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寝床の中でiPadでNHKプラスの本木雅弘スペシャルを観た
日曜日は朝からしっかりとした雪が降りだした。心置きなく、自分の家にいることができる。ここ数日、家の中で過ごしていると、デジタル端末の利用度のバランスが変わっている。
外部オフィスへ行く回数が多いと、iPhoneとPCで移動する。
基本的にはオフィスで充電できるのだから、iPhoneの電池を心配する必要はないのだが、どこか心理的に、iPhoneの利用を節約しようしたくなる。
そのため、iPhoneでも読めるにもかかわらず、電子書籍をPC以外の環境で読みたくなったときのために、まるで予備電源のようにキンドル端末を持ちあるくことになる。
iPadとPCをどちらも持ち歩くのはさすがに重い。
ところが自宅となると、さほど充電の心配がなくなるせいか、なんでもiPhoneで済ますようになる。
ポッドキャストもラジコもアマゾンビデオも、HuluもYouTubeもAmazon Musicもキンドルも新聞もなんでもかんでもiPhoneですます。
特に体調が悪く、自分のベッドで寝ている時など、本当にiPhoneだけでよくなる。
作業環境としてのPC(=キーボード)はしばらく個人的には不可欠だが、iPhoneで随分メールだとか文章を書くようにもなっているので、シフトが完全に不可能なわけでもない。
実際、昨日のnoteはiPhoneで書いた。
ただnoteからのサイトへのリンクがうまく行かなかったので、あとでPCで修正したぐらいだ。
また長いまくらになってしまったが、iPhoneで何でもできるという話をしたかったわけではない。
NHKプラスで土曜日にやっていたプロフェッショナル本木雅弘スペシャルを寝床で横になりながら観た。これはiPhoneではなく、iPadで観ることにした。
NHKが、視聴者がテレビで番組を観なくなる未来への備えで、インターネットでの番組同時配信に踏み切った。不公正競争などの点で民放業界からも不満の大きい動きだ。
政治的にもNHKのニュース部門は官邸の言いなりとか評判がよくない。
入ったアパートがそもそも視聴率を払う仕組みになっていたことや、NHKの外国語番組や大河ドラマの長年のファンなので、このサービスにはさほど文句はない。
とはいえ、どんどん地上波を見る時間も減ってきているので、それほど毎日観たい番組があるわけでもない。
本木雅弘スペシャルは、面白かった。特に、今回の大河ドラマ「麒麟が来る」が気にいっているので、道三役の造形にこだわり続ける本木の姿が興味深かった。
元々ジャニーズのアイドルタレントとしてスタートした本木の自分はFakeだという意識との長年の葛藤が描かれている。
ジャニーズ脱退後の俳優として再出発、樹木希林の娘との結婚、「おくりびと」で初めてめぐりあったリアル、他人から見られることがないことの解放という意味でのロンドンなど、よく作られたドキュメンタリー作品に仕上がっていた。
しかし、このドキュメンタリー作品というもの自体もそもそもがRealとFakeの間を揺らいでいる。
カメラを向けられて何が素なのか。
特に役者の場合は、カメラを向けられながら素を演じるというFictionが不可避的に存在している。
神経質で頭の良い本木雅弘は、ドキュメンタリーの構造というものの持ついかがわしさへ加担することの含羞と言う形で、Fakeの中のRealを表していた。
番組を通じて、自己言及的な無数の前言撤回が繰り返されていく。ともすれば煩わしくなるぐらいなのだが、その、無数の前言撤回の中に、なんとなく、本木雅弘という宿命のリアルを感じた。
これからの「麒麟が来る」を見るのが楽しみになった。NHKの思うつぼだった。