Snowflakeの「Ignore Case」
**Snowflakeの「Ignore Case」**は、データベース内での検索や比較操作で、大文字と小文字を区別せずに扱う動作を指します。特に、テーブル名やカラム名、データの比較などに関連します。以下で詳しく説明します。
1. テーブル名やカラム名のIgnore Case
Snowflakeでは、デフォルトで**オブジェクト名(例: テーブル名やカラム名)**は大文字と小文字を区別しないように設計されています。ただし、区別するかどうかはクエリの記述方法によって変わります。
大文字と小文字を区別しない場合(デフォルト動作)
オブジェクト名を引用符(" ")で囲まない場合、大文字に変換され、大文字小文字を区別しません。
CREATE TABLE users (id INT, name STRING);
SELECT * FROM USERS; -- 大文字・小文字の違いは無視される
大文字小文字を区別する場合
オブジェクト名を引用符(" ")で囲むと、記述した文字列そのままが保存され、大文字小文字が区別されます。
CREATE TABLE "Users" (id INT, name STRING);
SELECT * FROM "Users"; -- 正確に一致させる必要がある
SELECT * FROM USERS; -- エラーになる
2. データ比較におけるIgnore Case
テーブル内のデータを検索や比較する際に大文字小文字を無視したい場合、以下の方法があります。
i. 大文字小文字を区別しない比較
Snowflakeでは、ILIKEを使用すると大文字小文字を無視して比較できます。
SELECT * FROM users WHERE name ILIKE 'john'; -- 'John', 'JOHN', 'john' 全てに一致
ii. 大文字小文字を区別した比較
通常の=やLIKEでは、大文字小文字を区別します。
SELECT * FROM users WHERE name = 'John'; -- 'john'や'JOHN'には一致しない
SELECT * FROM users WHERE name LIKE 'john'; -- 同様に一致しない
3. デフォルトのコラレーション設定
Snowflakeでは、データベース全体やテーブルごとにコラレーション(Collation: 照合順序)を設定することはできません。大文字小文字を無視した比較を実現するには、クエリで明示的に関数やILIKEなどを使う必要があります。
大文字小文字を無視して比較したい場合には、UPPERやLOWERを使うことも一般的です。
SELECT * FROM users WHERE UPPER(name) = 'JOHN';
まとめ
Snowflakeのデフォルト設定では、テーブル名やカラム名は大文字小文字を区別しません(引用符を使わない場合)。
データの比較で大文字小文字を無視したい場合には、ILIKEや文字列変換関数(UPPER/LOWER)を使います。
これらの特徴を理解して、要件に応じて適切にクエリを記述してください。