ブラオケ的名曲名盤紹介〜マニアックな世界へようこそ…〜 #9「何でも屋さんのユーフォニアム」
吹奏楽において、ユーフォニアムはメロディーや対旋律、時にはベースラインなど様々な役割を担う。しかし、名前の知名度の低さから吹奏楽をあまり知らない方からは「聞こえてくるけどどの楽器?」となってしまうことも。最近ではアニメの影響もあり知名度も上がっ
てきているが、まだまだ他の楽器よりは知られていない印象がある。今回はユーフォニアムが活躍する吹奏楽曲を紹介する。ぜひ聞いていただき、ユーフォニアムの良さを知ってほしい。
1.ノアの方舟(ベルト・アッペルモント)
旧約聖書の「ノアの方舟」をモチーフに作曲された 1 曲。「I. お告げ(The Message)」「II.動物たちのパレード(Parade of the Animals)」「III.(TheStorm)」「IV. 希望の歌(Songof Hope)」の 4 楽章から構成されており、1 つの映画を見たような気分になる壮大な音楽である。
「I. お告げ(The Message)」はトランペットとユーフォニアムのソロの掛け合いから始まり、神からのお告げをノアが受け取っている様子が表現されている。その後「II. 動物たちのパレード(Parade of the Animals)」でノアが方舟に動物たちを乗せ、大洪水に備える。
この場面では冒頭の厳かな雰囲気から一転し、賑やかな明るい雰囲気となる。
「III. 嵐(The Storm)」では、演奏者が手と息を使い風の音を表現するよう楽譜に指示があったり、ウイン
ドマシーンが使われたりと、普段の曲ではあまりない演奏効果を聞くことができる。この場面でのユーフォニアムは、前の 2 楽章とは打って変わり、雷や強風を表現するような激しい動きをしている。大洪水が収まり地上に平穏が訪れ「IV. 希望の歌(Song of Hope)」はクラリネットのソロから始まり、各楽器にメロディーが受け継がれていく。ユーフォニアムは 2 パートに分かれメロディーを演奏する。その美しいハーモニーをぜひ聞いてほしい。
メロディーや対旋律を演奏しながらも、楽団全体を包み込む役割をするというユーフォニアムの醍醐味を楽しむことができる。演奏していてとても楽しい 1 曲である。
2.The Seventh Night of July(酒井格)
吹奏楽では有名曲な曲の一つ。「え、中間部にユーフォのソロがあるから、おすすめするにはありきたりじゃない?」と思われるかもしれないが、実は全体を通してユーフォニアムが活躍している。全体を通して活躍する分、演奏者はとてもしんどい…。しかしその分演奏
した後の達成感がものすごい。文章ではこれ以上良さを表現できないため、ぜひユーフォニアムに注目して聞いてほしい。
今回は 2 曲紹介させていただいた。(語彙力がなさ過ぎて良さが伝わっているかは心配である。)これ以外にもたくさん「ユーフォっていいじゃん」と思ってもらえる曲はあるので、
ぜひ一度生の演奏を聴いていただきたい