ゴッホ展@上野の森(1/13まで)にいってきました。〜ハーグ派の画家たち〜
展覧会は、ハーグ時代(修行時代)、パリ時代(印象派と出会う)、アルル時代(THEゴッホ)の流れ。今回はハーグ時代が充実してるようなので、ゴッホ以外のハーグ派の画家を中心に何人か紹介します。ゴッホ展なのにゴッホの感想はありません。ごめんなさい。
ヨゼフ・イスラエルス(Jozef Israëls)
オランダ生まれ、パリで勉強し、ポール・ドラローシュの作品にも影響を受けながら、デンハーグに移り「ハーグ派」の代表的な画家とされる。息子のイサーク・イスラエルスは第2世代の「アムステルダム印象派」の一人として名を知られるようになる。
《縫い物をする若い女》
個人的好きな画家です。4点ありましたが、右端のこの作品が秀逸。絵は薄暗い室内ということもあり、左手から差し込む光で縫い物をしている女性に陰影がついてます。印象的には、同じオランダの巨匠で言うと、きっちり描くフェルメールと陰影をがっつりつけるレンブラントのちょうど中間の的な感じがします。
ヤン・ヘンドリック・ヴァイセンブルフ(Jan Hendrik Weissenbruch)
ハーグ派の第一世代で活躍したひとり。風車や帆船などを描きこんだ海景画が多かった。
《黄褐色の帆の船》
《田舎道》
シンプルな構図っていいんですね。絵に没入できるというか。印象派よりしっかり描いてますが、手の抜き方のセンスがいいです。どちらの作品も道といい、川が画面向こうへの抜け感がいいです。
ベルナルデュス・ブロンメルス(Bernardus Johannes Blommers)
イスラエルスの影響を受けて、モチーフは家族や子供たちなど家庭的なものを多く残しました。
《室内》
暗い室内で、親子3人で食事を楽しんでいる構図なのですが、割と細かく描かれていて、オランダの風俗画って感じがします。
アドルフ・モンティセリ(Adolphe Joseph Thomas Monticelli)
フランス生まれ。パリでポール・ドラローシュに学び、ロココのヴァトーやロマン派のドラクロワの影響を受けながら、独自のロマン主義的絵画を形成してく。後年にセザンヌとも知り合い、一時期、彼にも影響を与えた。
《陶器壺の花》
印象派の終わりのとこにある作品。ゴッホの厚塗りに影響を与えたとされるモンティセリ。今年はいろいろな展覧会でモンティセリの作品が見ることができました。今回も3点出て、どれもよかったですが、最後の《陶器壺の花》のゴテゴテ感出てました。ただ、それだけでなく、描写も素晴らしかったです。
まとめ
正直ゴッホってあんまり好きじゃないので、どうしようかと思ってたんですけど、行ってよかったです。どうやってゴッホはゴッホになったのか、糸杉を描くまでになったのか他の画家を通じて理解するのもアリではないかと思った展覧会でした。
皆さまのお気持ちは、チケット代、図録代とさせていただきます。