筆の表現や、洒脱なイラストといいセンスのかたまりって感じです。〜森本美由紀展
今はデジタルで描いていたりすることが多いと思うのですが、
昔は、ペンだったり紙の上の描いていた。
まあ、今もデッサンは手書きで書いて
スキャンして、それをデジタルでトレースしながら、
着色していくことも多いとは思うのですが。。
彼女の場合は、途中からですが、
筆を使ってるところが特筆すべきこと。
ベースにあるのは、
セツ・モードセミナーで培ったデッサン力というか、
長沢節リズムなのでしょうか。
筆を使わなくてももちろんかっこいい
ファッション・イラストレーションなのですが、
筆使われていることで差別化されているんですよね。
展覧会で過去の北斎とか、暁斎とか墨絵とかみると、
描線がいきいきしてるというか踊ってるんですが、
それは彼女にも言えることで、
墨絵を現代のイラストに昇華させているって感じです。
線に強弱がありますし、かすりなどの筆ならではの表現。
同じ弥生美術館で個展を開催した楠本まきは
逆に、線を統一させるために製図で使われるドットペン
を使っていて、そのあたりは作者によって違うんだなとも思いました。
彼女の考えるファッションイラストレーションは、服そのものを見せる絵で、女の子のなりたいイメージを具体化させたものらしいです。
たしかに、ファッションショーとかも服を着こなしているモデルをみて、着こなし方をイメージできるので、ハンガーにかかっていて もイメージがわかないですよね。
あとポスターや広告。
ピチカートファイブや竹内まりやのジャッケットも担当。
百貨店のポスターなどとの親和性も高いですし、
彼女を起用したデザイナーもさすがって感じです。
最後に、もっともっとうまくなって60歳になっても
洒脱に描きとばしてるのが夢だわんって実筆がありましたが、
志なかばにして54歳で亡くなってしまうところが切なかったです。
皆さまのお気持ちは、チケット代、図録代とさせていただきます。