ブラオケ的名曲名盤紹介コラム〜映画音楽編〜#3『The Sound of Music』
「ドはドーナツのド、レはレモンのレ」という言葉を聞くと皆さんは何を思い浮かべるだろうか。
これは日本語でアレンジをした、「ドレミのうた」である。
小学生の時、あるいは幼い頃、誰もが一度は歌ったことのある(あるいは聞いたことのある)曲ではないだろうか。
日本で知られている「ドレミの歌」はペギー葉山によって、訳詞、歌唱、その後NHK『みんなのうた』でも1962年に放送されたものがメジャーとなっているが、このドレミの歌のもとは、実話を元にしたミュージカル『サウンド・オブ・ミュージック』のなかで、主人公マリアが子供たちに「ドレミファソラシド」の音階を伝えるために歌った曲である。
※英語版はもちろんドーナツから始まる曲ではなく、英語の単語で、それぞれ「ドレミファソラシド」から始まる単語を歌の中に取り入れている。
公式のYouTubeの音源等は見つからなかったため、今回は歌の動画は載せられないが、劇団四季が日本語版となるものの、動画をあげていたため、こちらに記載させていただく。
また、中古とはなるがサウンドトラックもあり、何周年というタイミングで再度発売等もされている。
今回はその中でも映画版サウンドオブミュージックについて特に特徴的な3曲について触れていきたい。
※ここから先は映画のネタバレも含むため、ご自身で話を知りたいと言う方は、
ぜひ一度映画を見てから記事を読んでほしい。
舞台はオーストリア、ナチスヒトラーの影が忍び寄る1938年のある日、自由を謳歌する修道女の女性、マリアが、広い草原で、プレリュードとサウンドオブミュージックを歌うところから場面は始まる
1:My favorite Things
マリアは修道女見習いであったが、おてんばっぷりに周囲の修道女から揶揄われていた。そしてついにマリアは、そのお転婆を見かねられた院長から、トラップ大佐の家の子供たちの家庭教師になるよう言われ、トラップ邸へ行くこととなる。
最初は、トラップ大佐の厳しいしつけの様子に反感を覚え、子供たちの絶え間ない悪戯に手を焼くマリアだが、だんだんと持ち前の明るさで子供達を(そしてトラップ大佐をも)魅了していく。
そしてある雷の夜の日、雷を怖がる子供たちに歌うのが、「My favorite Things」である。
※この曲はJR東海の「そうだ、京都行こう」のC Mの曲にも採用されているので、
この映画を知らない人も、聞けば「ああ!」となるかもしれない
何か大変なことがあった時、あるいは何か嫌なことがあった時、見たり聞いたりするとなぜか少し笑顔になってしまうお気に入りの物を言い、それを思い出して楽しい気持ちになっていこうというこの曲は、個人的に、今でも大事にしている曲の一つである。
2:So Long Farewell
トラップ大佐の恋人のエルザを紹介するための舞踏会にて子供たちが就寝時間に入った際に歌った曲でありのちのエンディングに重要な役割を果たす曲である。
子供達一人一人が舞踏会から去って寝なければならないのを惜しみがらだんだんと寝室へ帰っていくさまがなんとも可愛らしく、最初はリズミカルだった曲がゆったりとした曲調に変わっていく様も優雅な一曲である。
3:Edelweiss(エーデルワイス)
最後はこの曲である。この曲も多くの人が一度は何かしらの形で聴いたことがあるのではないだろうか。
この曲は2回映画の中で出て来ていて、1回目は、厳しく子供達を躾けていたトラップ大佐が音楽を思い出して、子供たちに恥ずかしげに披露している場面である。
2回目は、ナチスから逃げ、亡命を企画し、実行する直前のコンサートにて披露する場面である。
前述のSo Long Farewellとともに亡命を実行する直前のコンサートで披露した曲だが、1回目の時のトラップ大佐と、この時のトラップ大佐の覚悟の違いと立場の違いが差別化されてて、緊張した場面にも関わらず、穏やかな曲調ということもありなんとも印象に残る一曲である。
今回、映画自体が時間が経っているということもあり、なかなか公式の動画等がない作品となるが、この映画、「サウンド・オブ・ミュージック」は不朽の名作であろう。
見たことのない方はドレミの歌が気になる、という程度でもいいので、一度見ることをお勧めする。
文:うめ