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知ってる!?歌に出てくるステキな花たち!

大好きな歌に出てくる花の名前が気になること、ありませんか?

私は、その歌を作った人が、どんな理由でその花を選んだのだろう?と気になって、検索してみることがあります。

そうすると、詩のイメージ通りの可憐な花だったり、意外と地味な花だったり、花言葉が面白かったりと、新しい発見があるのです。

今回は、歌の中に登場する花と、その花にまつわるエピソードをご紹介します!!


「レミオロメンの『アカシア』は、アカシアじゃない!?」

”なくしてしまってもそれさえ始まりなのさ
 そこで揺れているのはアカシアの並木道”


ここに出てくるアカシア、みなさんが思い浮かべるのは、

こんな花の咲く植物ですよね。

出典元:https://jp.pinterest.com/pin/42362052721247649/


実はこの「アカシア」と言われている植物、実は『ニセアカシア』なんです。

「ニセ」ってどういうこと!?

調べてみたところ、明治時代、先に『ニセアカシア』が日本に輸入されたのですが、その際、誤って「アカシア」と呼んでしまい、その後本来のアカシアが輸入された際、仕方なく先にきていた方を『ニセアカシア』、と呼ぶようになったそうです。

混乱しそうですが・・本来のアカシアは、こちら。

出典元:https://jp.pinterest.com/pin/81979655693275547/

では本来のアカシアは、何と呼ばれているかというと・・

日本では『ミモザ』と呼ばれて定着しています。

春先に出回る黄色い花、あれは本来アカシアですが、『ミモザ』という呼び名で定着してしまったのですね。

更にややこしいのですが、本来の「ミモザ」も間違えて呼ばれてしまうことになりました。

その呼び名は、あの、葉を触ると閉じてしまう『オジギソウ』。

出典元:https://jp.pinterest.com/pin/417145984214593063/


つまり、

『アカシア』は、「ミモザ」と呼ばれ、

『ニセアカシア』が「アカシア」と呼ばれ、

『ミモザ』が「オジギソウ」と呼ばれる

三種類の植物がそれぞれ間違った名前で定着してしまうという・・ややこしいことになっていたのです!

とはいえ、これらの呼び名はすっかり定着してしまっているので、お花を探すときは、今までどおりの呼び名で探しましょう。

レミオロメンだけではなく、北原白秋の「この道」に出てくる ”アカシアの道” なども、今までどおり、白い花を想像してくださいね!!

出典元:https://jp.pinterest.com/pin/414120128210297910/


「BUNP OF CHICKENの『ハルジオン』てどんな花?」

”名前があったなぁ 白くて背の高い花
 視界の外れで忘れられたように咲いてた”

この白い花、『ハルジオン』は、キク科の「シオン(紫苑)」が秋に咲くのに対し、春に咲くから『ハルジオン(春紫苑)』と呼ばれる様になったそうです。

花言葉は「追想の愛」と、とってもロマンチックですが、一部の地域では、ハルジオンを折ったり摘むと、貧乏になってしまう、『貧乏草』と呼ばれています。

これは、ハルジオンが窒素分の多いところを好んで育ち、牧草地、畑、道端などどこでも咲くため、手入れをしていない貧しい家の庭にも咲くから、という説があるようです。

確かにたくましさのある花ですが、見た目はとても可憐。

背の高い花、と歌詞にはありますが、高さは30~80センチ程度、花が大きめで数が少なくつきます。

出典元:https://jp.pinterest.com/pin/341499584222045085/


さて、『ハルジオン』と、とてもよく似た花に『ヒメジョオン』というものがあります。

こちらは、ハルジオンより背が高く、花は小さめで数が多くつき、根本の方に葉がつくハルジオンに比べ、根本はすっきりとしています。

花言葉は「素朴で清楚」。

繁殖力がとても強いのはハルジオンと同じで、どちらも雑草扱いされていますが、どちらも素朴ながらも可愛らしい花ですよね。

出典元:https://jp.pinterest.com/pin/293296994460583792/


松任谷由実さんが最初に出したアルバムの曲に、『ハルジョオン・ヒメジョオン』という曲があります。

このハルジョオン、というのは呼び間違いで、正しくはハルジオンということになりますが、歌詞の中ではヒメジョオンしか出てきません。

”ヒメジョオンに埋もれてくちづけをした
 土手と空のあいだを風が渡った”

どちらも見分けにくいし、土手ということからもわかるように、同じような場所に混ざって咲き乱れていたのでしょうか?

花が群れて咲いている景色の中での出来事や、草むした香りが感じられる歌詞ですね。

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「春の歌の定番といえば、赤いスイートピー!」

”I will follow you ちょっぴり気が弱いけど
 素敵な人だから 心の岸辺に咲いた 赤いスイートピー”

誰もが一度は聴いたことがある、松田聖子さんの「赤いスイートピー」。

赤のスイートピーは今ではすっかり定番ですが、

この歌が発売された当時、まだはっきりとした「赤」のスイートピーはポピュラーではありませんでした。

濃い目のピンクなどはあったそうですが、この曲がヒットしたのを機に品種改良が進み、現在のような赤いスイートピーができたそうです。

歌詞から新しい品種の花が生まれるなんて、アイドル時代の松田聖子さんの人気ぶりがわかる、ステキなエピソードですね!

出典元:https://jp.pinterest.com/pin/147281850283975889/

スイートピーの花言葉には

「ほのかな喜び」「門出」「別離」「優しい思い出」「永遠の喜び」「私を忘れないで」といったものがあります。

「門出」や「別離」というと寂しい別れのような気もしますが、花の形が蝶が羽ばたく姿に似ていることから来ているそうです。

3月、4月に最盛期を迎えるスイートピーは、
卒業式のシーズンに送るのにもピッタリな花ですね。

最近では赤やピンク、白といった定番の色の他に、
紫やマーブルカラーなども人気で、品種は80種類ほど存在しているそうです!

一種類だけの花で沢山の色を組み合わせたアレンジも面白いですね。

日本人はときかく桜が大好き!桜の歌といえば。。

桜を見ながらお酒を飲む習慣は、日本人ならではの伝統行事ですよね。

桜は奈良時代から存在が確認されていて、平安時代には沢山の和歌にも桜が詠まれました。

まずは時代をぐっとさかのぼり、平安時代のキャリアウーマンが歌った和歌をご紹介します。

”いにしへの 奈良の都の八重桜 けふ九重に匂ひぬるかな”

「昔みやこのあった奈良の八重桜が、今日は九重の宮中で、ひときわ美しく咲き誇っております」

という意味の歌です。

九重(ここのへ)というのは、宮中のことを表す言葉で、古代の中国では王宮を九重の門で囲ったことから来ています。

この歌を詠んだ伊勢大輔(いせのたいふ)という女官は、当時の宮廷では新参者の女官でした。

「源氏物語」を書いた紫式部が才女であった伊勢大輔を抜擢し、奈良から献上された八重桜を受け取る、という大役が任されました。

その際、藤原道長から即興で和歌を詠むよう命じられて詠んだのが、この歌でした。

宮中の人々が見守るプレッシャーの中、八重桜の「八重」に「九重」で応じるスマートな歌を詠んだ彼女は、見事に紫式部や道長の期待に応え、周囲に才女であることが認められたというエピソードです。

百人一首にも選ばれているこの歌。

桜の舞う華やかな宮中の様子と、これから新しい環境で頑張っていこう!という彼女の姿が浮かんで、新入生や新社会人の気持ちと重なりますね!

出典元:https://jp.pinterest.com/pin/145874475407567567/

もう一つ、男性が詠んだ和歌をご紹介します。

”世の中に 絶えて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし”

これは在原業平が詠んだ歌で、現代語訳は、「世の中に桜がなかったなら、春をのどかな気持ちで過ごせたろうに」です。

もちろん、本当に桜なんてなければいいのに!と言っているわけではなく、平安時代の当時から、桜はいつ咲くだろう?まだかな?もう散っちゃうかな?
と、人々がそわそわとしていたことを歌っているのです。

咲くだけで、人の心をそんなにも動かす桜の美しさ。
桜があるから、こんなにも心が浮きたつのだ、ということを逆説的に伝えています。

何百年も前から、日本人の心にどれだけ深く根付いている花なのかがわかりますね!

出典元:https://jp.pinterest.com/pin/416371928024269854/


さて、現代に戻ると、

森山直太朗さん、
いきものがかり、
レミオロメン、
コブクロ、
FUNKY MONKEY BABYS、
河口圭吾さん、ケツメイシに福山雅治さん。。

と、まだまだあげたらきりがない位、桜の歌が満開です!

桜の花はやはり日本人にとっては古代から現代に至るまで、ずっと特別な存在。

桜の季節は、春の雨や風が強い日も増えるので、満開の桜を楽しめるのは本当に一瞬ですね。


花を見ると、思い出す歌が沢山ある。懐かしかったり嬉しかったり切なかったり。

そして、四季がある国に生まれて良かった、って思うのです。



【TOKYO BENZAITEN】 Aromariage 鷲尾直美

お花、旅、音楽、の日々つれづれコラムです。
アクセサリーデザイナーと旅の音楽家という女性2人によるインテリアブランド「TOKYO BENZAITEN by studio iota label」と申します。
流木やドライフラワーなどボタニカル素材を使用したインテリアを企画・販売し、アウトドアライフを送ってます。



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