:「真の愛情とは手放すこと」か……亀山が「手放したものはいつか帰ってくる」と返したのが気になる。
木暮:まさか甲斐亨の“復活フラグ”?──ダメだダメだ、おれまで深読みしすぎている。
川口:復活といえば半グレ集団「スコルピオ」の名前がまた出てきたな。これは昭和の刑事ドラマっぽく派手に全面対決した挙げ句、やっぱり誰かが“殉職”だな。
木暮:そいつは“不適切にもほどがある!”ぞ(笑)