SNOWFLAKE UDFとストアドプロシージャの違い
🔹 基本の理解
1. UDF(ユーザー定義関数)とは?
🔸 定義:
UDFは「ユーザー定義関数(User-Defined Function)」の略で、ユーザーが独自に作成する関数です。
一つの入力に対して一つの値を返します。
SQLクエリの中で、他の関数と同様に使用できます。
🔸 例え話:
電卓の関数キーのようなものです。例えば、「√(平方根)」ボタンを押すと、一つの数値の平方根が返ってきます。
🔸 使用例:
sql
-- カスタム関数の定義
CREATE FUNCTION calculate_discount(price NUMBER, discount_rate NUMBER)
RETURNS NUMBER
AS
$$
BEGIN
RETURN price * discount_rate;
END;
$$;
-- 関数の使用
SELECT product_name, calculate_discount(price, 0.1) AS discounted_price
FROM products;
解説:
calculate_discount 関数は、価格と割引率を入力として受け取り、割引後の価格を返します。
SELECT 文の中で他の関数と同様に使用できます。
2. ストアドプロシージャとは?
🔸 定義:
ストアドプロシージャは、一連のSQLコマンドやロジックをまとめて実行するためのプログラムです。
一つの入力に対して複数の操作を行いますが、値を直接返すことはありません。
データの挿入、更新、削除などの操作を含む複雑な処理に使用されます。
🔸 例え話:
キッチンのシェフのようなものです。シェフは一つの注文(入力)に対して、食材の準備、調理、盛り付けといった複数のステップを実行しますが、最終的に直接的な「値」を返すわけではありません。
🔸 使用例:
sql
-- ストアドプロシージャの定義
CREATE PROCEDURE update_product_prices(IN percentage_increase NUMBER)
LANGUAGE SQL
AS
$$
BEGIN
UPDATE products
SET price = price * (1 + percentage_increase);
END;
$$;
-- プロシージャの実行
CALL update_product_prices(0.05);
解説:
update_product_prices プロシージャは、全ての商品価格を指定された割合で増加させます。
CALL 文を使用してプロシージャを実行しますが、直接的な値は返されません。
🔍 UDFとストアドプロシージャの違い
🔸 具体的なイメージで理解しよう
🍎 UDFの具体例
シナリオ:
あなたのデータベースには商品の価格情報があります。
各商品の価格に対して、一定の割引を適用した価格を計算したい。
関数の定義と使用:
sql
-- UDFの定義
CREATE FUNCTION calculate_discount(price NUMBER, discount_rate NUMBER)
RETURNS NUMBER
AS
$$
BEGIN
RETURN price * discount_rate;
END;
$$;
-- UDFの使用
SELECT product_name, price, calculate_discount(price, 0.1) AS discount
FROM products;
結果:
解説:
calculate_discount 関数は、価格に対して10%の割引を計算します。
SELECT 文の中で直接関数を呼び出し、各商品の割引額を取得しています。
🍊 ストアドプロシージャの具体例
シナリオ:
毎月末に全商品の価格を5%増加させる必要があります。
プロシージャの定義と実行:
sql
-- ストアドプロシージャの定義
CREATE PROCEDURE increase_prices(IN percentage_increase NUMBER)
LANGUAGE SQL
AS
$$
BEGIN
UPDATE products
SET price = price * (1 + percentage_increase);
END;
$$;
-- プロシージャの実行
CALL increase_prices(0.05);
解説:
increase_prices プロシージャは、全商品の価格を指定された割合(ここでは5%)で増加させます。
CALL 文を使ってプロシージャを実行することで、全商品の価格が更新されます。
結果:
🔸 まとめ
UDF(ユーザー定義関数):
一つの入力に対して一つの値を返す。
SQLクエリ内で直接使用可能。
データの計算や変換に適している。
ストアドプロシージャ:
一つの入力に対して複数の操作を実行するが、値を直接返さない。
CALL 文を使って実行する。
データの挿入、更新、削除などの複雑な処理に適している。
ポイント:
UDFはデータを変換したり計算したりする際に便利で、クエリ内で直接使用できます。
ストアドプロシージャは一連のデータ操作をまとめて実行する際に適しており、値を返さないため、クエリ内で直接使用することはできません。