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展覧会の雑記帳(2023.1月振り返り)石川直樹展/ボッティチェリ特別展《美しきシモネッタ》/江戸絵画の華 若冲と江戸絵画/岡ともみ展

twitterの140文字だけでは書けなかった感想をつらつらと書いてます。見出しを分けているので、気になったやつだけでも覗いてやってください。

石川直樹
「Naoki Ishikawa Photo Exhibition Dhaulagiri / Kangchenjunga / Manaslu」@GYRE GALLERY(-2/26)

山岳写真家の石川直樹の展覧会。2022年にアタックした6箇所の山の成果展みたいなドキュメンタリー展です。パンデミック渦中で海外に行けず、かねてから行きたかったヒマラヤ山脈の6つの縦走に挑み、うち5つのサミットに成功。本人としては、写真家>登山家らしいので、重いカメラ機器を持って、かなり苦しい中、ここでしか撮れない写真をとった写真が展示されてるそうです。そういう厳しい中で撮影された写真として見てみると厳しさが一入です。

会場には"登破"したサミットの地図も展示されていて、臨場感を盛り上げてくれました。短いですが、動画も上映されているので、是非。

ボッティチェリ特別展 《美しきシモネッタ》@丸紅ギャラリー(-1/31)

1点だけの展覧会です。それ以外には資料や、裏話エピソードで構成されてます。今回初めて行ったギャラリーでしたが、会場もほどよくコンパクトなので見やすかったですね。丸紅が所蔵するまでに至った経緯。マリー・
アントワネット付の女流画家、ヴィジェ・ル・ブランの旦那が初めの所有者、途中ナチスの接収されましたが、無事に返還され、いろいろあって丸紅に。と思ったら贋作疑惑、首飾りの隙間が当時の写真と違うというものでしたが、撮影する前に、加筆されており、写真撮影後に元に修復したので、無罪放免となり、めでたしめでたし。

今回の絵のモデルになったフィレンチェ一の美女だったと言われるシモネッタのことについての資料もあり、嫁いだ先は、アメリカ大陸を発見したとされるアメリゴ・ヴェスプッチの従兄弟、マルコ・ヴェスプッチだったり、ヴェスプッチ家に出入りしていたボッティチェリがシモネッタを近づくことができ、のちのヴィーナスの誕生などシモネッタをイメージした作品を残すことになります。

丸紅の所蔵品なので、また数年後に展示してくれると思いますが、こういう活動を儲かってる他の企業も是非見習うべきだなと思った帰り道でした。


江戸絵画の華〈第1部〉若冲と江戸絵画@出光美術館(-2/12)

エツコ&ジョー・プライスの若冲のコレクション。若冲と言う名のつく展覧会では皆勤賞と言えるほど、アートファンなら聞き覚えのあるコレクター名。そのコレクションの一部190点が2019年に出光美術館に売却されました。翌年お披露目展を計画していましたが、パンデミックで伸び伸びになり今年やっと開催。

売却された「鳥獣草木図屏風」が今回の目玉でもあります。実に8万6千コマのマス目描きは当時あまり見れらなかった独特の画法なのですが、実はこちらより次の部屋の墨絵の方がささりました。というのも、「鳥獣草木図屏風」もすごいと思うのですが、鳥獣の完成度が、右隻と左隻で違うのです。右隻は獣中心、左隻は鳥中心、若冲と言えば鶏といわれるほど絵の描写に長けてます。ただ、右隻の獣たちは観察力が少ないのか、デフォルメ感があるんですよね。そこのギャップがすごいと思えなかった点だったかもしれません。

ただ若冲本人は「私の絵は千年後の人に理解されればいい」という言葉を残しています。たしかに動植綵絵の緻密すぎる絵もすごいと思うのですが、逆にこの「鳥獣草木図屏風」の右隻のデフォルメしたゆるキャラの動物は未来の人(今の人)に受けるだとうということで考えたら、若冲恐るべしって感じです。個人的には、次の部屋の墨絵が好きですけどね。。

岡 ともみ  展@SHISEIDO GALLERY(-2/26)

毎年開催されている若手を応援する公募展「shiseido art egg」。選ばれた3人が順に展示会が開かれるのですが、そのトップバッターの岡ともみさん。

入ると目が慣れないせいかまっ暗です。目をこらすと柱時計が点在しています。文字盤も逆さだったり、針も逆に回っています。時計の中にはモニターもあってなにか不気味な映像も。。

今回のテーマは、葬儀の際、通常と逆の行為や飾りをする「サカサゴト」に着想を得たインスタレーション。お盆にやると霊が返ってきそうな気がしました。


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